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CDをやめる上で考えていたあれこれ

今年は全国各地でフリーライブをやりまくって、QRコードが付いた無料ダウンロードカードをばら撒きまくる予定でした。

2018年頃から前もって制作費用をクラウドファンディングで募り、CDをやめて全曲無料ダウンロードにして、マネタイズを音楽じゃないものに変えていっています。それもこれもストリーミング化が進んだことにより"音楽を買う"という概念がなくなり、CDで生計を立てている状況に危機感を覚えたからです。ちなみに私も音楽を買うことはほぼありません。

代わりに制作過程を見せたり、レコーディング現場を見せたり、歌詞カードをブックレットにしてこだわってみたり、似顔絵を描いたり、音楽を売らない方法をずっと考えて試してきたのです。


それが今回のコロナの影響によって時代が激変しました。じわじわと音楽がCDからオンライン化へと進んでいた中で、ごっそり体験までもオンライン化へと進み、CDやめましたがもう全く新しくありません…(笑)時代が変わった証ですね。

ダウンロードに切り替えた頃はなぜダウンロードにしたのかをひたすら説明していました。"新しい"というのは分からないが多い恐怖心と、理解しなければならない面倒臭さがあるので、そんなエネルギーを使うのなら今まで通りでいいやとなりがちです。お前はCDをバカにしていると怒られたこともあって、変化への拒絶反応を強く感じました。

最近で言うと、セブンイレブンのアイスコーヒーの販売方法が袋詰め氷に変わったことに対してネガティブなコメントが多いのも、今まで慣れていたルーティーンを変えなければならないと言う面倒くささもあるんじゃないかなあと私は思っています。


体験を経てお土産感覚として販売していたCDは、体験もオンラインになったことにより物体である意味がさらに薄まっています。CDを聴けない人が増え、リリースツアーも出来ない状況下でCDをプレスすることは在庫を抱えるリスクが伴い、サブスクの利益は雀の涙ほど。

なので大事なのは、販売する物体は音楽以外の面でさらに意味を持たせることなのではないかと思っています。それは制作過程が見れたり、譜面が載っていたり、小説になっていたりなど様々な方面へ広げられるし、さらにCDは何曲入りでこれぐらいの値段というイメージが付いてしまっていますが、CDにしなければ収録曲数に関わらず値段の幅も広げられるのです。

私の中では音楽はほぼ無料コンテンツと化していて、いかにその先へ繋げて自分の元へ返ってくるように道筋を立てられるかを考えています。そのためにはたくさんの伏線を張らなければならないし、一つ一つにしっかり意味を持たせなければ無料で放り投げたまま返ってきません。


今年の3月からリリースしている新譜も、藤森愛が似顔絵を描く「藤の森シティー」プロジェクトで制作費用を賄っているので、リリース後にCDを売って回収する必要も、有料にしてダウンロードで回収する必要もありません。リリースしてから売るのではなく、リリース前に売っておいてリリース後の裾野を広げておくイメージですね。


これからますます"最初は無料で皆んなとシェアする"が加速していくのではないかと思っています。面白い時代だー!


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