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SNSはずっと怒っている

これは私が思う近年のSNSへの印象です。

怒りの投稿の行き先は共感を経てさらに怒らせるか、反感をかって論破させるかのどちらかで、怒りは怒りにしか繋がらない。ましてや誰も幸せにならない。そんな怒りがなぜタイムラインを埋めやすいのかを考察してみました。


怒りはドーパミンで促進される

怒りが高まると脳内では「目的を果たそう」という精神状態に達して、これはドーパミンによって促進される可能性が高いそうです。ドーパミンは得られる報酬よりも、得られるかもしれないという期待を感じて動く時に大量に分泌されるもので、SNSにはそのドーパミンを強制的に分泌させる効果があります。詳しくはこちらのnoteにて。

怒りによるドーパミンの分泌は「自分を傷つけた相手に過ちを認めてほしい」、「気持ちを入れ替えてほしい」と言うように目標に向かって突き進む欲望を追及し、復讐心を掻き立てます。つまり、"目的を果たしたい怒りのエネルギー"が"SNSによって強制的に分泌されたドーパミン"によってさらに促進されるのです。最悪のコンビネーション(笑)

私もムカつくことがあるとつい呟きそうになるのですが、そこは一度グッと堪えて時間が経過するのを待ちます。怒りでいいねが付いて承認欲求が満たされてしまうと、次もいいねが付くかもしれないと期待を感じてドーパミンが分泌されて、怒り中毒になりやめられなくなってしまうからです。


短文は冷静さを失わせる

SNSは思ったことをすぐにその場で呟ける手軽さゆえに、より感情的に、衝動的になりやすいのではないでしょうか。

長文だとなぜそうなったのか(Why)、どう思ったのか(What)、どうやって解決したいのか(How)と言う風に順を追って書いていく場合が多いので、頭が整理整頓されて自分自身が冷静になり、怒りの文章になりづらい。noteが荒れないのはそういった効果もある気がします。140文字の制限があるTwitterは前後を省いてWhatの部分だけを切り取って書いてしまうことが多いので、自分の中で整理整頓できていないのではないかと思いました。


怒りは拡散のトリガーになりやすい

自分が正しいと思っているから怒りに繋がるのであって、怒りはその人にとっては正義です。その正義には強いメッセージ性があるため高速で広がりやすく、一体感をもたらしやすい。極端な意見はファンもアンチも付きやすくなります。さらに、アルゴリズムによってタイムラインには同じ意見を持った人たちが集まりやすく、さも自分の正義だけが正しいかのようにすら感じてしまうことがあります。

今のAIには人を分断することしかできず、中間を提示することはできないそうです。どんどん同じ意見を持った人たちをどんどん同じ場所に集めていきます。「コロナは危ない!」と言う人と、「コロナは風邪だ!」と言う人を大きく二極化して、「コロナは危ないかもしれないけど経済活動も考えて予防をしながら気をつけよう!」と言うどっち付かずの真ん中の人たちの意見を小さくしてしまうといった具合にです。

なので、目に見えている意見だけが正しいと思い込まず、自分から反対意見も見に行くことが大切だと思っています。ネット上に上がってくる情報は全てAIによって操作されていて、自分と同じ意見や興味を持っている人たち、自分が好きな人たちが集まってきているという意識が必要です。なかなか難しいですけどね。


怒りで頭が沸騰してしまっている時、すぐに呟かず少し時間を置いてみませんか?タイムラインは自分自身の鏡であり、現代では名刺の役割も担っています。

誰かが誰かを叩いたり批判したりしない、そんなSNSの世界が来ることを願って。


【参照】
人が怒るとき、脳では何が起きているのか



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