見出し画像

100点の文章は目指さなくてイイ。文才より「伝わるコミュニケーション」が大切だと思う

「ふじじゅんさん、どうしたら文章上手くなりますかね?🍢」

オウンドメディアをはじめ、各所で記事書いたり編集したりしていると、よくこんなこと言われるのですが、正直なところ「上手くなる方法」は答えられないんですね。僕は決して文章が上手いわけではありませんし、なんなら僕自身上手い書き手を目指しているわけでもありません。

なぜなら算数や数学と違って「100点の文章」という絶対的な正解が存在しないからです。より正確な表現をするならば、偶然100点の文章が生まれることはあっても、100点の文章を導き出す方程式は存在しないんじゃないかと。少なくとも僕が仕事や生活の中で生きる上では。

その点、僕が大切だなと思うことを今回noteにまとめますが、結論から申し上げると「上手い文章より、コミュニケーションとして成立するかどうか」に注力すべきかなと思っています。

■ 文章の3タイプ

新聞やWebニュース、ブログ、小説、マンガなどなど世の中には多くの文章が存在しますが、この「文章」について特徴をわけると大きく分けて2つあるかなと思います。

①アート型
②コミュニケーション型
③ハイブリッド型

①の「アート型」は、小説などの純文学のようなものをイメージしていただければと思います。エモめのエッセイやコラムなんかもそうですね。マンションポエムなんかもここに入りそうですw

②の「コミュニケーション型」は、ビジネス書やハウツー本、オウンドメディアなど、現実世界における目的に応じたメッセージを伝えることで、行動を促すようなものがこちらに当てはまるかなと思います。

もちろんこの2つどちらかではなく、どちらの性質も持ち合わせる③「ハイブリッド型」の文章もありますよね。「サイボウズ式」さんが特徴的かなと。

インタビュイーの持つメッセージを、インタビュアーやライター、編集者が巧みな表現力で人を惹きつけ行動に繋げる。流れが美しいんですよね、惚れ惚れします。

で、僕のような駆け出しオウンドメディアマーケターにおいては、③の「ハイブリッド型」を極められたらめちゃくちゃ強いなと思いつつ、当面は②「コミュニケーション型」の習熟度を上げていくのが先決かなと思います。(とはいえ、いずれも手段に過ぎないので、②を極めるだけでも充分強いと思いますし、というよりそれだけでも結構なハードルではあると思うのですが)

以下には、僕の経験に基づき、前提やハウツーを整理します。

■ 「100%伝わる」なんてありえないことを知っておくべき

冒頭で申したとおり、上手い文章を書くより大切なのは「コミュニケーションとして成立するかどうか」だと思っています。100点の文章、上手い文章を目指すと十中八九心が折れます。

なぜなら正解がないから。

例えば、「自分が届けたいメッセージ」を100%としたときに、「自分の伝達精度」が80%、「相手の理解精度」が80%だとすると、最終的に伝わるのは単純計算で64%なんですよね。

それぞれ80%なので、2人ともそこそこの手練なんですけど、それでもせいぜい6割強しか伝わらず、4割近くの情報はコミュニケーションの間にロスしているんですね、ざっくりいうと。これは「コミュニケーションのキャパシティ」ともいえるかも。

他方、もし自分の伝達精度も相手の理解精度も並程度で、仮に60%だったら、60%×60%でキャパシティは36%。

でも、この「64%」とか「36%」のキャパの中で、最低限伝えておきたいことが含まれていたらそれで充分だと思うんです。この理由は後述します。

■ 文章で伝える3つのコツ

ここまでの流れを踏まえつつ「コミュニケーション型文章」においては、次の3つに意識を向けてコンテンツづくりに取り組むと、格段に伝わりやすくなるのではないかと考えています。

(1)入口:「読むモード」に切り替える
(2)道のり:伝達精度の向上で「ロス」をなくす
(3)出口:キャパにあわせて「情報量」を絞る

以下に、1個1個見ていきます。

(1)入口:「読むモード」に切り替える

当たり前なんですけど、読まれないと伝わりません

どんなときに読まれないか?

入口に関して言うと、面白い面白くないというのを抜きにして、「ちょっとこの内容は自分と違うかも〜」って思われたときが一番危ないかなと。

そこで、タイトルやアイキャッチとならんで重要なのが、切り口となるリード文や見出し(もっと細かくいうと、検索時などに表示されるディスクリプションも。)。目次なんかも効果的ですね。

これはターゲットが興味関心を持つフィールドを選択できるかが重要かなと思います。

例えば、最近僕が引き込まれたのがこちらの記事です。

リード文で、

全員が編集未経験だったという異色の編集チームは、いかにしてオンリーワンの企画力を確立したのでしょうか?

とあるんですよね。「あ、自分が読むべき記事だ」とパッと見でわかるんです。コミュニケーションをとる上での入口づくりは、大前提として大切ですね。

(2)道のり:伝達精度の向上で「ロス」をなくす

道中となる本文においては、とにかくロスをなくすべく丁寧な文章にしていくこと。(ここでいう丁寧な文章は、必ずしも上手い文章である必要はありません。)

例えば、僕がライティングや編集する際は以下のようなポイントを注意しています。

・ターゲットとテーマは適切か?
・NG文法を使っていないか?(現代では誤りとも言えないようなやつはOK)
・「てにをは」は適切か?
・まわりくどい表現になっていないか?
・結論から伝えているか?
・推論に推論を重ねていないか?
・論理が飛躍していないか?
・事実と仮説を混同していないか?
・抜け漏れがないか? MECEになっているか?
・伝えたいメッセージが絞られているか?
・5W1Hは明確か?
・ファクトチェックOKか?
・誤字脱字や表記ゆれはないか?
・伝えたい内容と読了後の行動喚起は適切か?

これらを意識しつつ、原稿チェックやダブルチェックでフィードバックをもらえると、よりスピーディに上達するはず。もらったフィードバックはメモをとりつつ上記のような項目に対して類型化し、チェックリストとして振り返ると便利です。

ただ、全部が全部を意識しすぎても大変なので、時と場合によってメリハリつけるなどしたほうが良いかも。例えば、僕がnoteを書くとき、表記ゆれなんかはあまり気にしていないです。笑

(3)出口:キャパにあわせて情報量を絞る

先ほど、コミュニケーションにおけるキャパシティの話をしましたが、その中で「何が伝わればOKなのか」を見定め、情報量を絞ると伝わりやすいです。

例えば、ニュースの天気予報って全国の天気は表示されますが、台風などの予報がない限り優先的に読み上げるのは放送エリアですよね。見る側もそれで充分で、僕なら関東の中でも東京と埼玉しか見ませんからね。キャパシティ20%くらいなのに対して充分理解できるので問題ないわけです。

文章という観点でもうちょっと具体的な例をあげると、例えば「働き方改革」というキーワード。今でこそ浸透しているキーワードですが、この言葉が使われ始めた当時は、今より理解度のバラツキが大きいんですよね。もちろん書き手もめちゃくちゃわかっているわけではないような時期でもあります。

仮に伝達精度60%に対して理解精度40%でキャパを24%としましょう。この中で「働き方改革を理解すべき30の基礎知識」みたいな感じで、項目が多い網羅的な記事だと、メモリを食いすぎて頭に残らないどころかキャパシティをはみ出てしまう。であれば、9割方の情報をそぎ落として「働き方改革でこれだけは知るべき3つのコト」などに絞ったほうが理解されやすいです。

逆に、浸透してきた現段階において、仮に伝達精度80%・理解精度80%でキャパが64%あるのであれば、もっと多い情報にも耐えうると。

ちなみに要素の多い少ないだけでなく、「事実」か「観念」かでも変わってくるので要注意。例えば、「働き方改革関連法の施行内容」は「事実」なので解釈が変わらず理解しやすい。

一方で、「働き方改革に関する僕の考察」みたいな、人によって解釈が異なる「観念」的な内容であれば理解しづらいんですよね。

その点、以下の記事は「働き方改革関連法案」として成立が可決された直後の記事ですが、既に法案として認知されていた中で事実に基づいて具体的ポイントを整理した内容になっており、多くの方にご覧いただきました。結果、数万人の方に閲覧数され、いいね!・シェア数も200を超えています。

このようにキャパにあわせて、最低限何が伝わればOKなのかで情報量を適切に調節できると良いでしょう。

■ スキル研鑽にオススメなこと

これらを踏まえて、スキル研鑽していく上でいくつかオススメなことを紹介します。

①「自分ならこう書く、こう編集する」という視点で様々な文献に触れる
日頃情報収集する中で、書籍や記事に触れつつ客観的に「自分ならこう書く、こう編集する」という視点を持つと、効率的に上達できます。

②編集が入っていない「生の原稿」に触れる
これは働く環境にもよるのですが、例えば自社のプレスリリース原稿のほか、「自社の誰かが取材された! その原稿があがってきた!」などの際、まだ編集の入っていない生の原稿に触れつつ①の観点をもつことで上達に近づきます。

③「文章以外」ならどう表現するかを考える
文章を書いてたら表現方法に困って行き詰まることって多々あるんですよね。これはめちゃくちゃオススメなんですけど、そんなときは「文章以外ならどう表現できるか?」も考えると捗ります。

イラストしかりプレゼン資料しかり電話しかり会話しかり、「文章」というフォーマットにこだわらずその枠を超えて伝えたいことを整理すると、伝わりやすい表現の想起に繋がります。

なんなら文章がムズければ、イラストや写真を挿入しても良いわけですからね。

■ おわりに

というわけで、ちょっと強めのタイトルで大きく出てみましたが、「上手い文章が書けない」とか「自分には文才が無いから」と思い悩む必要はないと思うんですね。

これは文章に限らずで、例えば漫画家なら、さくらももこさんは、めちゃくちゃ絵が上手いわけではないけど「ちびまる子ちゃん」や「コジコジ」で読者の心を打って人気を博したわけじゃないですか。

「伝えたいメッセージ」自体は動かぬ要素なわけですから、得意を目指すのではなく、苦手意識を少し削っていくほうが早いかなぁと思います。

ちなみに主にオウンドメディアにおける「企画・構成」というタイミングにおいて重要なことも考察しましたので、あわせてご覧いただければ幸いです!

🍢Twitterもよろしくね🍢


いつもお読みいただきありがとうございます! 笑顔で生きる糧になります😍 今後とも🍢ふじじゅん🍢をよろしくお願いします!