藤井達夫 『民主主義とその周辺』

民主主義について勉強したり、書いたり、話したりしています。近著に『〈平成〉の正体』(イ…

藤井達夫 『民主主義とその周辺』

民主主義について勉強したり、書いたり、話したりしています。近著に『〈平成〉の正体』(イースト新書)があります。ちょっとしたエッセイから日々の雑感まで書きつづろうかと思います。ブログのバックナンバーはこちらです⇨http://fujiitatsuo.hatenablog.com/

最近の記事

『男である』ことを止められない男性たちとその事情:イベントのお知らせ

またまた千駄木の往来堂書店でトークイベントをやります。今度のお相手は、各メディアでご活躍中で男性学がご専門の田中俊之先生。2月21(金)の19時半から。イベントタイトルは、「『男である』ことを止められない男性たちとその事情」。興味のある方は、往来堂書店のホームページから申し込みができます。 さて、今回のイベントを企画したきっかけは、昨年10月、同じく往来堂書店での中村淳彦さんとの対談であった。そこで中村さんから、「平成の時代における貧困問題の中心は女性であったが、令和の時代

    • 日本の貧困――昭和・平成・令和――

      気鋭のルポライター、中村淳彦さんをお相手に千駄木の往来堂書店で催したトークイベント。なかなかの盛況で無事終わった。 仕事帰りのビジネスマンをはじめ、地元コミュニティで福祉活動をされてる方々などを聴衆に日本の貧困のこれまでと、現在、そしてこれからについて話をした。 豊富な取材経験にもとづいた中村さんのお話は、やはり貴重なものばかり。その中でも、最新の取材の話は興味深かった。 行政による公的な支援を当てにできない北関東の女性たちが結託して行う売春の話だ。生活を防衛する為のそ

      • 「東京の貧困 昭和・平成・令和」:イベントのお知らせ

        トークショウをやります!お相手は、いま話題沸騰中の『東京貧困女子。』の著者、中村淳彦さんです。10月4日金曜日、19時半からということで、もう間もなく。会場は、知る人ぞ知る千駄木の往来堂書店です。まだまだ席に余裕があるようなので、よろしければぜひお越しください。申し込みは、往来堂さんのホームページからお願いします。 トーイベントの趣旨は『東京貧困女子。』V.S.『〈平成〉の正体』といったところです。具体的には、中村さんからは取材から浮かび上がる現在の日本における貧困の悲惨な

        • 象徴天皇制と平成ーー辻田真佐憲『天皇のお言葉』から

          以前、拙著『平成の正体』で対談させていただいた辻田氏より『天皇のお言葉』をご恵投いただいた。平成も終わるこのタイミングに、何とも絶妙なテーマでの出版。『大本営発表』や『空気の検閲』もそうであったが、今回も辻田さんの企画力に脱帽するばかりだ。 250のお言葉をとおして日本の近現代史をたどる本書。不勉強な筆者には学ぶところが多かったことは言うまでもないが、それにしても、『天皇のお言葉』の最大の魅力は、明治から平成にわたる4人の天皇の言葉を通して、それぞれの天皇の人柄というか人間

        『男である』ことを止められない男性たちとその事情:イベントのお知らせ

          社会的制裁に熱狂する人たちの建前と本音――ピエール瀧の逮捕をめぐって――

          社会的制裁としての自主規制先週、コカイン使用容疑でピエール瀧が逮捕された。法律を犯したとするなら――報道では、容疑を認めているようだ――、当該の法律の定めるところに従ってしかるべき処罰を受けねばならない、ということだ。これに多言を要しはしない。本来ならそれで終わりの話だ。 彼は有名人だから、社会に与える影響を考えればそうは問屋が卸さない、という人もいるだろう。だから、マスコミは、彼の取り調べや裁判の様子、その判決を報道する。そして、罪を犯した人間が法律によってどのようなペナ

          社会的制裁に熱狂する人たちの建前と本音――ピエール瀧の逮捕をめぐって――

          日本版「民主主義の死に方」

          レビツキ―、ジブラット『民主主義の死に方』から考えてみる 『民主主義の死に方』という本をご存知だろうか。ハーバード大学で教える二人の政治学者によるもので、昨年翻訳され、日本でも話題となった。その中で、現在、人権を保障する憲法の下で選挙が定期的に行われ、その選挙で選ばれた国民の代表者が政治を行い、複数のメディアも存在するような国家において、民主主義が後退し、さらに崩壊へと向かいつつあることが指摘されている。ようするに、民主主義をやめるのに、もはや戦車や戒厳令は必要ない、これまで

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          基幹統計の不正・隠蔽は、なぜそんなにヤバい問題なのか?

          まず考えてみるべきことは‥‥ 想定外の事態に今の日本社会は直面しているというべきか、それとも想定内の当然の帰結というべきか。その事態とは厚生労働省および総務省で明らかとなった、統計の不正・隠蔽問題である。 「毎月勤労統計」や「賃金構造基本統計」(以上、厚生労働省)、「小売物価統計」(総務省)など基幹統計で不正が発覚し、またそれらの中には意図的に隠蔽したものもあるのではないかという疑惑が出てきている。また、「毎月勤労統計」の不正が発覚する中で、野党が2018年度1月~11月の

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          【ダイジェスト】藤井達夫氏:平成時代の終わりを新しい物語を始める契機に

          『平成の正体』を前回の記事で紹介しましたが、なんと拙著を叩き台に、宮台真司さんと神保哲生さんと平成の時代を振り返りました!ダイジェストがYouTubeにありますので、ご興味のある方はぜひ。これじゃ、よくわからないという方は、約2時間のフルバージョンがVideonews.com(http://www.videonews.com/marugeki-talk/926/)でご覧いだけます。ただし、有料ですが。。。

          【ダイジェスト】藤井達夫氏:平成時代の終わりを新しい物語を始める契機に

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          「はてな」から「note」へ

          しばらく中断していたブログ『民主主義とその周辺』を「note」で再開することにしました。たまにしか更新しない、内容も堅めのブログでしたが、心機一転、もう少しくだけた感じの記事も織り交ぜつつ、更新回数も増やす方向でやっていこう。こんな感じで再開です。 しばらくブログを中断したわけはいろいろあるのですが、その一つは新書を出したことでした。『<平成>の正体』(イースト新書)。 「はてな」で連載していた『民主主義のとその周辺』の記事をまとめたわけではないけれど、時事ネタを政治理論