京都ボヘミアン物語⑯恥かくために都大路を駆ける「マラソン」
「街ブラ」番組をまねたマラソン企画
寒くなるとひまになる。ひまになると妄想がふくらみ、「ミイラ男」のようなわけのわからぬイベントが生まれがちだ。
12月にはもうひとつ大イベントがあった。
「ボヘマラソン」。1984年の第1期から86年の第3期まで3年連続で開催した。
毎日放送(MBSテレビ)で1983年から86年まで放映された「夜はクネクネ」(略称「夜クネ」)というバラエティ番組が企画のヒントになった。
「猫ニャンニャンニャン、犬ワンワンワン、カエルもアヒルもガーガーガー」というギャグや「赤とんぼの唄」(あのねのね)で知られる原田伸郎と、アナウンサーの角淳一が、関西各地の夜の街をひたすら歩いて出会った人に「こんばんは~!」と突然声をかけて雑談をかわしてもりあげる、という内容だった。「街ブラ番組」「散歩番組」のはしりだった。
ボヘミアンはこれに着想を得て、「いろいろな人と出会い、話し、人なつっこさを養い、恥をすてる」という目標をかかげ、あちこちにもうけたチェックポイント(関門)の課題をクリアして、京都の町をぐるりと走るというイベントにしたてた。
賀茂川と高野川が合流して鴨川になる出町柳のデルタから出発し、まずは高野中学の女子中学生に顔面にサインしてもらう。京都女子大ではキスマークをもらう。
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