過去の恋愛の話。その①。


まずはじめに、これを読むのはわたしを知らない人なのか、それともわたしを認識している人なのかでどう書き始めるかが変わるな〜と、ぼんやり思った。
どちらかに偏らないように書けたらいいな。
※これは素敵なラブの出来事ではなくて完全に恨み節満載の実話です。予めご了承ください。 

(※追記:全部で⑤パートあるので、長くて読むのが面倒だけど短いなら読んでやるよという方用に簡潔にまとめたものを作成しました。→
https://note.com/fujichan____s/n/n5679361f797f 
もしこのまとめを読んだ上で詳細も読むか…という方がいらっしゃったら以下及び②〜⑤にも目を通していただけたら嬉しいです。)


さて。

わたしは今現在"いい歳"で、人生で2回目に訪れる"いい歳"だと思うのだけれど、そんな中でも付き合ったことがある人はたったの1人。たった1人の女性。
一人称が"わたし"だからと言って必ずしも女性であるわけではないけれど、わたしも女性。
今"流行り"の所謂LGBTQ。
深く事を考えないメディアがそれっぽく取り上げたり、当事者でそういう感覚の人は嫌だなあ。


たぶんわたしはB、バイセクシュアルに該当するのだと思う。男性と交際経験がないけど、好きな男性芸能人はたくさんいるから、たぶん、にしている。


さて、その1人の女性と知り合ったのは遥か昔。大学時代。
専用の掲示板や、界隈の人が集まる2丁目ではなく、ただのコールセンターのアルバイトで知り合った。
そのアルバイト先ではホワイトボードに座席が書かれていて、毎回ランダムなので出勤時にはじめて今日の隣の席の人物を把握するのだけど、その女性と初めて隣になった時「(うわぁ〜……)」と心の中で感嘆した。俗に言う一目惚れだった。

その人こそ、元カノのNちゃん。

それまでアニメのキャラクターやジャニーズのタレント、芸能人にしかトキメキという名の胸の高鳴りを覚えなかったわたしが、初めてそれを感じた瞬間。
休憩時間の会話は自由だったため、なんとか勇気を振り絞って声を掛けた。
すると、地元が同じでさらに実家が物凄い近く!



いやー、恋愛観漫画かよと思った。


しかしこのときはまだ、一目惚れとは言え、とは言え!恋かと言うとそうではないだろうな、という曖昧な気持ちで留まっていた。
2歳年下のその子はビジュアルがタイプというだけで恋ではない、可愛いって思うだけだ!と。
実際周りの友人にも「バイト先におったまげるくらい可愛い子がいる…。」くらいに話しただけだった。


あまり前日譚を長引かせても本題に入らないので割愛するが上記以降、

フェーズ1:うわー、やっぱりこりゃ恋だわ好きだわ。って、いくら相手に今恋人がいないとは言え自分は女、相手も女だしな…望みはないよな……。

フェーズ2:(バイトの帰り道突然暴露され)…え???恋人がいる……?しかも女……?え……???…………と言っても結局向こうには付き合ってる人がいるんだし望みない。諦めよ。

フェーズ3:(久々のLINEで突然)……え?別れた?マ?婚活?マ?言うてまだ若いんだし遊べば?(このときは自分を選択肢に入れてというわけではなく素直にまだ婚活しなくても遊べばいいじゃんと思ってそう発言した)

フェーズ4:なんかめっちゃやり取り続くしいいかんじじゃない…?え?いいかんじじゃない???……でも付き合ったとして同性同士……いつかは別れはくるだろうから果たして付き合うべきなのか……。

フェーズ5:お互いの想いを認識して付き合う。このときはお互いまだ、"いつか別れるときがくるかも"という感覚があった。


片想いから約2年越しに実り、そして人生の中で初めてできた恋人。
お互い就職して社会人になる等環境の変化がある中、上記フェーズ5にある、"いつか別れるときがくるかも"そんな思いはいつしか消えて、順調に交際を進めた。


そんな中でわたしは、Nちゃんからある同性カップルの紹介をされた。
彼女たちは、元々Nちゃんの元カノの紹介で知り合ったそうなのだが、是非紹介したいとのことで2人の住む家を訪れた。
人見知りのわたしは駅前のスーパーで酎ハイを購入し、一本引っ掛けてから初対面したのだが、1人(A子)は愛想良く挨拶をしてくれて、もう1人はその場から動かず視線を斜め下に落としながら挨拶をした。
ちなみにこのよそよそしい挨拶をした彼女のことはここでは"よそ子"と言うようにするけれど、このよそ子は今現在わたしが心の友よ〜〜〜、と心で汗をかくほど信頼している友人である。


さて、彼女たちとは4人で交友を深め、居酒屋でお酒を交わしたりカラオケでマイクを向け合うだけでなく、時に小旅行として車で避暑地に向かい、時に某夢の国でビーマジック状態になる等した。
率直に述べると、物凄く楽しかった。

ここまで読んでくださった物好きさんは、「え?何これありきたりなストーリーじゃん」とお思いになられるかと思うが、ここからが問題なのだ。




わたしはNちゃんと順調に交際を続けている、そう思っていた。
喧嘩もしたし、わたしのワガママな部分や幼い自分勝手な言動で(特にアルコールが入ると厄介だった)相手を幻滅させたり困らせたことはあったけれど、お互いを理解して順調なのだと勝手に思っていた。


しかしあるとき、Nちゃんから「少し考えたい」と連絡がきた。付き合ってから4年過ぎた、まだ寒さの厳しい2月頃のこと。幼く驕り高ぶっていたわたしは焦った。物凄く。
でもきっと今だけ、そういう気分で言っているだけ。
そんな風に思おうとしていた。


お互い実家暮らしだった当時、月に1回ビジネスホテルで密会をしていたその場所でわたしは「そういえばこの前の話……」と切り出した。よく覚えていないけど、確か夜ご飯の定番にしていたデパ地下かもしくは安くて美味しいスーパーで買ったお寿司を食べた後かな。
Nちゃんが「別れよう。」と言った。
何を言っているのかわからなかった。マジで。
たしかその時既にお酒を飲んでいたけど、酔っていたからとかではなく、本当になんて言っているのかわからなかった。わかったけど、わからなかったというか。


ここからは、正しい語尾とかはわからない。
けど、最低限覚えてるやり取り。


「なんで?嫌なところは直すよ。言って?」
「そうじゃない。」
「じゃあ、なに?嫌いになった?」
「違う。好きだけど。好きだけど、自分の子供が欲しい。」
「……でも、人工受精とかもあるじゃん。」
「そういうことじゃなくて、世間体が気になるし男の人と結婚したい。自分の子供が欲しい。」


たぶんこんなかんじかな。
わたしの中で"自分の子供が欲しい"、"世間体が気になるから結婚したい"、この2ワードは一生忘れられない。
わたしのことが嫌いになった、恋愛感情が冷めた、他に好きな人ができた、こういう理由だったらどんなによかっただろう。人間性を否定される方がよっぽど良かった。
だけどNちゃんは、嫌いになったわけじゃない、好きだけど、の一点張りだった。
そんなNちゃんのことを泣きながら説得したけど、この2ワードで本当にもうどうしようもなくなった記憶がある。

キツかったわー、"子供"、"結婚"、"世間体"。
レズビアンであるNちゃんから出た言葉。
どう頑張っても、どれも女である自分にはできないことだった。
どんなに泣いてもどんなに願ってもどうすることもできないことがわかっているから、そういう感情をどこにどうぶつければいいのかわからなかった。
しかもはじめての失恋だったし。



翌日泣きながら、先述した仲良しカップルのひとりのA子に連絡した。その子は近くの駅まで車で迎えに来てくれて数日家に泊めてくれた。
当時の会社の上司は本当にいつも親身になってくれて優しかったから「出社はゆっくりでいいからね。」なんて声を掛けたくれた。


家に泊めてくれたA子はとてもとても優しくて、たしかあのときわたしはゆでたまごしか食べられなかったんだけど、それを心配してくれていたなあ。


少し落ち着いて帰宅したわたしは、それまで頑なに秘密にしていたにも関わらず振られた勢いで電話で母にカミングアウトしたことを思い出したのだけど、そんなわたしに母は「おかえり。」と優しく言ってくれた。
厳格であり優しい母の、たくさんの優しさがそう言ってくれて、強がりながらも物凄く泣いた。





その②へ続く。→
https://note.com/fujichan____s/n/nd7066985a2be


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