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ミュージカル『ジェーン・エア』観劇

数年ぶりに、友人とミュージカルを見に行きました。
井上芳雄さんの『ジェーン・エア』
大阪公演、シアター・ドラマシティにて。
原作は、C.ブロンテ。古典ロマンス小説の金字塔。

実は、1月福岡の『エリザベート』のチケットが瞬殺で取れず、リベンジ観劇でした。

この日のジェーンは、屋比久知奈さん。
ヘレン役に上白石萌音さん。
Wキャストで、入れ替わって上演されています。

屋比久さんのジェーンは、芯のしっかりした、意思の強い女性を体現されていました。なんといっても目力が凄かったです!

上白石さんは、少しの出演にも、しっかり存在感を残されていて、優しく諭す、ふわりと包み込む、賢い女性を表現されていました。

そして、さすがの井上芳雄さん。
これまでプリンスなど、キラキラした役のイメージが強かったですが、今回の役は、心を閉ざした影のある主人、ロチェスター役。

登場から、やさぐれ感満載で(笑)。
お金も名誉もあるのに、無精髭で、世捨て人的な雰囲気。
声も、うなるような、低い声色。
これまでの、高音で澄んだ、伸びやかな歌声とは大違いでした。

井上さんも、40代半ばと聞いて、あぁ、そうなのかぁ、もう昔とは違う系統の役をやっていくのかぁ、としみじみ。

脚本・演出は、ジョン・ケアード。
『レ・ミゼラブル』、『ナイツ・テイル』、「千と千尋の神隠し」の世界的演出家。
舞台照明による陰影のつけ方、幾何学模様的な配置が素晴らしかったです。

舞台上に客席。
左右にオンステージシートが設けられていました。
黒服に黒マスクのみなさん。
私達は、普通のS席だったので、その方々は合唱などで参加される出演者なのかな?と思っていましたが、舞台上から観劇するお客様だったことが後にわかり、びっくり。

舞台上の客席から見る景色はどんな居心地なんだろうか?と興味が湧きました。

他にも、出演者の方が衣装チェンジし、数役こなされていることに気づいたり、ストーリー後半で謎解きがあったり、テンポよく紙芝居がめくれていくさまは爽快でした。

舞台後半の盛り上がりとともに、井上さん、屋比久さんの歌声も熱を帯び、身体全体で歌っている、渾身の魂の叫びは、圧巻でした。

「生きることは信じ、許すこと」
憎しみや苦しみを抱えて生きるのではなく、溶かして許す。
言うはやすし行うは難しですが、本当にそのとおりなんですよね。
どこにフォーカスして生きていきたいか。

舞台観劇は、すごく久しぶりでしたが、世界観に没入できて素晴らしいなぁ、と改めて思いました。

個人的には、井上芳雄さんには、年齢関係なく、やはりプリンス系、スター系を演じてほしいなぁ、と望んでおきます。

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