「読んでもらう価値のある文章が果たして自分に書けるのか問題」を乗り越える。

絵やデザイン、そういった方面での活動の場は持っていたのだけれど、こと文章となるとそれだけを載せる場というのは持ったことがない。本業がデザイン関係なだけに、絵を見せることには抵抗がないけれど文章だけだと少し不安というか、「読んでもらうだけの価値がある文章が果たして自分に書けるのか問題」にぶち当たって筆が乗らなくなってしまうのだ。

しかし、何が切っ掛けなのかは自分では分からないのだけれど、そんな自分が「文章を仕事にしよう」と思い始めたのである。本当に何が切っ掛けなのかはよくわからない。多分、一年前の自分が聞いたら驚くを通り越して失神でもしそうだ。

昔から本が好きで、小説はよく読んでいた。小説というより駄文みたいなものを書いたこともある。けれど、賞に投稿したり人に積極的に見せるという事はしなかった。前述した「読んでもらう価値がある文章が果たして自分に書けるのか問題」にぶち当たるからだ。なので、今まで書いた小説らしいものは殆どPCのHDDの中に眠ったままである。

ここ数年で仲が深まった友人の中に本気で作家を目指している人がいて、その人の事は本当に人間として尊敬できるほどに「すごい」と思っている。その人の書いている文章と云うのは自分が書くものよりも数段「読んでもらう価値」があるものなのだろうと思うし、そうなるように本人が努力して書いているのだろう。

SNS全盛期で、気軽に誰もがTwitterで発信できるようになった時代でも、ツイートすることに躊躇してしまうのは自分の中の「読んでもらう価値がある文章が果たして自分に書けるのか問題」にあるのだと思う。

しかし、「読んでもらう価値のある文章」とは何だろう? 面白く読めることなのか、さらっと読めることなのか、はたまた読んだ後に何かが残るということか?

そこを突き詰めていくと、どうも自分は「読んでもらう価値のある文章が自分に書けないのだから書かなくていい」と思っていたことに気づいた。自分のモットーからすると、「やらなくていいからやらない」というのはあまり好きではない考え方だ。「やらなくていい」は「やらない」理由にはならない、というのが自分の考え方の基本なので、そうするとこの云々の問題を悩むことすら馬鹿馬鹿しくなってしまった。

よし、取り敢えず、何か書こう。小説でも読書感想でも、何でもいい。

要するに、もう少し気楽に文章を書けるようにしたいと思ったのだ。多分、文章を書くことは自分にとって楽しいのだし、仕事になるかどうかはともかく書いていればもっと人生が素晴らしいものになる予感がする。それによって起こる厭な事も当然あると思うが、前述した長ったらしい自分の中の問題に怯えて文章を書かないよりもよっぽど良い。

というわけで、見たり聞いたり考えたことを、日記のように雑記のように。また、読んだ本の感想、作業進捗なども交えて綴っていこうと思う。


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