2017アー写0268

他人の不幸は蜜の味【復讐と傷】


悲しきかな、私は人に言われたキラーワードでいつまでも心を傷つける気質を持っている。だから、こんなエッセイを書いているんだろうけど。

そしてそれが莫大な被害妄想となり、傷を何億倍にもする。
だから、こんなさめざめみたいな歌詞を書いてるんだろうけど。

昔の恋人で度々エッセイに出てくる浮気の常習犯だった人は、これでもかというくらい気にしていることをよく言ってきた。
「小鼻の毛穴がブツブツしててすごい目立ってるよ。」とか
「腹回りが出てきてるんじゃない?」とか
「歯が黒いよ。」とか
これでも女なので、そーゆーことを言われたくない。

逆にこっちが反撃するかのように何かを指摘すると
「俺だって気にしてるんだから言わないでよ。」となる。
だったらお互い言わない世界にすればいいだけなのに。

その人はお酒に呑まれるタイプで、酔っ払って朝方になるとよく言葉で責められたりした。「あの時、お前がこう言ったから、ああなった。」とか。
「あの時、お前は本当に努力してなかったら上手くいかなかったんだ。」とか
あの頃は責められるのが当たり前で感覚が麻痺してした。
もしかしたら私が悪いのかもしれないなんて。

昔、メンバーがファンに手をだした時、私はその人にすぐに辞めてもらった。それは色々な理由があるけど、何よりもさめざめと言う恋愛を歌うアーティストのサポートメンバーの一人が女性を歌の世界のように傷つけるなんて許せなかったからだ。

「それくらいで辞めさせるなんて。。。」そんなことすら彼に何度か言われた。あの時も今も気持ちは変わらない。私が自分の決断に後悔はしていない。

別れてからも私は彼に言われた言葉がいつまでも心の何処かに残っていて
季節ごとに浮気された背景と女と言葉を思い出して、今でも好きでもないのに悲しい気持ちになったりする。

そんな昔の彼と数年ぶりにこの前会った。

でも結果、会うべきではなかったと思った。
会ったことで、私が過去のことを全て許したように解釈されてしまったし、嫌なことをどんどん思い出すようになったからだ。

あの頃の二人を答え合わせするかのように話してみても
全然お互いの思い出が違いすぎる。
彼は自分が浮気したことなんて対して覚えておらず、私との楽しかったことばかりを覚えている。
私があの頃の話をしたところで「そんなことあったっけ?そんなこと言ったっけ?そんな女いたっけ?」で終わってしまった。
自分が何年も抱えてきた傷を、傷つけた本人は全然覚えていないなんて。

彼は決して悪い人ではない、そーゆー人には必ず世話を焼く女がいるし、セックスができる女もいる。ちゃんとお酒を呑む友達もいる。人として好かれてはいる。
でもやはり「元カレ」とはもう二度と、ただの友達に戻ると言うのは難しいものだ。

それなら疎遠で連絡が取れないくらいが良い。
微妙に距離が近いとお互いの情報が入ってくる。
その情報に私が人に伝えた言葉と違う言葉で、さおりちゃんがこう言ってたらしいよって自分に返ってきたとき伝言ゲームのように言葉が違うものになっていると言う状況も味わいたくない。
だからこそ、ここ数年で昔の恋人の周囲とはできるだけ距離を取ってきたが、これからももっと距離を取ることが自分の心の平和を保つ秘訣であることに気づく。

一度、割れたガラスをもとに戻そうとしても粉々になって形にもならない。

どれもこれも彼と再会してしまったのも私の心が弱かったからだろう。
私が彼にできる復讐は、彼よりも音楽を頑張ることだと思っている。
あの頃はいつだって嫉妬されていたから。
これからも何処かで嫉妬していて欲しい。

あの頃、私は私であの人を守っていたはずだけど伝わってなかったんだな。

あの愛は結果、とても意味のない愛だったのだと。私のくだらない意地だったのだと。

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