私の押し入れ〜いつ死んだっていい〜
数日前の深夜
自宅で作業をしていたときのこと、使ってたミシンを片付けて部屋の隅にミシンの入ったダンボールを追いやった。
すると追いやった振動でクローゼットの扉に掛けてあった掛け時計が落下。
私の頭部を目掛けて、大きな掛け時計が襲いかかってきた。
『ガシャーーーーン!!!』
後ろから誰かに鈍器で殴られたような衝撃。
一体何が起きたのかと混乱をしていると、目の前に鋭利なガラスの破片と無様な姿の掛け時計が落ちていた。
私の頭部で掛け時計のガラスが粉々になり、頭や部屋にガラスが散らばった。
ガラスをこんなに浴びたのが初めてだったので、とりあえず血が出てないか頭部を恐る恐る手で触る。
運良く流血はしてなかった。
しかし、誰かに鈍器で殺されかけたような衝撃はかなり体で感じていたので、散らばったガラスを横目にしばらくは放心状態。
急いで頭部を強打したときに対処法を携帯で調べて、少し意識が朦朧とするなか頭部を冷やしつつ座り込んでいた。
どう考えても私自身の起こした事故。
こんなんで流血して死んだらシャレにならないし、馬鹿な死に方だよなと思いながも、もしこのまま意識が朦朧として死んだとしても後悔もないなと思った。
ある意味、いつだって後悔のないように生きてきてるつもりだし、逆に幸せすぎるときに死ぬほうが未練がある。
まぁ、ここで死んでもいいやと思えるなんてそれはそれで大したもんだ。
どれくらい同じ体勢でいたか覚えてないが、数時間後にやっと動く気になって、ガラスの破片を片付けだした。
ガラスが散らばりすぎてるし、クローゼットの中にもまだある気もしつつ、ある程度片付けてやっと寝れる状態に。
頭部に違和感を感じつつも、次の日が早いことに気づきベッドに横になる。
このまま目が覚めなかったら、死後の発見が遅くなるなとも思い、姉に一本連絡をする。
これでもし死んでも発見は早い。
そんなことを冷静に考えつつ、目を閉じるといつもと同じ朝がきた。
頭部に違和感を抱きつつも、朝から電車に乗り用を終える。
うーん、やはりなんか頭部に違和感があるなと思いその足で実家へ。
両親は以前鍼灸院をやっていて、母は今でも一人でやっているので診てもらうことにした。
頭部に急な衝撃を受けたことで、軽いむちうち状態になってるよう。
治療を受け、背中全身に痛み止めテープを貼るといくらか違和感はなくなった。
壊れた掛け時計は、新宿のニトリで買った。
シンプルだけど可愛くて、あの人と私の生活の上でテンションがあがるような気がして買った。
あの人は掛け時計を変えたことすら気づかなかったけど。
壊れた時計は、秒針が曲がっていたが
そのまま使えなくはなかった。
ただ、ガラスがきれいに取れなかった。
何かのサインなんだと勝手に思い込むことにして掛け時計を捨てることにした。
去年の春は今年と違う。
何一つ違う。
新しい春の準備を私はそろそろしなくては。
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