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私と黒木渚

7月15日の東京での単独公演でSpecial guest actで出演してくれる黒木渚。

私と黒木渚のことを語ろう。

2013年のこと、メジャーデビューをした頃に出会った。
当時、黒木渚&シシド・カフカと共にツアー【渚とカフカとさめざめツアー】と言う東名神ツアーを開催した。

ツアーに入る前にサカエスプリング開催時の名古屋の路上で挨拶をしたのが初めてだった。

当時は彼女は3人組のバンドで、その日はよく晴れたサーキット日和の日だった。
お互いの出番の間に、ライブハウスが目の前にある路上で軽く挨拶をした。
当時から渚嬢はひょろっとしたスタイルで、軽い挨拶だけでもとても気さくな人だなと言うイメージがあった。

一緒にツアーを回り出して、打ち上げで共演者同士がお酒を呑みながら色々な話をする。
私は本当に人見知りが激しく、特に同業のボーカルさんには声をかけるのに勇気がいる。
渚嬢もカフカさんも二人とも美しく容姿端麗で自分がひどく醜く感じたのを覚えている。

そんな眩しい二人に自分から声をかけられなかったが、お二人ともとても気さくで優しくて逆に自分の陰キャぶりがひどく滑稽に思えた。
実は渚嬢よりも先に仲良くなったのは、今のサポートで鍵盤を弾いてるたばちゃんだった気がする。非常に話しかけやすくて、一緒にいてホッとするような存在。

3マンツアーは私にとって非常に勉強になった。
毎回、同じ3組がお互いのリハと本番を見あって楽屋でいろいろ話したりする。
この繰り返しがあればあるほどお互い音楽家として信頼しあえる。

実はメジャーデビュー時は音楽家の友達ができなかった。
なぜならばお互い事務所に守られている感があり、なかなか深く関われない。人見知りな性格だったから余計だ。
そんな中で唯一、仲良くなれたのが渚嬢だった。

彼女は人間として本当に澄んだ人だ。
私の音楽と彼女の音楽は全く違う。歌っている思想もメロディーも。
だからこそ私は彼女に魅了された。
私には絶対歌えない勇者のような心意気、どんな辛い状況さえも覆していくようにいつも剣を振りかざしてるような人。

ツアーが終わってからは、定期的にご飯を食べたり、お酒を飲んでいたがある時彼女の口から喉の調子が悪いことを聞かされた。

自分はなったことのない症状、何のアドバイスすらできなくて歯痒かった。
当時、父に渚嬢の喉の話をすると「うちに連れて来なよ。」と言った。
父は横浜で鍼灸院を営んでいた。
少し珍しい鍼灸院で口コミで患者さんが来るような場所だった。

東京から横浜まで渚嬢に来てもらい、何度かうちの父に治療を受けてもらった。「大丈夫、きっと治るよ」父はそう言った。

あれから彼女はずっと喉と向き合いながら、戦いながら歌い続けることをやめなかった。

私だったら彼女と同じことができただろうか。
風邪を引いたくらいで上手く歌えなくて苛立ちを感じる自分が、彼女と同じ症状になった時、それでも歌い続けようと頑張れただろうか。

どんな状況でも彼女は絶対に弱音を吐かない。
いつだって前向きで言霊に芯がある。

こんなへなちょこな私なのにいつも私のことを褒めてくれる。
自己肯定の低い私は、褒められることに慣れてないのに渚嬢に褒めてもらえると急に自分が誇らしげに感じる。

自分がひどく失恋をした時は電話で話を聞いてもらった夜もある。
どんな部分でもずっと助けられている。


去年、彼女の住む街で二人でお酒を呑んでいたらいつの間にかワインのボトルを一本空けてかなり陽気になり「今からうちで飲みなおそうよ!」と言われた。

最近、そんなことが全くなかった私は男に口説かれた同じ感覚に陥り、「え!いいの?行く行く!!!」と軽い女のように2つ返事をした。
二人で手を繋ぎ、スキップをしながら終電が終わる駅付近を陽気にふらつき、私にとっては曲になるレベルの思い出だが酔っ払いな彼女は覚えているか分からない。

一緒に呑むとかなり深い時間まで呑むことが多く、いつも私ばかり記憶がある。後日「あの時、こうだったよね?」って聞いても「覚えてない〜」と言われると、じゃあこの記憶は私だけのものだ♡と気持ち悪いほどの恋心を抱いてしまう。

お酒を呑むと陽気になって量子学の話をしたと思えば、プロレスの技のようなものをかけたり、私の靴下を胸にしまって持って帰ってしまうような人。
私にとってそんな彼女はいつまでも魅力的な存在。

そんな10年以上の関係の彼女に今年、勇気を出して15周年のライブのお誘いをした。正直、ダメ元ではあった。

昨年はZeppでワンマンをやる規模の音楽家であり、通常のライブハウスでのイベントは全く出ない。
そんな彼女が単独公演のゲストに出てくれたら最高に幸せだと思い、勇気を出してお誘いをした。

すぐとびっくりするくらい即答で「出たい!!さおり嬢のお祝いしたい!!」と言ってくれたのだ。
正直、10年という間ずっと彼女に恋焦がれていたが、ここで本物の恋になってしまった。

こうして単独公演のゲストとして黒木渚嬢が決まった。
当日はあの頃からサポートで鍵盤を弾いてるたばちゃんとの二人編成の出演。
この日のために考えたセットリストも実物だ。
何よりもライブハウスという場所で歌うのいつぶり??という感じ。
しかも今年初めてのライブ。

どこまでも 男気の溢れる彼女と11年ぶりに同じステージに立てる喜び。
ここまでお互い音楽を続けてきたから叶えられたこと。

そんな二人の勇姿を生で観てほしい。
ありがたいことにチケットは残りわずか。

この夜しか見れない特別なこともあります。


7月15日(祝月)下北沢CLUB251
「さめざめ15th anniversary 黄昏ハッピービッチガール〜東京編〜」

Act さめざめwithバナナとドーナッツ
Special guest act 
黒木渚

開場18:00 開演18:30
・イープラス ¥3,500(D別)
e+発売中


 


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