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【最新号試し読み】月刊不動産流通 23年1月号

月刊動産流通2023年1月号」が発売となりました。

その中から、
・流通フラッシュ「公共施設の再生に地域企業のパワーを ~制度改正でさらに取り組みやすく」
・特集「活躍する地場企業の戦略を探る – 2023」

の内容を掲載します。

試し読み①(全文掲載)
流通フラッシュ「公共施設の再生に地域企業のパワーを~制度改正でさらに取り組みやすく」

PFIの対象施設拡大で
期待高まる官民連携での地域活性化

 人口減少や国・地方公共団体等が財政難に直面する中、公共施設の建設、維持管理運営等を民間の能力を活用して行なうことを目的とする「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が施行され、早20年以上が経過した。

 2003年には指定管理者制度がスタート。11年には公的施設の運営権を民間事業者が取得して運営する「コンセッション方式」が、17年には、民間事業者が公園および飲食店や売店などの施設を整備する「ParkPFI」制度が創設された。こうした制度の拡充により、水道や道路といったインフラ施設や空港、教育施設、公園、公営住宅など、さまざまな公共施設等が民間の手で再生・運営されるようになった。ハード・ソフト両面で施設サービスの質が大きく向上したことに疑いの余地はない。

 そして、このほどPFI法の一部を改正する法案が閣議決定された。コンセッション事業では事業期間中の施設の規模や配置の変更が可能となる。また対象となる公共施設等に「スポーツ施設」と「集会施設」が追記される等、さらなる制度活用を後押ししている。

 PPP/PFIでは、地方創生・地域経済活性化の観点から、地域企業の参加が望まれている。地場不動産会社も参加しての"官民連携"実現により、各地の公共施設等の再生がより一層進むことを期待したい。

※92頁の行政情報コーナー「『民間資金等の活用による公共施設等の促進に関する法律の一部を改正する法律案』が閣議決定」もご参照ください

試し読み②(一部掲載)
特集「活躍する地場企業の戦略を探る – 2023」

 全国各地で活躍する企業の経営戦略、営業手法をレポート!

若者を呼び込み地域を元気に。
飲食や人材業等に自ら挑戦
㈱セイコウ(岩手県一関市)

  岩手県の一関・平泉・奥州エリアで、売買・賃貸仲介や賃貸管理、リフォーム事業等を手掛ける㈱セイコウ(岩手県一関市、代表取締役:阿部徹氏、資本金500万円)。まちの活性化に向けて、フードデリバリーや人材マッチングサービスといった、不動産業以外のビジネスも自社で展開している。

●震災での苦い経験を機に「自社で何でもやる」を決心

 セイコウは阿部氏の両親が2001年に誠幸ホームとして創業。同氏は、大学卒業後の07年に同社へ入社した。その後、10年に法人化。社名をセイコウに変更し、売買仲介、賃貸仲介・管理業や賃貸業等を展開してきた。

 転機となったのは11年の東日本大震災だ。一関市は、甚大な建物被害が発生。同社が所有・管理している物件も倒壊や損傷の被害を受けた。入居者の安全確保等に向け、地域の工務店に急ぎの修繕を依頼したが、どの会社にも
依頼が殺到していたため、すぐには対応してもらえず、歯がゆい思いをした
という。「その経験をもとに、同じような災害が起きた場合でも迅速に対応
できる体制を構築しようと決意しました」(阿部氏)。程なくリフォーム事業部を立ち上げ、大工を正社員として雇用した。「社内に職人がいれば、有事の際はもちろん、管理物件のメンテナンスや原状回復にも迅速に対応できると考えました」(同氏)。

 この取り組みが、「自社で何でも挑戦する」という同社のスタイルの原点
になったという。 その後、賃貸管理部門で定期清掃サービスの人材も雇用し、管理業務をワンストップで対応できる体制を構築。これがオーナーに評価され、市内でも最大級の管理戸数を獲得するまでに至っている。

●コロナ禍で食品のデリバリーサービスを展開

 同氏は14年、父親の後を継ぎ、社長に就任。「まちを元気にする」取り組
みを開始する。「入社当時から衰退するまちを見て、何かしたいという思いがありました。この時期、自社保有物件の売却でまとまった資金が確保でき
たこともあり、地域活性化に向けて動き出すことにしました」(同氏)。

 同市内では、商店街の空き店舗増加が長年課題になっていた。中心市街地の活性化には若年層を呼び込むことが重要であると考えた同氏は、自社で空き店舗を借り、調理方法の習得が比較的容易で若者に人気のあるクレープ店を出店することに。飲食業の営業許可を取得し、専門スタッフを雇い、地域の飲食店の協力を得ながらクレープ店のオープンにこぎつけた。「にぎわいの場としていくためには、長く続けていく必要があると考えました。そのためには地元企業である当社が責任を持って出店すべきと判断したのです」(同氏)。地産地消の観点から、地元の食材を使うことにもこだわって商品を提供している。

 18年には、空き店舗を借りてダイニングバーも開業した。しかし、コロナ禍による行動規制で、同社の飲食店はもちろん、地域の飲食店も売り上げが急減。そこで、観光客減で苦境に立たされていたタクシー会社や地元のまちづくり会社と連携し、フードデリバリーサービスのプラットフォームを構築。21年から運営を開始した。地元住民が専用サイトから飲食店へ注文。それをタクシーが配達する仕組みだ。注文が入るとセイコウのスタッフに通知が届き、スタッフは電話で飲食店に対応の可否を確認。注文者へ連絡を行ない、タクシー会社にも同社が電話で配達を依頼する。「電話で確認しているのは、年齢層が高い経営者等の方でも取り組みやすいと考えたから。スタッフも、日頃不動産業で電話での接客は鍛えられていますから、難なくやり取りができています」(同氏)。

●「UJIターン希望者と地元企業をつなぐ」

 同年には、UJIターンの促進を図る目的で、地元企業と就業希望者をつなぐマッチングサイト「イワイズカン」も開設した。地元企業に人材を必要としている職種はないかヒアリングして情報を掲載している。成約事例はまだないが、すでに多くの反響を得ているそうだ。

 こうした取り組みで不動産業の売り上げが直接増える訳ではない。しかし、同社を認知し、賃貸オーナーから管理を依頼されるなどの波及効果も出ているという。同氏は「まちのにぎわいを生むことは、さまざまな人脈がある不動産会社だからこそできること」と話す。今後も地域のために新たなサ
ービスを創出していく方針だ


その他さまざまなコーナーが有ります

月刊不動産流通2023年1月号」では、この他にも不動産実務に関わるさまざまなコーナーを掲載しています。

・一問一答!建築のキホン
「『違反建築物』と『既存不適格建築物』の違いは?」

・宅建業者が知っておくべき『重説』に必要な基礎知識Q&A 〜建築編
「建築確認・検査の対象となる 建築物の規模等の見直し」

・不動産登記の現場から
「DX社会の実現に向けて」

・関連法規Q&A
「「重要土地等調査法」の施行に伴う宅建業法施行令の改正について教えてください。」

・適正な不動産取引に向けて―事例研究
「建物の経年劣化と瑕疵について判断された事例」
                             などなど…

不動産会社の取り組みを多数紹介。業界の把握に役立ちます。


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