見出し画像

クラムボンは笑ったよ

 みずみずしいクラムボンと元気一杯のクラムボンがすれ違っていく。長い毛を持った日向に映える彫像に似た気高さ。力強さそのものは、人を魅了する。クラムボンは泡を吐きながら、笑ったよ。「あなたは私を捕まえる資格がありますか?」私は答える。しめやかに、つややかに「いまだならず」古風な人間だったのだろう。あいや、わかった。道端の草木は、数は減っていたが、これでもかと生い茂る。生命の爆発だ!どこまでも生えていく、アスファルトからさえ頭を出して「初めまして」私は知っている。出てきたものが、とびっきりのクラムボン一族だってこと。エネルギーに満ちたものたちだってこと。
ウジェーニ。イタリアの花嫁はまだここにいるのか?妄想も追想も、連想も、何もかもギャラクシアンイマジネーションのなせる技。微妙に曲がった幹の上に美味しそうな果実が実っているよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?