想像で描けることだけが正解か?

今日のニコ生配信で聞かれた質問。

「想像で描く練習をしているのですが、
 なかなか思うように描けません。
 このまま想像で描く練習を続けるのと、
 参考資料を探して描いてみるのとどちらがいいですか?」

私は断然、資料を探してそれを見ながら描くのをおすすめします。

想像でうまく描けないのはなぜでしょうか?

答えは、頭の中で描きたいもののイメージが明確になっていないからです。

空想の産物を描くのがうまい人は、
大抵はそれを構成するモチーフをたっぷり観察してきています。

例えばドラゴンが描きたいとします。

体を覆う鱗は、爬虫類をお手本にできそうです。
翼は蝙蝠をお手本にできそうですね。
骨格は、恐竜の化石が近いものを教えてくれます。
あるいは、先人が描いた数多のドラゴンの中から
自分の好きなパーツを拾い上げて組み立て直すのも良いでしょう。

「想像で描くことができる」というのは、
「自分の中にストックしたモチーフを組み合わせて再構成できる」
と言い換えることもできるんじゃないでしょうか。

実在するモチーフを描きたい時も同じです。

例えば教室が描きたい時。

まずは教室を箱で考えて、
そこへ机と椅子を並べて、
自分の知るものの中から教室にありそうなものを並べていくでしょう。

あなたがもし教室というものを見たことがないとして、
教室の中に一体何があれば教室らしくなるのか、
まるっきり想像だけではたして正解に辿り着けるでしょうか?

資料を見ればそこに正解の一例があるわけですから、
かたちを捉えて描くことに専念できます。
そうして場数を踏んでいけば、何度も描いたことのあるものは
「大体こんな感じに描けばそれっぽくなる」
というポイントがわかってきます。
自分の中にストックができるわけですね。

資料を見ることは悪いことではありません。
想像で描くのがうまいことだけが正義でもないです。

模写が上達の近道と言われるのは、
正解をお手本にして観察しながら描くという作業だからです。

どんどん観察して、真似て描いてみて、
自分の中にストックを作っていってみてくださいね。

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