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水彩画研究ノート【水彩紙 ー材質と性質 1ー】

本日、水彩画研究ノート更新!今回は材質についてのお話です。

↓前回の記事はこちら。
水彩画研究ノート【水彩紙 ー紙の厚みと紙の目ー】

水彩紙選びで大事なのは、厚み、紙の目、そして材質です。

さらに、水彩紙はより突き詰めていくと、材質だけではなく、にじみ止め(サイズ、サイジング、ドーサとも言う)の強さ、発色の良さ、などメーカーによって微妙な違いがあります。しかし、これは実際に何度も描いてようやく分かる違いですので、今回は分かりやすく、大まかな違いだけをご紹介致します。


1.材質 木材パルプor コットンパルプ

紙の原料は「パルプ」です。そのパルプにも、木材、コットン、非木材などさまざまな種類があります。
▶museさんの参考サイト 紙ラボ   

水彩紙の材質は主に3種類です。 
1.パルプ(木材)
2.混合(パルプ+コットン)
3.コットン100%

※以下、ここの記事では木材パルプのことを「パルプ」と記載します。

100%コットンは大きく記載されていますので分かりやすい!

2.ぼかし実験 ー限定動画ー


では、パルプの種類で何が変わって来るのか、簡単な実験!
水彩画といえば、フワーッとした「ぼかし」が特徴。薄く水を塗った紙に、絵の具(今回はシュミンケのヘリオセルリアンという青色)をポンポンと置いて、絵の具の広がり方を検証してみました。

※注:この実験動画は、素人が気軽にやってみたゆるい実験です。
厳密に言うと水、絵の具の量、顔料の重さ、にじみどめの強さなど様々な要因が関係しているので、詳細且つ正確に実験すれば、結果はまた微妙に変わります。パルプとコットンがどう違うかだけ、ざっくりと見てお楽しみください。

Bグループは木材パルプ。Cグループは化学、古紙、木材パルプなどさまざま。

水彩紙実験と言いながら、水彩紙ではない紙も含まれています笑
A、Bグループは水彩紙。Cグループは水彩紙ではありません。(単純にやってみたかったからです)

また、水彩紙には「にじみ止め」加工がされています。このにじみ止めが施されていると、絵の具を染み込みを適度に抑えてくれます。Cはにじみ止め加工はないので、塗り過ぎるとどんどん染み込んで、紙の裏までビシャビシャになります。

※この動画はnoteを見てくれた方への限定動画です。


3.ぼかし実験一覧表

色を置いただけなのに形が違う。

いかがでしょうか。簡単な実験ですが、コットンが、均一に繊細な広がり方をするのに対して、パルプは少しいびつな形に広がっていきます。
しかもコットンは、おでんの大根みたいにシミシミ~と絵の具が紙に染み込んでいくのに、パルプはデコレーションケーキのクリームみたいに絵の具が紙の上に乗っている感じがしますね。(色ムラができる)

これを見て、つまりパルプって安いしダメな紙?Cグループは水彩紙ではないので問題外なのか?
と…いうわけではないのがアートの面白いところでなんですね~!

この続きはまた次回に!


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