Clubhouseというサービスに嫉妬するとこ
Clubhouseがすごいなって思ったところは、このサービスを不特定多数のパブリックに向けたUGCの配信サービスとして見ると、
複数人のチームで配信するインターフェースで、配信のハードルが非常に低くできてること
簡単に外部の人を配信チームに召喚できる。つまり簡単にチームが強化できる。一人で初めても徐々にその場限りの配信チームを強化できる。
この2つかなと思ってる。そんな沢山の配信サービスを知ってるわけではないけど、僕が知ってる限りYoutube、インスタライブ、17live、ポコチャ、ツイキャス等々は基本的には一人の配信アカウントに複数人の聴取者がぶらさがる構造。
ツイキャスなども複数配信を行うコラボキャス機能はもちろんあるけど、サービスの基本的なインターフェースは一人の配信者のカリスマ性を前提としていてコラボレーションは付加機能である。これだと一人の配信者の力の強さが求められるのに対して、Clubhouseはチーム戦を前提として割り切っていると見ることも可能だ。
これはネットに会話を配信するというハードルをものすごく下げているし、なんなら、ただ誰かと会話してるだけで配信するという行為を意識していない人も多いのでは?
そう言った中で知ってる人同士はもちろん、友達の友達、はたまた全く知らない人とも会話をする機会が作りやすいのはroomという部屋のテーマに対して人がぶら下がる構造。ただオーディエンスがN人を超えると会話してる側からも誘いにくくなって、配信チームはイベントの登壇者的に権威化してくとか、リアルに存在する人間心理がそのままサービス性に影響するなど、いくつか興味深い論点が作れそうで見てて面白い。
それはともかく、これまでの配信サービスは人に人がぶら下がる構造なので、配信者として楽しむためには一人ひとりのたゆまぬ努力が求められたりして、多少なりとも配信コストが高かったことにClubhouseを見て改めて認識させられた。
Youtubeからの流入などをきっかけとしてるのか、アイドルや芸人などの芸能人の流入も多く、2007年4月から拡散力の高いネット好きの人たちが使い始めて、そこから2年後ぐらいに勝間和代さん、広瀬香美さんをきっかけとして芸能人にもブレイクしたTwitterと比べて、Clubhouseはわずか数週間で一気に人気がブレイクしたのは、こじはるさんを連れてきた ? 鶴岡くんの存在だったりとかも含めて、今のインターネットシーンの投影そのものなのかなとは思ったりするが、それができているという、そのものが配信ハードルが低いというこのサービスの特徴に帰結する。
もし脳内からテレパシーのように情報発信する機能ができたら、最初に繋がるWebサービスはTwitterかな?って思ってたけど、それは個人のタイムラインに簡単に情報を出せるだけで、さほどコラボレーションが広がるわけではないのでそんなに面白そうではない。そういう意味では、友達や話題を通じての広がりが期待できるClubhouseになるのかもしれないし、そういう発展を遂げたらおもろいのではないか?などと刺激を受けている。
あと全然違うおもしろさとしては、沢山フォロワーがいる人は集客性をroomに運べるので、ある種の権威性は生まれるのかな?とは思ったりしたが、あれはやってる側も気軽さが失われるんじゃないか?とか思ったりとか、その辺はどうなるかな。その人が別のroomに移動することで、イナゴの大群のようにオーディエンスも移動してしまうらしいので、roomのパワーバランスが云々とかで、どうユーザー心理に影響を与えるのかはよくわからないです。今のYoutuberがすでにそうなってそうな気がするけど、変に権威化したらウザイことになる。
ただ、Twitterでフォロワーは沢山いてもその力を横展開しにくかったし、なんなら炎上のきっかけになるみたいなネガティブな要素が目立ってたところが、Clubhouseではroomというチーム戦に貢献ができるので、リツイートの先にある世界を作ったという印象でもある。
僕に対して、これまでの凝り固まった何かをシンプルに解きほぐすことで、新しい視点をもたらせてくれるサービスってたまに存在していて、それがブログという配信形態を作ったMovableTypeだったり、日記をリアルタイムかつマイクロにしたTwitterだったり、まあネットショップ構築のハードルを下げたBASEもそうなのだけど、そこに新たにClubhouseも追加されたかなって印象で、そういうUXというかインターフェースを作れる人には正直嫉妬する。
これからは一人のカリスマアカウントがフォロワーを引っ張る時代ではなく、相互のコラボレーションを前提としてグループで楽しむ時代に入ってきたのかもしれない。ブログのような非同期、静的コンテンツ配信のパラダイムとは違って、同期を前提としたつながりを楽しむパラダイムということだろうか。これをきっかけとして、さまざまな提案が新しいサービスを通じて行われることを期待する。
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