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ユニコーン企業のひみつを読んで

(構成は適当)

ユニコーン企業はスクラムなんてやってないみたいなこと書いてあるけど、スクラムの「守・破・離」で言えば守も破も超えて離にいるんだと思った。
この本を読んだところで自分のいる組織がユニコーン企業と同じ状態に持っていけると思わない方がいい。
手法だけ真似たとてそこに何層にも積み重ねられた経験とそれによって醸成された文化は残念ながら真似できるものではない。
手法を真似て成功できるならもっと多くの組織がうまくいってるはず。

組織学習

組織がどれほど学習を大切にするか、どれほど失敗を許容するかは詰まるところ組織制度及びそれに伴うマネジメント層の行動、態度によるところが大きい。
組織の学習を妨げるものはなにかを少し考えてみよう
一つは「間違った目標設定及びそれによる間違った人事考課」だ。
間違った目標設定は行動を縛る道具となる。
真に追い求めるは「顧客価値の創造とそれによる成果」であるが、間違った人事考課が追い求めているのは「目標設定による評価」だ。
間違った目標設定というのは例えば「2021年5月までにXXXプロジェクトを完遂する」という目標だ。ゴールが「期日」になっている。
そうすると人は「期日」を死守するために品質を下げる可能性が高い。(計画を最初から正確に見積もることは不可能である。(不確実性コーン))
しかも品質を下げた時に「期日に間に合わせるためにしょうがなかった」という言い訳ができてしまう。(最悪だ)
期日に間に合っていれば評価されるので品質が低いことに対する学習は行われないし、それが本当に顧客価値を創造したかどうかの学習は行われない。
また、期日に間に合わなければそれは失敗であり評価されない。しかもなぜ間に合わなかったのかを問い詰められ叱責されたとすれば、それはつまり暗に失敗を許容しないのだと言っていることになる。
長々書いたが、そもそも学習するべきは「いかに期日に間に合わせるか」ではなく「いかに素早く顧客価値を創造するか」、「いかに高品質な価値を提供し続けるか」だろう。
いかに期日に間に合わせるかを学習して期日に間に合わせられるようになったところで、作ったものが価値を産まないものであれば素早くゴミを作り続けているだけなのである。

組織文化

組織文化は勝手には育たない。
組織文化を育てるためにはどんな文化にしたいかがなければならない。
組織文化とは目に見えないものであり、醸成途中の組織文化はひどく脆いものである。
それゆえに組織を作る人間が手塩にかけて育てなければならない。
大きくなった組織の文化づくりはかなり骨が折れるものになると思われるため、できるかぎり早めに文化づくりは意識して行った方が良い。
組織文化はみんなで作るものだと思うかもしれないが、それはどんな文化になるのだろうか?
そもそも文化を作るための活動はしているのだろうか?(組織文化は勝手には育たないことを理解しているか?)
そしてその文化はいつ出来上がるのだろうか?
毎月もしくは毎年新しい人が入ってくるたびに文化を作り直すのか?

組織文化の難しさ

文化に相容れない人には文化に合わないことを理解してもらわなければならないし、その文化にどうしても合わせられないのであれば別の組織に異動してもらうなどが必要となる。
決して容易に文化の方を変えてはいけない。
だからこそ採用のタイミングで文化に合うかどうか本人にじっくり考えてもらわなければならないし、採用する側は見極めなければならない。
(特に日本では簡単にクビは切れないから。)

権限を与え信頼するとは余白を持たせること

口ではどんどん失敗して素早い学習のサイクルを回して欲しいなんて言ったところで組織としてそれが歓迎される状態を作っていなければ意味がないし、それができる状態を作っていなければならない。
「どんどん失敗して素早い学習のサイクルを回す」ための余白を持たせなければ日々の業務に忙殺されるだけだ。
考える時間が必要なのに毎日8時間タスクで忙殺された状態でそれができますか?

「権限」と「信頼」

組織の状態、構成する人の考え方、経験などが重要で、この本に出てくる「権限」と「信頼」とはスタートであり結果だと思う。
上っ面だけの権限と信頼を与えたところで行動指針となる組織文化がなければ組織は破滅へ向かうと思う。
必要な手順を踏んで行かなければならないし、道のりは険しい。
しかし組織文化は簡単に模倣できないものであり、だからこそそういった企業は強い。

ミッション

ミッションは非常に大事だ。
結局のところいかにして全員の内発的動機を引き出して高めていくかが重要で、それが競争力の源泉となる。


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