桜内文城

1965年10月生まれ 愛媛県立宇和島東高校卒 東京大学法学部卒 米・ハーバード大学大…

桜内文城

1965年10月生まれ 愛媛県立宇和島東高校卒 東京大学法学部卒 米・ハーバード大学大学院卒(修士) マレーシア・マラヤ大学大学院卒(博士) 1988年 大蔵省(現財務省) 2002年 新潟大学准教授 2010年 参議院議員 2012年 衆議院議員 2014年 公認会計士・税理士

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財政金融政策を再発明する!!

マクロ会計学とは何か?マクロ経済学の理論的欠陥マクロ会計学に基づく財政金融政策

    • マクロ経済学における会計恒等式モデルと構造方程式モデルの違いについて

      経済モデルの構造を一段高いメタの視点から捉え直すマクロ変数から構成される会計恒等式 本書は、複式簿記のロジックを用いてマクロ経済学を再構成する試みである。複式簿記では、借方の金額と貸方の金額が常に必ず一致しなければならない。これを貸借一致という。貸借一致を数学的に表現したものが会計恒等式(Accounting Identity)である。 最も基本的な会計恒等式は、 資産≡負債+[BI]資本 である。 これはバランスシートの構造を示すものに他ならない。このうち右辺の資本

      • 従来の財政・金融政策は間違っていた!!

        1.IS-LM分析:従来の財政・金融政策の理論的基盤マクロ経済学の標準的なテキストには必ず記述されているIS・LMモデル(Hicks, 1937)にも重大な理論的欠陥が存在する。 本当は垂直なIS曲線:クラウディング・アウトは発生しない IS曲線は、財市場の均衡点における国民所得と利子率の組合せとして描かれる。そして、投資は利子率の減少関数(利子率が下がると投資が増加し、逆に利子率が上がると投資が減少する)と仮定することにより、投資と貯蓄の均衡点で実現される国民所得も利

        • 第6章 資本・金融勘定と国際収支

          前章では、国内のみで経済活動が完結する閉鎖経済を仮定していたが、本章では、現実のグローバル経済に即した開放経済を前提としたモデルを提示する。 6.1 純貸付(+)/純借入(-)4.資本勘定の貸借の収支尻(balancing item)を貯蓄投資差額(Savings-investment difference)と呼ぶが、SNA会計ルール上、これと同額で5.金融勘定に「純貸付(+)/純借入(-)」として振替えられることとされている。従って、本稿では「純貸付(+)/純借入(-)」

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        貨幣と資本(第1回):はじめに マクロ経済理論におけるパラダイムシフト

        貨幣と資本(第4回):第2章 先行研究のレビュー

        マクロ経済学における因果関係について<ミクロ経済学との違い>

        財政赤字の上限は何兆円か?

          財政・金融政策を再発明する

          1. マクロ会計学とは何か?ミクロ的基礎による現代マクロ経済学は、1990年代の日本のバブル崩壊・金融危機から続く長期停滞、1997-1998年のアジア通貨危機、そして2008-2009年の世界金融危機に際して、その予測も、原因分析も、政策的対応もできなかった。 我々が直面する長期停滞や金融危機といった現実に対応し、現代マクロ経済学に残された課題を解決するため、マクロ経済学における「ミクロ的基礎から会計的基礎へ」の転換を主張したい。 社会全体の経済循環を対象とする会計的

          財政・金融政策を再発明する

          第5章 実体的資本蓄積の2つのファイナンス方法

          本章においては、貯蓄と投資の関係を複式簿記で分析していく上で、国内のみで経済活動が完結する閉鎖経済を仮定する。 ケインズは「一般理論」の第6章「所得、貯蓄および投資の定義」において、『貯蓄額は個々の消費者の集合行動の結果であり投資額は個々の企業者の集合行動の結果であるにもかかわらず、これら二つの額は、いずれも所得の消費に対する超過額と同等であるから、必ず等しくなる』と述べている。そして、これを簡略化して、以下の恒等式で貯蓄と投資との均衡を示している(Keynes, p.3

          第5章 実体的資本蓄積の2つのファイナンス方法

          第2部「資本蓄積論」第4章 資本蓄積のメカニズム

          4.1 SNAにおける勘定連絡と会計恒等式複式簿記(T型勘定)に組替えたSNAの構造、すなわちSNAの勘定体系と勘定連絡としての「恒等式の束」は、以下の通りである。 SNA上、GDP(国内総生産)等のマクロ変数の金額は、他の全ての勘定科目との勘定連絡があってこそ、複式簿記の仕訳のロジック、すなわち会計恒等式(Accounting Identity)に従って決定される。一国経済全体のSNAの数字の背景を読み解き、マクロ変数とその変動、そして資本蓄積(ΔK)に関する原因と経路を

          第2部「資本蓄積論」第4章 資本蓄積のメカニズム

          第3章 非伝統的金融政策

          3.1 複式簿記で見るマネタリーベースとマネーストックの関係「マネタリーベース」とは、日銀の貸借対照表の負債として計上される日銀券と日銀当座預金に加えて、政府貨幣とも呼ばれる硬貨流通高を合わせた金額である。 2013年4月4日。日銀は金融政策決定会合で、2年間で前年比2%の物価上昇率を目指す「量的・質的金融緩和」、別名「異次元緩和」の導入を決めた。マネタリーベースを2年間で倍増させるため、金融機関からの年間50兆円の国債購入(後に年間80兆円に増額)により、その代金として

          第3章 非伝統的金融政策

          第2章 金利とは何か?

          2.1 金融資産の収益率としての金利一言で言えば、金利とは、金融資産が一会計期間中に生み出すキャッシュ・フローをいう。ちなみに、会計上、上場企業は財務諸表等規則(金融商品取引法の関連政令)等で財務諸表の一つとしてキャッシュ・フロー計算書の作成・開示が義務付けられている。そして、ここでいう「キャッシュ」とは、現金及び現金同等物を意味する。会計実務上、現金及び現金同等物は、以下のように定義されている。 上記の定義を見てすぐにおわかりの通り、「現金」はマネーストックのM1と全く

          第2章 金利とは何か?

          第0章 マクロ会計学とは何か?

          はじめに1990年代初頭のバブル崩壊から30年が経過した。1990年代後半の金融危機を経て日本の長期停滞が続いている。その間、GDP、名目賃金が減少・停滞しただけでなく、20年以上にわたるゼロ金利政策、10年間の異次元緩和政策にもかかわらず、2022年以降の世界的な資源価格の高騰と急速な円安に伴うコストプッシュ・インフレを除けば、国内的なデフレ要因を取り除くことはできなかった。 かつて2度の世界大戦の戦間期にも世界的な長期停滞があった。1929年10月に米国の株式大暴落に

          第0章 マクロ会計学とは何か?

          政府の資本としてのマネー:シニョリッジ

          政府は、財政・金融政策としては禁断の奥の手ともいえる「信用創造」機能を有している。  以下、これを説明する。政府の発行する硬貨と日銀の発行する日銀券は、共に「現金通貨」としてマネーストックの一部を構成する。 政府の硬貨を発行する権限は、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」において規定されている。同法は、硬貨のことを「貨幣」と称した上で、「貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する」(同法第4条第1項)と定めると共に、政府が発行する6種類の硬貨(同法第5条第1項:50

          政府の資本としてのマネー:シニョリッジ

          第1部「貨幣論」第1章 マネーとは何か?

          法律上、政府が発行する「貨幣」や中央銀行が発行する「通貨」といった異なる文言が用いられるが、本稿ではこれらを統一して「マネー」と呼ぶ。 自分(買手)が手持ちのマネーで買えるものといえば、 ①    当期に生産された財・サービス ②    前期以前に人間の手で生産された固定資産(produced assets) ③    元来、自然に存在する土地や資源等の実物資産(non-produced assets) ④    有価証券等の金融資産(financial assets)

          第1部「貨幣論」第1章 マネーとは何か?

          社会会計によるマクロ経済学 第4回「社会会計で分析するバブル崩壊、金融危機、そしてデフレ」

          6.バブル崩壊を語る調整勘定二つの資本蓄積実体的資本蓄積(ΔKs) 実体的資本蓄積(ΔKs)とは、SNA上、[2]国内総生産勘定→[3]所得支出勘定という付加価値生産サイクルを経由して[4]資本勘定で記録・表示される資本(国富)の変動である。図式的に示すと、『貯蓄(S)→実体資産(real assets)への投資支出=純固定資本形成→資本蓄積(ΔK: capital formation)』という経路を辿る。 再評価による資本蓄積(ΔKv) 再評価による資本蓄積(ΔKv)

          社会会計によるマクロ経済学 第4回「社会会計で分析するバブル崩壊、金融危機、そしてデフレ」

          社会会計によるマクロ経済政策 第3回「現代マクロ経済学の『ミクロ的基礎』の理論的欠陥」

          5.代表的個人の「ミクロ的集計」と、取引の相手方の複式仕訳も集計する「会計的集計」とは一致しない本稿では、「ミクロ的基礎」における代表的個人の「ミクロ的集計」と、社会全体から見た場合、すなわち取引主体だけでなく、その取引の相手方の複式仕訳も同時かつ同額で集計する「会計的集計」の違いについて解説する。 所得と消費ミクロ的基礎(構造方程式)の欠陥① 「ミクロ的基礎」によるRBC/DSGEモデルにおいては、代表的個人としての企業が、前期の資本($${K_{t-1}}$$)と当期

          社会会計によるマクロ経済政策 第3回「現代マクロ経済学の『ミクロ的基礎』の理論的欠陥」

          社会会計によるマクロ経済学 第2回「社会会計フレームワークとマネーの位置付け」

          3.ミクロ的基礎から会計的基礎へミクロ的基礎による現代マクロ経済学は、1990年代の日本のバブル崩壊・金融危機から続く長期停滞、1997-1998年のアジア通貨危機、そして2008-2009年の世界金融危機に際して、その予測も、原因分析も、政策的対応もできなかった。 我々が直面する長期停滞や金融危機といった現実に対応し、現代マクロ経済学に残された課題を解決するため、マクロ経済学における「ミクロ的基礎から会計的基礎へ」の転換を主張したい。 社会会計フレームワーク社会全体の経

          社会会計によるマクロ経済学 第2回「社会会計フレームワークとマネーの位置付け」

          社会会計によるマクロ経済学 第1回「『失われた30年』から脱却するための方法論」

          1.はじめに:マクロ経済学の史的展開1990年代初頭のバブル崩壊から30年が経過した。1990年代後半の金融危機を経て日本の長期停滞が続いている。その間、GDP、名目賃金が減少・停滞しただけでなく、20年以上にわたるゼロ金利政策、10年近くの異次元緩和政策にもかかわらず、未だデフレから脱却できたとはいえない。他方、2022年以降は世界的な資源価格の高騰と急速な円安も相俟ってコストプッシュ・インフレの兆しもある。名目賃金が伸び悩む中、欧米諸国並のインフレが加速するならば、スタグ

          社会会計によるマクロ経済学 第1回「『失われた30年』から脱却するための方法論」