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料理の三原則

昔、私が母に教わった「料理の三原則」を少し紹介したい。

初めに断っておくと、私は料理の事を解説できるようなプロの料理人でもなんでもないし、主婦歴何十年の人の足元にも及ばない。

クックパッドやレシピ本の恩恵を受けながら晩ご飯やお弁当を作るただの一般人である。
料理はまだまだ初心者レベル。

"原則"だとなんか聞こえが偉そうなので、平たく言えば「料理をする上で大切な3つの事」だ。

今これを読んでくれている貴方は「料理をする上で大切な3つの事」を聞かれたとしたら、何を思い浮かべるだろう?

料理の腕が大切なのか、肉や野菜の素材の良さなのか、効率よく動くことか、いやいや結局は愛情のこもった料理が一番大切だよ、という人もいるかもしれない。
考え方はそれぞれあっていいし、何が正解だとか、間違いだとかはない。

結論から言うと、私が母に教わったのは
ずばり「一に化学、二に力、三に愛」である。


一に化学

んっ?と思った人もいるかもしれない。
初めて聞いた時は私もそう思った。

まさかの一が化学。
意外な答えに当時驚いたのを覚えている。

でもいくら愛情込めて料理をしようが、現実は調味料も火加減も、全て化学反応により味が決まってしまう。料理とは化学なのである。

母は管理栄養士の資格も持っていたので、料理も文句なしに美味しく、説得力があった。

今ではむしろその化学反応の法則さえ押さえられれば、つまり調味料の比率や、これを入れればこうなる、という調理手順を把握できれば、作りたい味を作ることができるようになると思っている。まだできないけど。


二に力

次に大切なのは力だ、と母は言った。

料理って意外と力が要る。
固い野菜も切らなきゃいけないし、ひたすら混ぜたりこねたりしないといけない時もあるし、色んな具材が入った重いフライパンを振らないといけなかったり、思ったより力作業なことが多い。

しかも、ただ力が強ければよいのではなく、繊細な力加減も必要なのがこれまた難しい。
包丁は押して切るのではなく引きながら切らないといけなかったり、例えばトマトを切る時は、包丁の重みを感じながら手を降ろしていかないと潰れてしまうし。

普段無意識にしている事でも、こうして改めて考えてみれば色々な力を使い分けて普段料理をしているのだなぁと思う。

三に愛

そして最後に愛がくることがミソなのだ。

ちょっとでも美味しくなるように、あるいは見栄えが良くなるように、盛り付けを綺麗にしてみたり、味見をして微調整をしたり。
そういう事が愛なんじゃないかなぁ、と思う。

その料理が誰かの為に作るものだけでなくて、自分の為に作るごはんでもいい。
愛は料理に対する愛だ。

でも、本末転倒になるかもしれないけれど、その全てが無いといけない訳ではないし、常に完璧な料理を目指す必要もないと思っている。

この間「手抜き料理」が少し話題になっていたりもしたけれど、冷凍や出来合いに頼っちゃったっていいし、素麺茹でるだけでも、美味しけりゃあぶっちゃけなんだっていい。
面倒くさい日もあって当然。

でも、今日は美味しいもの作ろう!と思う日には必ず思い出す言葉。

母の味を受け継ぐことができなかった私にとっては、せめてこれだけはずっと大切にしてきいたいと思っている。

一に化学・二に力・三に愛。
私にとって呪文のようで、おまじないのような、お守りのような言葉だ。

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