社会人学生覚書(通信制大学)

特に感動エピソードなどもないので淡々と過去と現在の状況を書いていきます。ただし職業柄身バレが怖いので、仕事に関する内容は書けません。

フルタイム正社員シフト勤務夜勤あり休祝日なし、という前提でお読みください。

社会人になってから大学は二校目になります。シフト勤務とはいえ拘束時間が長く通学は困難なのでどちらも通信制を選びました。

一校目 : 心理学専攻

2013年くらいから在籍。当時仕事がらみで懇意にしていた臨床心理士の先生がとても勉強熱心な方で、長期休暇がとれる時には海外の大学でセミナーを受講するなどとても精力的に活動されていたので、その方に触発されて、子供の頃から興味のあった心理学をやってみることにしました。

3年ほど在籍しましたが、途中家族の不幸などもあって学習が進まず停滞しました。もっとも心理学、特に学部のうちは実験ありきですが、通信教育ではそこが難しいためモチベーションが一度下がってしまうと回復させることができなかったというのが大きいかも。

4年目に入り、本腰を入れなければというところで「私ほんとうにこのまま心理学やりたいのかなあ」という疑問に突き当たります。

心理学でも論文なんかを読むようになって、英語力をもっと上げていかなきゃ!と思ったこともありますが、とにかく教養が全くなくて文学や歴史の知識が薄っぺらすぎることが気になり始めていました。

そこから転学を考え、他の通信制大学の情報を集め始めました。文学歴史をやりたいので、文学部が充実しているところ…と探していたら今の大学が視野に入りました。調べてみると、在籍学生数が1万人近くいるのに卒業できるのは毎年300人以下という、卒業できなさそうな大学でしたが、特にそこには注目せずにとりあえず出願してしまいました。しかし文学歴史がやりたいとか言いつつ、史学専攻のカリキュラムの厚さを見て早々に諦め、文学専攻もただ無邪気に好きな分野の小説だけ読んでいれば良さそうな感じでもなかったため、消去法で哲学心理学社会学教育学…などが専攻できる学科を選びました。

二校目: 文学部哲学専攻

出願

書類選考のみですが直近の教育機関での成績証明書も提出しますし、志望動機の他に小論文が2題出され、不合格になる人もまあまあいるようです。さすがに緊張しましたがなんとか合格しました。

弊学は総合大学で、理系学部も含めて充実した学部数がありますが、通信教育として開放されているのは三学部のみです。出願時に持っている学位に応じて一般教養科目の単位が認定されます。学士を持っている人は40単位(一般教養はほぼとらなくていい)、短大卒の人は18単位を持った状態でスタートできるので、在籍期間を多少短縮できることになっています(実際はあまり関係ないです)。私は短大を卒業したことがあるので18単位が認定されました。短大を卒業してかなり年数が経っていたので卒業証明書や成績証明書のお取り寄せが面倒でしたが、私は3年前にも請求したことがありましたから、教務課の人たちは「この人何やってんだろう」と思ったことでしょう。

学習の流れ

弊学通信課程では、履修手続きなどはなく、年度に応じて配本されるテキストが設定されていてそれが毎年一気に送られてきます。とる気のない科目も来てしまうのでテキストを置く場所に苦慮しました。ただ履修手続きというのはけっこう落とし穴なので、それをやらなくていいのはお互いに事務の簡略化が図れてよいと思います。

テキストと一緒にレポート課題の冊子も送られてきます。こちらは配本に関係なく、全学部分が綴じられているものです。科目によっては複数課題が出され、だいたい2,000〜4,000字で書くことを求められます。レポートには評価用紙を綴じたり自分の学籍番号を書く提出票を添付したりといろいろ送付にもお作法があって、そこに不備があると送り返されてきてしまいます。不備がなければ添削を受ける運びになり、最終的に合格すれば単位修得に一歩近くという流れです。ただこれだけでは単位はとれません。

年に4回、日本各地で科目試験を受験する日程が組まれます。不備のないレポートを提出し、教員による添削を受けることができれば、合否に関わらず試験を受けることができます。前期後期の括りはないので範囲は常にテキスト1冊全部でこれがなかなかきつい試験です。一度に受験できる科目数は6科目が上限です。この試験に合格し、レポートも及第点をとったところで単位修得となります。

スクーリング

年に3回、大学で授業を受ける機会があります。とはいえ社会人が多いので休みをとって出席するのはけっこう大変。家庭のある人も自分の代わりはいませんからきっともっと大変です。それでも出席点をとる先生もいて、鬼かな?と思うのですが…。その分野の専門家から直に授業を受ける機会はそうないですし、スクーリング必修の科目もありますので、卒業したい学生は毎年頑張って東京まで来ています。(地方の人たちとか、海外在住の人たち本当に大変…)

普段は自宅でひたすらレポートを書き、テキストをまとめ、試験会場では他の学生とゆっくり話す時間や場所もないような通信制の学生にとっては、一週間というまとまった期間他の学生と交流できる場があるのはとてもありがたいです。

通信制の限界

それでもやはり教員との距離がすごく遠いですし、他の学生がどうやって勉強しているかもわかりにくいですし、これは卒業するのは大変だ!と感じます。大学公認の学生団体なんかも設立できて、その中での交流は可能なのですが、あんまりお勉強の好きではない人たちとの交流は時間がもったいないと感じてしまうのがフルタイムで働きつつ、たまの休みも勉強に費やす社会人学生のつらいところですね。

卒業論文

大学や学部によるのですが、弊学の通信課程では卒論は必修です。指導教員が決まると気持ちが引き締まりますし、相談できる相手がいるっていいなあ、と実感します。私はシフト勤務で平日休みのことがむしろ多いので、積極的に大学に足を運んで図書館で資料を探したりしています。指導教員も熱心に指導してくれているのでそこは恵まれていると感じます。地方の人たちは本当に本当に大変。これ、なんとかならないんでしょうかねえ…。

その他

通信生はあまりやってないと思うんですが、私はSNSで知り合った通学生にお願いしてサークルにも入れてもらったりしています。通学生は通信生を下に見ていて馬鹿にされるとかいう話も漏れ聞こえてくるんですが、少なくとも私の周辺にはそういう人はいなくて、年齢も経歴も違うのにほぼ対等に接してくれてありがたいです。

通信生の皆さん、忙しくて大変だと思うけど、やっぱり人と交流すると全然モチベーションが違うので、学内外の勉強会や研究発表会、シンポジウムなどに積極的に参加して、学友をたくさん作った方がいいですよ!

というわけで、こんな感じで社会人学生をやっています。ご質問等ありましたらコメントをいただければ、可能な範囲でお答えします。




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