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逆説の「好きなことで、生きていく」論

 「好きなことで、生きていく」は5年ほど前のYouTubeのキャッチコピーであり、HIKAKINさんがビートボックスを淡々とネットに流し続けていたら突如バズったことが広告で使われたエピソードとともに有名になった言葉である。

 堀江さんも約3年前に「好きなことだけで生きていく」という本を出版し、誰でも好きなことだけで生きていけると断言をする主張と、後悔しない生き方・働き方論を展開し、一歩踏み出す勇気を読者に与えている。

 堀江さんの論理は、本当に好きなことに猪突猛進してやり続ければ仕事になり、必ず稼げる。その帰結として、「好きなことだけで生きていける」と主張する。

たぶんこんな感じ。①の好きで得意な領域ならば成果は出るし、②の好きだが不得意な領域でも時間かけたりマネタイズに工夫をしたら生きていける。

 ところで、僕はその論理に異を唱えたい。

 確かに、昔に比べれば起業やネット発信などの参入障壁は下がり、キャッシュポイントが増えているために、本来その人が持つ好きなことをして稼ぐハードルは大幅に下がったと言える。しかし、好きなことで生きていない人にとっては、生き方(仕事)を変えるのに勇気が必要だ。実際には好きなことをお金を稼ぐまでやりつづけるには時間がかかる場合や、好きなことがあまりにもニッチすぎる場合には、お金を稼いで生きていくのは不可能なこともあるので、少々無責任な論、あるいは彼はそれを承知したうえでポジショントークを展開しているようにも思える。

 そこで僕は、「好きなことで生きていく」という結果は同じだが、全く異なるアプローチでそこにたどり着く方法論を示すためにこのnoteを書いた。

 それは本当に好きなことありきで生きていく、というよりは、逆説的に、今やっていることも、そうでないことも、物事は気の持ちようで好きになれる、という考え方に基づいている
 動機付けスキルと試行回数をこなすだけの時間を投下すれば、好きかつ得意の範囲を広げることができると考える。好きと得意が重なった時に、人は没頭し夢中にその作業に集中できてとんでもないパワーを発揮するのと僕は思っている。

本来の好き×得意の領域から、①動機づけによって好きの範囲を広げ、②試行回数によって得意の範囲を広げよう。その結果、やっていることは同じでも、好き×得意の領域は広がっているはず。

ところで、どのように動機づけをするのか。

 閑話休題。ニートになりしばらく経つが、驚くことにサラリーマン時代の何倍も相談が来るようになった。詳細は伏せるが相談を受けない週はなく、この1ヶ月で開業医にインフルエンサーに世界一のコンサルティング会社の人に海外の起業家のような、社会的に成功している人からも相談が来る。相談が来る理由は①暇そうにしている事、②特定のポジションを持っていない事、の2つが要因だと思っているが、他の突出した能力があるから、つい自立しているように見える人たちも、動機付けスキルで悩んでいたのだ。

 話を戻そう。人生の多くの時間や思考を拘束される仕事を、いやいややっているのは人生の時間の無駄だろう。そしてニートの僕に一番期待されている回答は「最悪、仕事を辞めちゃえば?」だったりする。しかし身も蓋もない意見を言ったとしても、すでにいろんなものを持った彼らの行動につながらないため時間の無駄になることが多い。そこで、最近は「何(What)をどう(How)やるか」の、Howの部分、どう楽しむか(あるいは納得させるか)の部分について、相手の現状を拾いつつ、あくまでも僕の解釈における楽しみ方や納得のさせ方を伝えるようにしている。これが動機付けの話だ。

現状の仕事において好きではないことがある人は、下記分類に基づいて不満をどう動機に変えるのかを一度考えてみたらいかがだろうか。

○○(働き方、配属、処遇、環境)が不満:不満の真因を探そう。5W1Hを使ってできる限りシャープに言語化してみよう。本当にそれが不満なのか?不満だとしたらその事実を適切な部署(上司や人事)に対して声を上げて求めているのか?不満を解消するためには、どうありたいのか?ありたい姿にたどり着けない場合、別の納得解はあるのか?同時に、自分が貢献していると思っている価値についても言語化してみよう。

○○(業務上の手続き等)が無駄、納得いかない:相手や会社側の意図をくみ取った際に、必要性がある場合があるが検討済か。代替可能かどうか。代替不可能な場合、無駄だと思う作業を楽しむためにはどういう心構えを持てるか?

モチベーションが湧かない、やる気が出ない:もともとその会社を選んだ理由は何か。マズローの段階欲求説のどの部分で行き詰っているのか?モチベーションは必ずしも必要か?

会社にたどり着けない:産業医など、専門家への相談を。

 閑話休題2。僕は10歳くらいから好きで得意なことを見つけることができたが、一方で義務教育の弊害で嫌いで苦手なことにも時間を費やす必要があった。その場合も、基本的には動機付けの糸口を探し、試行回数を回すことで好き×得意にしてきた(一部、PDCAのペースに時間がかかるものやセンスが必要とされるものはあきらめたが)。それゆえ、この理論は一応20年ほど僕で試しており、その結果、他人からはいつも好きなことやってて悩みがなく楽しそうと思われ、その結果として相談に乗ること多くなっている。この理論は自分で試しているからこそ、実効性は担保していると思っている。

あらためて、2020年は皆さんが「(今やっていることを好きだと思うことによる結果として)好きなことで、生きていく」を実現できるように、地球の裏から応援している。

それでは。2020年も良い年になりますように。

サポート頂けたら、単純に嬉しいです!!!旅先でのビールと食事に変えさせて頂きます。