WeWorkが買収したスタートアップ一覧

WeWorkのM&A戦略とは?

アメリカのスタートアップ情報を参考に新たな分野、創業直後のスタートアップ企業などの情報を発信・解説する無料メルマガの登録はこちら

WeWorkは数日前に子会社のオフィス管理プラットフォームManaged by Qを売却することを発表した。

同社は2016年〜2019年の間でなんと22社もの企業を買収し、様々な業種の企業を積極的に買収していた。Spacemob、Naked Hubのコワーキング競合の買収など、中核事業(コワーキングスペースの貸出、所謂「desk business」)の成長に沿ったM&A戦略を実現していたもののや、サーフィン用人工波発生装置を開発するWavegardenや学生向けSNSアプリ等の意外な買収も行なっていた。

画像1

(注:The Wingはマイノリティ出資)

上記リストはこちらの記事から引用したもの。

しかし過去数年間の業績悪化により、同社は以下の立て直し計画を2019年10月に発表している。そしてここ数ヶ月の間で幾つかの子会社を売却して、迅速に非中核事業からエグジットしている。上で述べたManaged by Qもそのうちの一つである。

プレゼンはこちら

この経営立て直し計画の要点は以下の通り。
   - 中核事業に注力、非中核事業の売却
   - 人員削減による業務効率化
   - エンタープライズ会員の増加に注力
   - 設備投資の効率化、及びコワーキングスペースの稼働率向上
   - 内部・外部に対する企業イメージ向上

この計画ではConductorTeemManaged by QMeetupSpaceIQSpaciousWavegardenの企業が売却リストに載っている。この中でConductor、Teem、Managed by Qは既に売却されており、Spaciousにおいては撤退している。また、リストに含まれていない女性コワーキングスペース企業The Wingに対する持分も最近売却されている。

今のところMeetup、SpaceIQ、Wavegardenは残るようだが、上記で述べた企業以外にも売却されると考える。

今後売却・撤退しそうなスタートアップ

Flatiron School

画像2

WeWorkは2017年〜2018年の間にFlatiron School、MissionU、Designation Labsの教育関連企業を買収しているが。オンラインクラス事業のMissionUはWeWorkの小学校事業WeGrowに吸収され、デザインブートキャンプのDesignation Labsは大手プログラミングスクールのFlatiron Schoolに吸収された。

WeGrowは非中核事業として既に2019年10月に閉鎖されている一方、Flatiron Schoolの売却計画はまだ発表されていない。但し、Flatiron Schoolはプログラマーになりたい転職者に対する教育を主に提供しており、WeWorkが注力しているエンタプライズ向けコワーキングスペース事業成長の方針とは全く異なる。また、同社は昨年にFlatiron Schoolの従業員の約80名を解雇しており、Flatiron Schoolの売却、又は撤退の兆候が見られる。 

Islands Media

画像3

WeWorkは2019年6月に大学生向けソーシャルネットワークのアプリを開発するIslands Mediaを買収した。同アプリはFacebookより簡単にグループを作成することができ、大学生の間で大人気となった。恐らくWeWorkはIslands MediaのSNS機能を活用し、WeWorkのコミュニティを強化することが買収目的だったと考えられる。

現在、WeWorkはコミュニティ強化よりコワーキングスペース事業の成長に注力しているため、Islands Mediaの買収で得たSNS技術を利益目的で売却する可能性は高いと考える。当時、Islands Mediaの利用者数は多く、同技術を活用してSNS機能を強化したい企業も存在するだろう。

Weworkの今後の方向性

WeWorkは22社(マイノリティ出資のThe Wingも含む)のポートフォリオ会社を保有していたものの、2020年3月現在では既に4社に対する持分を売却し、1社は撤退している。

今後は売却方針として発表されているMeetup、SpaceIQ、Wavegarden以外にも、Flatiron SchoolやIslands Mediaの企業・技術を売却することが見込まれている。

一方、コワーキング市場は成熟化しており、同業他社のM&A取引件数は今後伸びると考えられる。特に、マーキュリアや伊藤忠が出資しているオフィス賃貸会社のKnotelも企業買収で市場シェアの拡大を目指すだろう。

大手のWeWorkも負けずに、非中核事業を売却しポートフォリオを整理した上で、中核柱となるコワーキングスペースの競合を買収する可能性が高いと考える。

コワーキング事業を運営しようとしている皆様へ、

Watch out for the war of the giants.

___________________________________________________________

本記事に関して、コメントや質問などのある方はcontact@fromthealley.coまでお問い合わせください!

イノベーションやアメリカのスタートアップ情報に興味のある会社員、投資家、起業家向けのメルマガを毎週配信しています。ご登録は以下をクリックください!

___________________________________________________________

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

ありがとうございます!ご興味ある方はメルマガにご登録下さい!
9
新たな米スタートアップ情報を発信するノート。無料メルマガ登録はこちら→ http://bit.ly/2W0xymO、プロフィールはこちら→http://bit.ly/2F0qqwS、ウェブサイトはこちら→http://bit.ly/2UCymx5