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今日の一冊 ~海辺のカフカ~

写真は浜名湖・弁天島と外洋との境にある海浜公園の浜辺である。
浜名湖は汽水湖でウナギの養殖が有名。一帯はリゾート地でホテル
が立ち並ぶ。
https://www.murakichi.net/bentenjima

大勢のファンがいらっしゃる村上春樹作品の読書感想はおこまがしい
のであるが、特に気に入っている著書なので、よろしければお付き合い
願いたい。

まず、ロードムービー風の小説であること。
村上作品に特徴的な「2つのストーリが並行して進み、最後につな
がる」、構成だが、両ストーリーとも、
・中野区(野方)→東名高速→明石海峡大橋
 →香川(高松)、一部高知
と展開される。その各地で重要(重大)な事件・出来事が発生する。
 野方:家出、殺人
 東名:出会い、特殊能力発動
 高松:出会い、重要なアイテムの発見、クライマックスの舞台
 高知:「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」で出て
    きた森に主人公が迷い込み母?と出会う
など。その地で大きな出来事が発生する度に主人公たちの行動や
運命が変わっていく。非常にスピード感溢れる展開でぐいぐいと
引き込まれる。

次にあまりにも異色なキャラクター。
・世界一タフになることを義務付けられた15歳の少年
・読み書きの能力を奪われた愛すべき老人
・美人ではないが魅力的な姉の面影を宿す若い女性
・クラシックに目覚める男気のあるトラック運転手
・恋人を慕うあまり禁断の「入口の石」を開けてしまった美しい
 中年女性(主人公の母?)
・その相手で学生運動に巻き込まれて亡くなった少年
 (おそらくカラスと名乗る霊)
・思いやりのあるユニセックスの青年(実は女性)
・猫殺しのジョニー・ウォーカー
・女衒のカーネル・サンダース
・哲学専攻でバイトで売春している飛び切りの美女学生 など
まあ、良くこれで物語が破綻しないものである。恐るべき筆力!

さらに解決してそうで解決していない(実は解決している?)
数々の謎。
本著書出版後、村上春樹氏により3か月超、公式サイトが開設
され、その中で読者と交わされたメールのやりとり1,220通!
が収録された「少年カフカ」が出版されている。その中で、
いろいろな問答がなされるくらい、謎が多い。私もこちらは
図書館で借りてチャレンジしたが、電話帳並みのボリュームで
途中で返却期限が来て挫折した。それだけ謎が多く、また、
重要な登場人物が2名、脇役(少年の父親)1名、猫3匹
(+たぶんジョニー・ウォーカーも)が亡くなっている
にもかかわらず、読後に大きなカタルシスを感じる。
※カタルシスとは、「悲劇が観客の心に怖れと憐れみを
 呼び起こし感情を浄化する効果」のこと

最後に耳寄り情報。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
今の状況に対し、「少しでも元気の出る、少しでも心が和む
音楽を」選んで村上氏愛用のプレーヤーで届けてもらえる
そうである。
・村上RADIOステイホームスペシャル(TOKYO FM)
 2020.5.22(金)
 パート1:22:00~22:55
 パート2:23:00~23:55
https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

TOKYO FM区域の方はWebからもradikoで聴ける。聞き逃しても
1週間無料再生可能。他の地域の方は有料。
https://www.tfm.co.jp/timetable/?date=20200522 
※聴取可能期限:2020年05月24日 16:34までだそうです!

お茶うがいの輪を広げてコロナを収束させたい!
https://note.com/from_free/n/n406bc5302094
https://note.com/from_free/n/n98097eb72720


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