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我が家に弟子がやってきた! 第1話

" 創作活動を通して、思い込みや制限から解放されて、よりのびのび生きるきっかけを作りたい。"

突然facebookにメッセージが届いたのは、2018年12月。
そこから1年半、我が家に弟子がやってきました。


「じゃあ、弟子だね」

初めましてのメッセージの2ヶ月後。
早速、高知県から東京に、ワークショップの参加と見学にきてくれた彼女の名前はちかちゃん
850kmの距離をあっさりと越えてきたことはもちろん、高知での仕事明けに始発の新幹線に乗りこみ、そのまま寝ずにUMUMのワークショップに参加する姿勢は衝撃的でした。
ありがたいことにUMUMには、場創りに興味のある方や保育士さんなどから見学や問い合わせの連絡がちょこちょこくるようになっていて、今回もなにかご縁になればいいな〜と別れたその1ヶ月後。
ちかちゃんは再び東京に訪れ、またまたワークショップに参加してくれました。
ワークショップで私が描いた絵を、目を輝かせて欲しがり
『UMUMの活動は、わたしの理想そのものなんです!!!』
なんだかすごいパッションの子がやってきた...!
嬉しいやら恥ずかしいやらでしたが、ワークショップ終了後にゆっくりお話することにしました。

ちかちゃんは高知県で地域のお仕事に従事していて、たまたま参加したアートワークショップでの自己解放に心を打たれ、表現の場創りに興味を持ったとのこと。一方で、専門的な美術の勉強を全くしていないことから自信がもてず、様々なアートワークショップやイベントなどを調べまくり、たどり着いたのがUMUMで、びびびっときてメッセージをしたという話を聞きました。
私自身、美術大学を卒業したとはいえ、ワークショップや場創りのHow toは全て卒業後の経験で培ったもの。
彼女のこれまでの人生の話をふむふむと聞きながら、ちかちゃんの学びたいという強い意思と、彼女に足りないのは経験だと感じた私の口からは、自然と「じゃあ、弟子だね」という言葉が出ていました。


「え?弟子?」

その後も高知で一生懸命仕事をしながら、隙をみては東京にきてワークショップを手伝ってくれるようになったちかちゃん。
え?850kmて、そんなに近いの?
わたしのアート仲間や、ワークショップ関係者の方を紹介したり
UMUM以外のワークショップやコミュニティにも、分刻みのスケジュールで積極的に参加するちかちゃんの東京滞在。
こりゃーゆっくり話すのは夜しかないぞということで
「来週3日間、弟子うちくるから」
「え?弟子?」
と旦那さんに許可を得て我が家に泊め、私の人生、経験、学び、ちかちゃんの人生、経験、学び、夜な夜なまぶたが落ちるまで、たくさんの話をしました。

すごく雑にいうと、熱いパッション、自信のなさ、そして類稀なる行動力の三つでできているちかちゃん。
どうやらその自信のなさは、専門的な勉強の有無ではなく、彼女の思考傾向であるということも見えてきました。

そんな彼女に私が言い続けたのは
「イメージを形にしろ」
「とにかくやってみろ」
「経験で学んで、自信をつけろ」
でした。(スパルタ...)

自分で探求し、考え、形にして行動する経験は
それが下手だろうが上手かろうが
それが失敗であろうが成功であろうが
間違いなく本人の財産となり
ぶれない自信を構築するからです。
そして、その学びは
知識やスキルを他人から聞いたり見たりするよりも
厚みをもって自分の中に吸収され
ぐんぐん成長することにつながります。(経験則)

東京から帰るときは、やる気に満ちた太陽のような笑顔を見せてくれるのに、しばらくほっておくと自信のない沼にはまり、沼の周りをたたきまくり、あれやこれやと頭をパンパンにする、揺れる乙女心代表のちかちゃん。
乙女心に大地震がおこっていたこの年の夏には、沼から物理的に引っ張り出すべくシンガポールでの研修に誘ってみました。
言わずもがな二つ返事で国境を越えて合流するわ、現地では素晴らしいコミュニケーション能力を発揮するわ、高知県で表現ワークショップを始めてるわ、数々の素晴らしい一面を見せてくれました。
本当にこちらからすれば、自信を持っていいところだらけなのにね。

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(一緒に見学に訪れた、Playeum Children's Centre for CreativityとKeppel centre for art education @Singapore)


「私、東京に行きます」

ワークショップやアートに関する学びや出会いの場は、東京の方が数が多いこと
UMUMの拠点が東京であること
そして、高知での実践を踏まえ、より学びを深めたいという彼女の探究心から
「今年度で仕事をやめて、私、東京に行きます」
と、ちかちゃんは上京を決意します。

ついに本格的な弟子入りだーーー!!

いや、ちょとまてよ?
一度も会社員の経験がない筋金入りのフリーランサーな私、チームワークとか大丈夫なんか?
これは短期的な話ではないぞ?
後輩に教えるとかできるんか?
そして彼女の生活は、どうするんや?
でも、UMUMはついにチームになるんだあ。
あたらしいフェーズだなあ。

いろんなことにリアリティが生まれ
自分の今持っている仕事、人脈を見直して紹介できることを考え
生活、土地勘、仕事、マネタイズ、住環境
アイディアやアドバイスをちかちゃんにメッセージする日々。

いまの仕事は大丈夫なの?
どこに住む?うちに仮住まいする?
楽しみだなあ〜〜〜

ざわざわざわざわ。
うきうきうきうき。
そわそわそわそわ。

早くこないかな〜
きたらあの仕事を一緒にやってー
こんなことを伝えたいなあ〜〜

ざわざわざわざわ。
うきうきうきうき。
そわそわそわそわ。

浮き足立った私に届いた、ちかちゃんからのお返事は
『UMUMのほかにもうひとつ、お仕事を掛け持ちしようと思っています』
私はそっと大地に足を下ろし、自分の中のイケナイ感情に気づきます。

いかんいかん、彼女の人生や。
彼女が決めることや。
わたし、期待しすぎてる!
ついつい相手に深く関わろうとしてしまうわたしのくせが、見事にイケナイ方向に発動していました。

自分の状態を冷静に俯瞰し、コミュニケーションを見直そう。
まず相手の言葉に耳を傾け、自分の言葉を精査しよう。
人と自分はちがうんだ。

2019年冬。
出会って1年。
弟子の出現により
三十路半ばのわたしも、再び成長の階段を勢いよくのぼり始めたのです。


つづく。

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