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Ghost of tsushima


[前半はネタバレ無しの感想で、以下ネタバレ有り↓からネタバレ有りの感想]

誉れ(誇り、敬意)を重んじる侍が故郷を取り戻すべく戦うオープンワールドお侍ゲーム。

最初はプレイしようか迷ってたんですが、話題になっていたので結局発売日から購入して遊びました。

このゲームの僕の感想は、ゲーム外のものの影響を受けている気がします。このゲームの前に遊んだラスト・オブ・アス2と、どうしても比較してしまった気が。海外のゲーム会社が作った日本のゲームということでどうしても高評価気味になってたところも少なからずあった気もします。

完全に公平な評価はできていない気がします。ゲームの感想を考える上でできるだけゲーム外の影響を受けないように考えたいと思うんですが、難しいですね。

それにちょっと関連したお話でレビューサイトのユーザーのスコアと企業のスコアに差が出ているというのお話を聞きましたが、これに関してはそこまで不自然には僕は感じませんでした。

ゴーストオブツシマ(以下ツシマと呼ぶ)は個人的には特出した新たな技術や発想が良かったというより、既存の技術をうまく活用し、製作する際の部分的に力をいれる部分といれない部分の強弱の付け方がうまかったと感じます。それと日本人というのもあってか改めて感じる日本の文化も個人的にはよかったですね。
風による新たな誘導システム等今までにない新たなものや試みもあるとは思いますが、やっぱグラフィックがすごく細かくて綺麗とか斬新なゲームシステムとかの方が派手というか目立ちますよね。それで、企業のスコアが少し低いのかなと思いました。低いと言っても、良い評価ではあるんですけどね。

それでは、プレイして感じたことを書きます。

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今まであったゲームのストレスを減らす工夫がゲーム内で随所に見て取れる

馬での移動が多いのですが、馬に乗馬中に行えるアクションも多く、乗馬をしていてもNPCとそのまま話せたり、素材を集めたりできるところは流れるように遊べてよかったです。
馬自体も左ボタンで簡単に呼べるのも地味に良かったと思います。それによってゲーム内に出てくる馬の個性が薄れた気もしますが、僕はこのいつでもワンボタンで馬を呼べるのはストレスフリーでとてもよく感じました。

ゲームを起動してからプレイできるようになるまでの時間自体も早いのですが、ファストトラベル時のロードも早くてびっくりしましたね。僕のPS4はproではないですが、それでもロードが早い。早すぎてロード中に読めるTipsが1ページ目しか読めないくらいはやい時もあります。

戦闘で使用する道具も買わずともそこいらへんで容易に入手できるのも嬉しかったです。入手するのが大変だったりするともったいぶって使わなかったりすることもあるのですが、ツシマでは簡単に手に入るので軽い気持ちでバンバン使っていけるので気持ちよかったです。

カメラワークに関して不満を持たれる方もいますが、僕はそこまで不満に思いませんでした。基本的にツシマの戦いは1対多なので、カメラワークが勝手に動くと逆にやりづらいんじゃないかなと思ったからです。
武器切り替えに関しては最初慣れるまで大変だったところはあるっちゃある。

幅の広い戦闘が面白い

戦い方にいろんな手段があり、それを駆使して倒したり攻略するのが面白いですね。そのそれぞれの戦い方も、そこそこ奥深さもあってそこも楽しいです。

刀で戦う際自体が面白いのも大きいと思います。敵の攻撃を直前でガードすると敵の攻撃を受け流せるのですが、それが本当に直前にガード(俗にいうジャストガード)すると敵の攻撃を弾くことができ、その後一撃で敵を倒せます(※雑魚敵のみ、ボスは一撃ではない)。
これが時代劇の殺陣みたいでうまく決まると気持ちいいんですよ。武器を強くしてボタン連打で倒せるというわけでなく、攻撃を見切りながら倒す感覚が気持ちよかったです。

弓を使った戦闘も、胴に当てるのでもよいのですが頭に当たった際には特殊な効果音が流れるんですが、それが気持ちいい。

ステルスアクションも面白く、隠れれる場所や登れる場所が結構あり敵にばれないように移動して倒すのが面白いです。慣れてくると流れるように効率よく闇討ちができて気持ちいいです。

色鮮やかな世界とワンボタンで起動するピクチャモード

よーく見るとそこまで細かくテクスチャを練ってるわけでないんですが、光の当て方か影の陰影のせいなのか、すごい景色が美しいんですよね。紅葉も黄葉もとてもきれいだし何というか世界が色鮮やかで美しいです(語彙力がない)。
画面に表示されるUIも極力減らされているので、対馬を旅行しているというか、ゲーム内の雰囲気をより感じ取れるように思えました。
しかもピクチャモードがコントローラの右ボタンを押すだけで即起動可能なので、ついつい写真をいっぱい撮っちゃう。おかげでストーリー進めるのを止めて写真を撮るのに没頭してしまうこともよくありました。

写真を結構撮りましたが、本当は動いてる画面自体を共有したかったです。風で揺らめく草原や木の葉、風の音、遠くで聞こえる鳥の声等々、写真じゃわからないんですよね。風で揺らめく草や葉の音で僕はとても癒されました。
面倒だったのでどうやって撮るか調べず動画は諦めたのですが、PS4で動画の取り方を知らなかったのを若干悔やみました。

練りこまれた演出、世界観、キャラ、ストーリー

プレイされたらわかるのですが、これは日本の文化や時代劇を本当に学んで作っているなというのがわかります。やってて違和感を感じませんでしたし、なんならゲーム内で日本のことを新たに知ったことも多々ありました(法華経とか)。墨絵での物語表現は初めて見た時は圧巻でしたね。

技を習得する際の演出とかもかっこよかったです。技は最初から全部覚えておらずゲームを進めるごとに徐々に解放されるのですが、それがうまくストーリーに練りこまれていて違和感を感じることはありませんでした。ある技を習得した時は演出含めメチャクチャかっこよく感じましたね。

僕は対馬について詳しくないのですが、時代劇っぽい世界観がうまくツシマの世界にマッチしていてとてもよかったです。実際の史実とは全然違うのでしょうが、個人的には時代劇で慣れ親しんだ世界観だった為あまり不自然に感じませんでした。

世界観の一つで、とある村でクジラを捌いているのには驚きましたね。

クジラを捌いてるところを僕が一度も見たことがないというのもありますが、クジラを食べる文化をゲーム内に含めるのは批判がでるのではないかと思ったからです。
昨今は動物愛護の関係で元々の文化問わず批判が上がることがありますので、その問題があった上でゲーム内に実装しているのは何といいますか、攻めてるなと思いました。
クジラの捕鯨自体が良いか悪いかは知りませんが、日本の文化として捕鯨をゲーム内に描いてくれたことを僕は嬉しかったです。

登場するキャラもみんな濃いんですよね。見た目じゃなくキャラ、性格が濃い。どのキャラも人間味を感じさせる素晴らしいキャラです(※良いやつとは限らない)。
キャラのサブクエも続きが気になるものばかりでよかったです。ユニークキャラのサブクエ(クエストに顔グラフィックがあるもの)は面白いのでお勧めします。ちなみに僕の好きなキャラは政子。



ストーリーは正直重たいところもあります。ですが多分、プレイされた方は途中までストーリーを進めたら、続きが気になるので重たくても最後までプレイされるのではと思います。
急展開はありますが伏線やしっかりと物語の準備や下地を作った上での展開なので、大体のイベントはプレイヤーに違和感を感じさせずにストーリーを進めることができると思います。
少しだけもう少しここを細かく表現されていれば良かったのかなと思ったところもありましたが、概ね僕は悪くなかったです。

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僕は感情移入しすぎて途中からの評価が客観視できていないところがあるので、とてもオススメ!是非やってください!!とは言えません。
ですが、PS4でプレイしたゲームの中でもかなり完成度の高いゲームであると感じました。最後までプレイしなくてもいいので、僕は少しでも実際に遊んでツシマの世界に触れてほしいです。
この記事に載っているSSは全部僕が撮ったのですが、SSでは伝えられない魅力がツシマにはあります。是非遊んでツシマを感じていただけると幸いです。

ツシマ(ネタバレ有り)の感想等

[↓以下ネタバレ有り↓]

 

 

 

 

ツシマを3つのエリアごとに第一章、第二章、第三章で分けて書きました。

[1つめのエリア:第一章]

始めたばかりでゲーム体験が新鮮ですごい楽しい。
エリアをほぼ全部回ったせいもあり強化する類の6,7割はここで終えました。

最初は侍らしく誉を重んじて正面突破しようとするも、装備がまだ集まっていなかったりステータスが低かったりで最初の蒙古の拠点に複数回挑むも泣く泣く退散。難易度を[難しい]にして遊んでいたけど、それを下げるかすごく悩みましたね。ですが誉(プライド)がそれを許さず、結局下げずに隠密プレイで暗殺をしまくる(それはそれでどうなの?)。

暗殺しまくっている時に志村との思い出がフラッシュバックする演出は良かったですね~。本当は正面突破したいけど悩んだ末に諦めて暗殺していた自分と仁の気持ちがリンクしてとても心に響きました。暗殺は暗殺で楽しいんですけどね。ごめん、ごめんよ許してくれ志村様。

紫電一閃を習得する戦いはすごい演出がかっこいいなと思いましたね。仕合の雷とか最後の一撃が習得する紫電一閃とか、かっこよすぎですね。
伝承のクエストを受ける際の墨絵のお話も最初見たときはかっこよくてびっくりしました。
あと琵琶法師。琵琶法師も世界観にマッチしていてとても素晴らしかったですね。


[2つめのエリア:第二章]

投げた鈴から毒蛇がでてくる護符にハマる。
毒を受けた敵のリアクションが思いのほかリアルで、それがツボにハマってしまい敵を鈴でめちゃくちゃ毒殺しました。僕の誉はこのエリアで完全に死にました。

仁の父親との最後の瞬間(父親が賊に殺される場面)もモヤモヤというか後悔を感じてしまいましたが、百合のサブクエストも結構辛かったですね。
あそこらへん全般辛かったかな。仁が実家に帰りづらい理由もわかるし、それでも鎧を取りに行くべきだという気持ちもわかるし、百合の気持ちもわかるし。
仁の昔の話を百合とする場面は辛いものがありましたね。変わってしまってもう戻れない現実を感じてしまうのと、百合を独りにさせてしまう申し訳なさを感じました。
百合の最後のサブクエストは受ける前から百合がゴホゴホやってるので受ける前から悲しい気持ちになってましたが、段々百合が仁を認知できなくなっていくのもとても悲しかった。悲しかったけれど、いい終わり方だったと思う。

志村城での戦いも辛かったですね。わかるんですよ、仁の行動は理解できるし志村が否定する気持ちもわかる。
志村は仁を大切に思ってるし幸せになってほしいが今まで信じてきた生き方を変えられないし今更変えるわけにもいかない。仁も志村を大切に思っているがこのままでは多くの犠牲がでるし蒙古に勝つことはできない。
世代間の考えの違いというか、時代の流れなのだと思いました。昔はそれでよかったけれど、今はもうそれでは通用しない。今までの価値観を持ったまま死ぬか、今までの価値観を捨てて新たな価値観を模索するかの二択だったんじゃないかな。
志村が多くの人が死ぬことを理解していながらそこへの言及を全くしないのは悲しいですが、根本的にはどちらの考えも正しいと思います。大切な人と生きる道が分かたれるのは悲しいものがありますよね。

馬が死ぬところも悲しかったなぁ。ものすごい悲しかった。
2章の百合のサブクエストと志村城でのイベントは本当悲しいし辛かったですね。
竜三もなぁー…。何やってるんだよ、何やってるんだよ馬鹿野郎がよぉ…。

[3つめのエリア:第三章]

第三章の初めに蒙古が毒を使って民を殺していますが、あれは最初、仁の行いのせいで蒙古が使うようになったというのを僕は理解してませんでした。他の誰かが蒙古に教えたりしたのかと思ってました。
収集品にある[ハーンとの対話]を読むと仁の使った毒を見て使いだしたことがわかるのですが、もうちょっと他にもストーリー上でわかる何かが欲しかったです。

あと第二章の志村城から最後までずっっっっっと冥人の鎧しか着てませんでしたね。性能なんて関係なく、タカにあんな渡され方されたらあの服一択ですよ。おまけに最終強化までするとかっこいい。それまで旅人の服をずっとつけてましたが、その後は冥人の鎧で、しかも以前まで付けていなかった面までちゃんとつけてました。

第三章でユニークキャラのサブクエストもそれぞれ終わるのですが、みんなスッキリした終わり方はしないですよね。考えさせられる終わり方だったと思う。典雄がああなる気持ちもわかるし、政子の気持ちも。石川先生はクズだけど気持ちは分からなくもない。巴も。
最後の志村とのイベントも心にくるものがありましたね。最後まで志村は仁の行いを認めませんでしたね。悪いところだけを言葉にして良かった部分は話さない、やっぱ認めるわけにはいかないし認められないんだろうと思いました。最後に流した涙から僕は、本心では認めたいし昔の二人の関係に戻りたい、親としての気持ちも、ものすごく伝わってきました。
最後の志村との仕合が終わった後の殺すか殺さないかをプレイヤーに選ばせるのは面白いつくりだと思いました。ちなみに僕は殺しました。志村の今後を想像してと、志村の意志を尊重してです。


戦闘も面白かったし景色もきれいで面白いんですが、第二章の途中から自分と仁を重ねすぎて楽しいんだけど悲しい複雑な気持ちになっていきました。だから世間では面白いといわれていますが、僕ははっきりと面白いとは言いづらいかな。

だけど、このゲームの完成度は素晴らしいと思います。僕はPS3のラストオブアスに似た素晴らしさだと思いました。

ツシマはグラフィック、音楽、戦闘等すべてが斬新で新しかったり最高の仕上がりとは言えませんが、プレイヤーが皆その斬新さを求めているとは限らないと思います。
グラフィックなんてある程度上がれば良くて、顔の細部までなんてそこまで求めていない。主人公がイケメンだったりヒロインが美人だったりしなくてもいい。
フィールドの作りも全部が全部重複無しで作らなくてもよいと思っています。ゲームを遊んでて一回しか入らないだろう場所なんてある程度作ったら適当でいいですし最悪他の建物のコピペでいい。
装備品のプレビューが画面に表示されるのが遅く感じはしましたが、ファストトラベルや戦闘再開までのロードに比べたらそんなのそこまで早くなくてもいい。

すべての部分に力を入れるのでなく、求められるところに力を入れ、求められないところには最低限の力で済ました、バランスが絶妙なゲームになっていると思います。

個人的な理由ではっきりとオススメはできなかったのですが、ゲームに求めていたものが詰まった素晴らしいゲームだと思いました。プレイヤーが求めるゲームとしてかなり完成度が高いと感じました。


[全部終わった数日後に思ったこと]

プレイする前やプレイしている時、ゴーストオブツシマのゴースト(亡霊)とは、浜で負けた後に誉ある侍の姿を捨てて対馬を取り戻そうとした仁のことを意味していると思っておりました。

ですがクリアして数日経ってから、変わりゆく時代・環境の中で変化を拒み、今までの経験や生き様に執着した、志村がゴースト(亡霊)だったのではないかと思ったりしました。最後の仕合前に生きることを決断する仁は、僕にはゴースト(亡霊)には見えなくなっていました。
そういった意味では、復讐の末に生きる意味を見失った政子や、変わり果てた兄の姿を見て変わってしまった典雄などのキャラクター達にもそんな人はいますね。

未来に対し辛くても希望や願いを持って生きる人と、過去に囚われ同じことを繰り返したり進むことができずにいる人がいます。
ゲーム終盤でサブクエ含め大体重い内容だったのは、そういった人を描いた作品だったのからなのかななんて、思いました。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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