打ち込むから楽しくなる、楽しいから好きになる

「自分が好きなことを仕事にしたい」と願う人は多い。

これから社会に出る若者ならまだしも、それなりに歳を重ねた大人がそれを言うと、まるで「自分は好きじゃないことを仕事にしてます」って告白してるみたいに感じる。なんだったら「仕事が嫌いです」「仕事がイヤです」とも。

長年の積み重ねでそうなんだから致し方なしか。ただ、俺はイヤイヤ仕事してる人には仕事依頼したくないって思っちゃう。気持ちよくない。それがどんな仕事であっても。

自分の経験を、若者に述べて伝えることがある。

俺は「世の中に楽しい仕事なんてひとつもないよ、残念でした」と伝える。ほんのりがっかりしたように見える彼や彼女に向かって「だけど仕事を楽しんでる奴はいるんだな、これが」とつけ加える。

要は「楽しい仕事」を探して彷徨うなよと。

楽しい仕事を探すんじゃなくて、なんでもいいから目の前の仕事に本気で打ち込んでごらん。本気で打ち込んでると少しずつできることが増えてきて、できることが増えるといろんな人に喜ばれたり褒められたりすることが増えてきて、自分のしたことが誰かに喜んでもらえるなんてそりゃもうものすごく嬉しいもので、自分が嬉しいと思えることやってるときってたいてい楽しいもので。

ときにはどうしても自分には無理で続けられないものもあるだろう。けど意外と少ないもんだよ。人間ってびっくりするくらいなんでもできちゃうから。

ほかの仕事ならきっとうまくのにとか、今と違う職場なら楽しそうだとか言ってウダウダするのも人生の味わいだけど制限時間あるからね。

おかげさまで俺は今自分の仕事が好きだしすごく楽しい。幸運なんだと思う。多くの人に同じような幸運を味わってほしいな。