シュウ

文字書きのくたびれたオタク。HLGLBL何でも書きます

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マガジン

  • 【小説】Scheming Symmetry

    創作BLまとめ。大学生(ノンケ)と大学生(ゲイAV男優)の翻弄劇(R15推奨)【完結済】

  • 【小説】Crucible of Worlds

    創作BLシリーズまとめ。父親(故人)の盟友と忘れ形見の、どうしようもない不倫劇【完結済】

最近の記事

【雑記】Interlude 2

こんにちは。シュウと申します。 実験的に始めた「お題に沿って毎日短編を一本書き上げる」も、目標だった三十日間連続更新を経て無事九十日間連続更新が終わりましたので雑記など。 本当は六十日の時点で何か書こうと思っていたのですが忘れていました。 途中、何度もネタ切れを起こしてお世辞にも読みやすい物語とは言えないものも何本か上げてしまい、そこが悔やまれます。 基本的に一日の終わりにお題発行→そこから書き出す、というルーチンでやっていたので、ムラが出てしまったのだと思います。 己の

    • 【小説】九十日後のあなたへ

      【九十日後のあなたへ】 お題:『君の涙の味』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】レインコレクターの続きです。 https://note.com/friends17/n/ncef9913ca33d  仕事を辞めてから丁度三ヶ月が経った。  あの日、会社のビルを出てふらふらと駅まで歩いていた時。『レインコレクター』と名乗る青年に心の内を全て吐き出して、わんわん泣いて。彼は最初の言葉通り、差し出したハンカチに沢山の涙を掬った。どれだけ泣い

      • 【小説】パス・トゥ・パスト

        【パス・トゥ・パスト】 お題:『手放せないものが多すぎて』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】オートマトン・リフレクションの前日譚です。 https://note.com/friends17/n/nd3d55387c467 「何だよ、話って」  夜も更けて、消灯時間を過ぎた頃。自販機前の休憩スペースへ彼を呼び出した。普段はきちんと整えられた顎髭も、徹夜続きで伸びっぱなしになっている。僕も白衣をそろそろ洗濯したいなと、彼の腕捲りされた

        • 【小説】kissing kitten

          【kissing kitten】 お題:『言ってくれなきゃわからない』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】primary preparationの続きです。 https://note.com/friends17/n/na19055bcaea4  同期生に手を引かれ、リビングを出て彼の部屋へ向かう。部屋の中は先程より生活感があって、彼が好きであろう漫画や本が収められた大きめの本棚、PCデスク、それとやはり少し大きめのベッドが置かれてい

        【雑記】Interlude 2

        マガジン

        • 【小説】Scheming Symmetry
          5本
        • 【小説】Crucible of Worlds
          12本

        記事

          【小説】恋愛first strike

          【恋愛first strike】 お題:『(そんな不意打ち、ずるくないですか)』 https://shindanmaker.com/392860  もうすぐ彼女の誕生日だ。  彼女、という呼び方は便宜上のもので、正確には僕の片想い相手、だけれど。僕の片想いはとりあえず置いておいて、いつも頑張っている彼女にプレゼントをあげたいと思っていた。  彼女は僕の職場へ新卒で配属された新人だった。半年間の外部研修を経て、僕達のチームへやってきた。元々成績優秀、外部研修でも他の新人と比べ

          【小説】恋愛first strike

          【小説】勿忘草の指輪

          【勿忘草の指輪】 お題:『もう一度好きになって』 https://shindanmaker.com/392860 「あの!」  仕事からの帰り。街を歩いていると突然腕を掴まれ、振り返ると見知らぬ女性がいた。走ってきたのか息遣いは荒く、普段なら綺麗に整っていそうな長い髪はボサボサに乱れている。彼女のただならぬ雰囲気に、すれ違う人々がチラチラと視線を送りながら去って行く。俺の右腕を掴む彼女の腕と顔を交互に見遣る。 「え、その。どちら様ですか」  俺が訝しげな視線を向けると、彼女

          【小説】勿忘草の指輪

          【小説】家族間ディベート

          【家族間ディベート】 お題:『正論はいつだって人を傷つける』 https://shindanmaker.com/392860  向かい合って座ってどれだけ経っただろう。何も語ろうとしない両親。親父は黙って腕を組んで何かを考えているようだし、母さんはそんな親父を横目で見て、時折俺へ何か言うように目で訴えてくる。  俺は何も言わない。そもそも、夕飯を食べ終えた俺へ「ちょっと座れ」とその場へ居直るように仕向けたのは親父だった。まあ大体、親父が何を言いたいのか理解していたけれど。

          【小説】家族間ディベート

          【小説】primary preparation

          【primary preparation】 お題:『プライドが許してくれない』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】friendly frenzyの続きです https://note.com/friends17/n/n90016403dc9d  どうしてこんな事になった。いや、どうしたもこうしたも無いのだが。これも全部、同期生にスマートフォンの画面を見られたせいだ。ああ、いいや、元を正せば自分の落ち度ではあるのだが。  とにかく、同期

          【小説】primary preparation

          【小説】happily ever after

          【happily ever after】 お題:『祝われる私より、祝ってくれる貴方が嬉しそうだから』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】Crucible of Worldsシリーズの続きです https://note.com/friends17/m/m35d4f1525362 「俺が、貴方を幸せにしたい」  そう言うと、彼が言葉に詰まるように息を呑むのが分かった。受話器越しでも、彼の今まで見た事のないような動揺と困惑、躊躇いめいたも

          【小説】happily ever after

          【小説】The answer is

          【The answer is】 お題:『僕が、君を幸せにしたい』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】Crucible of Worldsシリーズの続きです https://note.com/friends17/m/m35d4f1525362  君は、俺の事をどう思っているの。  沈黙。受話器越しに聞こえる彼の吐息が少し荒く感じる。  散々聞いた言葉。散々受け入れた感情。それなのに、俺は彼へ聞いてしまった。  彼は、俺の目が君へ向かう

          【小説】The answer is

          【小説】Never end remember me

          【Never end remember me】 お題:『愛なんて綺麗なものじゃない』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】Crucible of Worldsシリーズの続きです https://note.com/friends17/m/m35d4f1525362 「——……」  今朝も目覚ましより早く目が覚めた。スマートフォンで時間を確認する気にもなれない。どうせ寝付いてから数時間しか経っていないだろうから。  あの日、夜明けには遠く

          【小説】Never end remember me

          【小説】save you

          【save you】 お題:『生きている理由なんて、そんな』 https://shindanmaker.com/392860  鉄の味がする。  殴られた頬が痛い。口の中を切ったのだろう。じわりと不快な味が舌をざらつかせる。男は忌々しい顔をして俺を見下ろしてから、ふんと鼻を鳴らして自室へ戻っていった。投げ捨てられた鞄と荒らされた居間を見て、俺は溜め息を吐いた。  熱を帯びて痛む頬を押さえながら立ち上がる。腕や腹を蹴られたが、取り敢えず身体は動くようだ。よろよろと居間を出て、

          【小説】save you

          【小説】quick silver

          【quick silver】 お題:『その口で何人の女を口説いたの?』 https://shindanmaker.com/392860 「本日のご予定ですが——」  秘書が私の今日の予定をつらつらと読み上げる。ある程度頭に入っているのでただの儀式でしかないが、それが彼の仕事なので咎める事はしない。一般的な始業時間に合わせて行動している為、私の朝は意外と早い。少し眠気の残る時間に聞いても、彼の声は落ち着いていて心地良い。 「——以上です」 「ありがとう」  彼が言い終わるのを

          【小説】quick silver

          【小説】遠矢射るひと

          【遠矢射るひと】 お題:『この世界で二人きりになれたらいいのにね』 https://shindanmaker.com/392860  だん、と的を射る音。弓を構えて、遥か先の的を見据える彼の顔は真剣そのものだ。私はその横で、彼の顔と放たれた矢の先を交互に見ていた。  全国大会まであと少し。練習の時間が惜しいと彼に誘われて、早起きして朝練前に弓道場へ来ていた。正直眠いけれど、仕方ない。  私達の通う高校は部活動が盛んで、特に弓道部は強豪として知られていた。私も一生懸命勉強して

          【小説】遠矢射るひと

          【小説】アトロポスの鋏

          【アトロポスの鋏】 お題:『絡んだ糸は解けてしまった』 https://shindanmaker.com/392860  グラスの中でパチパチと炭酸が弾ける。窓辺の席を通して貰って、ぼんやりと窓の外を眺めていた。陽の落ちた街に煌めく人々の営み。電飾が自身を誇示するように、うるさいくらいにギラギラと輝いている。  つ、とグラスを指でなぞる。その手に店内の優しい明かりが落とされ、薬指に嵌めている指輪がキラリと瞬いて私の目を奪う。  彼に貰った指輪。私を大好きだと言ってくれた。こ

          【小説】アトロポスの鋏

          【小説】レディ・レディ

          【レディ・レディ】 お題:『女の子のこと知らな過ぎるのあなた、』 https://shindanmaker.com/392860 ※【小説】パープルスモークの続きです。 https://note.com/friends17/n/n2f9efa27de5d  コツコツと踵が廊下を打つ音が響く。俺は宛てもなく——正確に言うと、明確な理由はあった——研究所の中を歩き回っていた。すれ違う所員達は皆笑顔で挨拶をしてくれる。それが例え建前であったとしても、悪い気はしなかった。まあ、彼

          【小説】レディ・レディ