一度はすれ違いで中途解約の危機も 持ち前の「素直さ」で老舗海運企業と強い信頼で結ばれる〜エッセンス株式会社 中谷香織さん
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一度はすれ違いで中途解約の危機も 持ち前の「素直さ」で老舗海運企業と強い信頼で結ばれる〜エッセンス株式会社 中谷香織さん

フリパラ(フリーランス協会公式note)

フリーランスとフリーランスを活用する企業のさらなる成長や活躍を目指し、今年も開催される「フリーランスパートナーシップアワード2021」。

本記事は、エージェント部門1次審査を通過したファイナリスト、エッセンス株式会社の中谷香織さんの事例をご紹介します。

中谷さんは、顧客企業の経営者や担当者の想いに真摯に寄り添って本質的な課題を探る姿勢や、担当者と一丸となって経営陣とフリーランス人材の信頼関係構築に貢献したことが評価されました。

今回は、人材の受け入れ先企業である協同海運株式会社の鍋島愛さんにも同席いただき、副業・兼業人材を取り入れ事業を推進していく上で抱いた感想や、実際に得られた効果などを伺いしました。

最後に、投票フォームもありますので、取り組みへの共感や参考になった場合は投票をお願いします。

ビジネスマッチング成功の鍵は、お互いが興味を持ち理解し合うこと

—— まずは御社の事業内容を教えてください。

中谷さん:ハイクラスのフリーランス・副業人材を企業の経営課題解決のためにマッチングするプロパートナーズサービスを展開しています。おかげ様で現在1000社以上の導入実績、登録プロも2000名を越え、平均半年での契約の継続率も約8割となっております。

他にも、人材紹介のリクルーティング事業や越境型の研修サービスである他社留学事業、プロボノプログラム事業などを展開し、「プロボノ・業務委託・転職」といった3つの選択肢を総合して提供する取り組みも開始しています。

エッセンスの皆様

中谷さん(前列左から2番目)とエッセンスの皆さん

—— 御社の数ある導入事例の中でも、今回は中谷さんが担当された協同海運様の事例でアワードにエントリーいただきました。最初はどういった形でプロジェクトがスタートしたのでしょうか?

中谷さん:まずは三重県の産業支援センター経由で協同海運様をご紹介いただいたところからスタートしました。その後、担当者である鍋島さんとお話しして、会社がボトルネックに感じているところ、本当に実現したいことなどをヒアリングさせていただきました。この時点では『新規事業を検討されている』という点のみが決まっている状況だったため、まずは広い範囲で新規事業の可能性を探っていただくために、実際に複数のプロ人材とお会いいただくのが良いのではないかと考えました。

—— 本日は、協同海運の鍋島さんにもご同席いただいているので、御社の紹介と、副業・兼業人材を活用しようと考えた背景について聞いてもよろしいでしょうか。

鍋島さん:弊社は、昭和37年の設立(創業は昭和26年)以来、内航海運を中心にした海上運送業を展開しております。最近では船舶からのCO2排出削減対策として「LNG燃料 内航貨物船」を建造、就航するなど、時代のニーズに合せた事業展開と地域社会への貢献などを目標にしている企業です。

協同海運

協同海運は昭和26年創業で、四日市を拠点とする海上運送業の老舗

外部のプロ人材の活用については、当初そこまで前向きに考えていたわけではありません。既存事業の先細りが予見されていた中で、今後20〜30年先に根幹事業となりうる新規事業を開発、検討していきたいとの課題を抱えていながらも、自社内から出るアイディアだけでは限界があって……。正直に言うと、何から手を付けていいかわからない状態の中、三重県の産業支援センターから副業・兼業人材活用の提案を受けたことが、エッセンスの中谷さんとの出会いにつながりました。

—— 中谷さんに副業・兼業人材の紹介を依頼することになった動機についても教えてください。

鍋島さん:第三者の意見を聞くことが何かのきっかけになるのではと思っていたので、実はエッセンスさん以外にも10社近い会社と面談させていただきました。様々な世代や環境の違う方と話をするだけでも視点がだいぶ変わったのですが、最終的には中谷さんの一生懸命な姿勢に心を打たれたことがエッセンスと契約するきっかけになりました。

—— 中谷さんのどういった姿勢に心が打たれたのでしょうか?

鍋島さん:私たちの会社のことを深く知ろうとする努力が中谷さんからは伝わってきたのです。業界や弊社について事前によく勉強して頂いたことが伝わりながらも、決めつけがなく、しっかりと話を聞いていただいたので、その姿勢を見れば、この人は信頼できるとわかったのです。

—— 中谷さんご自身は何か意識されていましたか?

中谷さん:エッセンスは業界問わず幅広いお客様とお付き合いがあるので、業界知識や土地勘が浅くても、そこを理解することに一番時間を使っています。とは言え、対象分野に一番詳しいのはお客様ご自身なので、わかったふりをせず、わからないことは素直に教えていただくことを大切にしています。何かひとつのことを成し遂げるにはお互いが興味を持ち、理解し合うことがとても重要なのです。

プロジェクト開始3ヵ月目で中途解約の危機

—— 具体的にはどういった形で副業・兼業人材とのマッチングが成立したのでしょうか?

中谷さん:当社より、官民連携の共創型新規事業の立案実行に長けたプロ人材の橋本裕之さんを推薦し、2020年9月に面談していただきました。面談時には橋本さんの方から、大手船舶メーカー、自治体、大学などと連携して橋本さんが当時進行していた案件と、協同海運様の案件を接続してプロジェクト化して進めることが可能であるとの提案をしていただきました。

鍋島さん:弊社の約60年の歴史を振り返っても、今まで社外の方と関わる事業はありませんでした。そのため、最初はちょっと構えてしまいましたが、会社のことを理解してくれた上で、それまでの社内では出てこなかったアイディアを提案をしていていただき、すぐに気に入りました。

海運業界は多くの課題を抱えています。実は社長の西村も外部から入社し、5年前に代表に就任した人なので、ずっと着手しようと思いながら手付かずであったことが、社外の方の力を借りてできるかもしれないという手応えを感じられたのも良かったですね。

橋本さん、西村社長、松田様

左から、橋本さん、協同海運の西村社長、ドローン点検事業部の松田様

—— 会社としても初めての取り組みだったのですね。慣れないこともあったかと思いますが、実際に副業・兼業人材を活用してみていかがでしたか?

鍋島さん:当初5ヵ月間の契約を締結していましたが、実は3ヵ月目辺りに中途解約をしたいと相談させていただいたことがありました。一般的な研究開発は、営業などとは違って時間がかかります。すぐに結果が出るものではないとわかっていても、顧問料も決して安い金額ではないので、このままでは社内の理解を得るのが難しいと感じたからです。

中谷さん:私としても、プロ人材を通じて新規事業を立ち上げて推進してきたこれまでの経験からして、先方社内への説明を尽くせていなかったかもしれないという反省があり、すぐに三者間の話し合いの場を設定しました。

すると、橋本さんも、水面下では協同海運のためにいろいろと動いていながら、ご自身がそれをあまりに当然のことと認識されていたため、鍋島さんへの細かい活動報告や情報共有ができていなかったことがわかりました。

鍋島さん:橋本さんの方にとってはわざわざアピールするほどではない動きだったことも、実際は弊社のためにかなり動いていたことも話し合ってからわかりました。その前は、私にも遠慮があり、外部のプロにどこまでお願いしたり聞いたりしていいかがわからず、些細なことで連絡を取るのを躊躇してしまっていたので……。

中谷さん:実際に三者で話し合って認識の齟齬を解消し、その後橋本さん側、企業側とも個別に話を尽くして、全員納得した形で当初の契約満了、さらには契約更新に至りました。

鍋島さん:コロナ禍でプロジェクトを進行したため、対面のコミュニケーションが難しい部分がありました。そのため、最初は「こんなことで連絡していいのかな」と迷っていたのですが、今は疑問に思ったら何でもすぐ相談するようにしています。とはいえ、すでに信頼関係が構築できているので、今ではそんなに密に連絡を取らなくても安心してお任せできています。ここ最近も10日間くらい連絡取ってないですね。時間が経って進むべき方向が見え始めたのも大きかったです。

外部のプロフェッショナルだからこそ築けた人脈や、自社の強みの発見

—— 中谷さんはコーディネーターとして、どういったことを意識されたのでしょうか?

中谷さん:「新規事業を立ち上げ、推進する」という目標は双方で認識していただいていたので、私は都度原点に立ち返り、コミュニケーションが円滑に進むよう心がけて本プロジェクトに介在しました。

プロジェクトは現在も継続中であり、自治体や大学とも出張・リモートでの打ち合わせを重ねて進めています。協同海運様は、次世代の根幹となりうる新規事業を育てていくというご意向の他に、地元の活性化も望まれており、本プロジェクトが順調に進んでいけば街を巻き込んでの発展が大いに期待できると思っています。西村社長の三重県の町おこしをしたいという想いも叶えられそうで、今後が楽しみです。

西村社長

三重県の町おこしをしたいという夢を持つ西村社長

鍋島さん:ご紹介いただいた橋本さんがいなければ築けなかった人脈(国の研究機関、大学、大手企業など)ができ、コラボレーションを開始したことで、私たちが目指すべき目標がはっきりと定まったのはとても大きな成果です。実は、相談する前は今の既存事業とは全く異なる新規事業を立ち上げるアイディアもありました。しかし、最初のZoom面談で、橋本さんから弊社の強みを分析した上で、既存事業をこうやって伸ばしていくべきだという具体的な提案をいただいたのです。自社の強みや良いところを、第三者的に見つけていただいて原点回帰できたのは嬉しかったですね。橋本さんと会うまでは中の人たちばかりで話し合って迷走していたところもあったので、それだけでもとても感謝しています。

中谷さん:そうおっしゃっていただいて嬉しいです。

鍋島さん:そういえば、その最初の面談後に、社長の西村が橋本さんと意気投合していたので、中谷さんと「お見合い大成功って感じですね」と盛り上がったんです。私の立場で中谷さんと一緒に盛り上がるのは不思議かもしれませんが、その、すごく嬉しい気持ちが今も忘れられません。

—— その時点ですでに、鍋島さんと中谷さんは信頼関係で結ばれ、同じ方向を向いたチームになっていたんですね。

中谷さん:私もお客様企業の課題の本質を追求し、最適な人材を提案するように心がけてきたので、橋本さんをご紹介できて良かったです。特に地方においては副業・兼業人材の活用経験のない企業も多く、ともすれば人材派遣サービスと間違われることも少なくありません。まずは外部人材の活用可能性を知っていただくためにも、ざっくりとでも要望を投げていただき、一緒に解決策を模索するお手伝いができたら嬉しいなと思って行動しています。

鍋島さん:弊社にとっては初めての副業・兼業人材の活用でしたが、中谷さんのおかげで無限の可能性を感じることができました。

中谷さん:ありがとうございます。エッセンスのミッションは「新しい仕事文化をつくる」ですが、私自身、企業様が漠然と感じている外部人材への懸念を少しでも払拭し、プロフェッショナル活用の有用性を感じていただけるよう尽くしていきたいと思っています。

—— まさに今までにない仕事文化を作ったエピソードでしたね。本日は素敵なお話をありがとうございました。

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この取り組みに共感いただけた、参考になったという方は、他の「フリーランスパートナーシップアワード2021」ファイナリストの記事もご覧ください。そして、ぜひ大賞決定の投票もお願いします!

■フリーランスパートナーシップアワードとは
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が、フリーランスおよびフリーランス活用企業の更なる成長・活躍と、マッチングサービス業界の健全な発展を目的に開催しています。
5万4千人を超えるフリーランス協会会員・フォロワーに、未来に繋がる良い事例をWEB投票で選んでいただき、最も得票数の多かったファイナリストをアワード対象者として表彰します!
最終結果発表・授賞式は、11月1日(月)18:00-19:00にオンライン配信。ファイナリストが勢ぞろいするトークセッションもお届けしますので、ぜひご視聴ください!
▽活用企業部門:雇用形態や勤務場所にとらわれずに多様な人材をチームの一員として招き入れることで事業成長に導いた企業
▽エージェント部門(個人):フリーランスのチカラが最大限に活かせる環境を見出し、マッチングを支援したマッチング企業の担当者
※投票は1人につき1票となります。

▽活用企業部門 ファイナリスト一覧
・株式会社アナムネ
 https://note.com/frepara/n/ndaef15e81b18
・神戸市
 https://note.com/frepara/n/n81ea6ee0ac11
・山川醸造株式会社
 https://note.com/frepara/n/n18a59c03e0a8

▽エージェント部門(個人) ファイナリスト一覧
・中西亮太さん(株式会社サーキュレーション)
 https://note.com/frepara/n/n8acb89736bc9
・光宗拓哉さん(レバテック株式会社)
 https://note.com/frepara/n/n394091fc7120


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一般会員9,200人&フォロワー59,000人の一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の公式note「フリパラ」です。フリーランスやパラレルワーカーが明るい未来を描けるような情報を発信します。https://www.freelance-jp.org/