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引っ越しの前?後ろ?私が先?娘が先?手続きはタイミングがすべてです~連載「母子移住のススメ」第2回~

フリーライターの私が、東京から地方への移住にまつわるあれこれを綴る本コラム、今回は「フリーランサーが母子移住」というシチュエーションで必要だった諸手続きについてご紹介します。

<前回までの流れ>

母子移住に伴う転出や転入の手続き

うちの場合、夫は東京に残り、私と子どもが長野県の佐久穂町に移るという形での移住をしましたので、私と子どもが住民票を移しました。

・どんな手続きが必要?

「住民票を移す」には、以下の手続きが必要です。

1.その時住んでいる自治体の窓口に行って「住民異動届」を出す
→その場で「転出証明書」を交付してもらう
2.転居先の自治体の窓口に1の「転出証明書」を持っていき、「転入届」を出す

その他、マイナンバーカードの継続利用手続きや児童手当受給の手続きなど、その人の状況によって必要となる手続きがあります。また、手続きのために本人確認書類や印鑑が必要なこともあります。

これらは自治体のウェブサイトにも説明がありますし、窓口に行って聞けば確実です(私がいた町田市の場合、必要な手続きがリスト化された資料がありました。そして、「お子さんがいるあなたの場合は、これとこれ。国民健康保険に入っているならこの手続きも…」といった感じで親切に教えてくれました)。

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*町田市役所でもらった資料

・タイミングは?

私は移住先の住まいとして中古物件を購入することにしました。その際不動産屋さんからは、「契約の日までに住民票を移しておいた方が良い」と言われました。旧住所で不動産登記をすると、あとで住所変更の手続きが発生してしまうためです。

契約は引っ越しをする3ヵ月ほど前の12月に行いました。そのタイミングで住民票を移すと、しばらくは「佐久穂町民」でありながら東京に住んでいるという状態になります。

このときに懸念したのが子どもの保育園のことです。町田市の認可保育園だったので、私が町田市民でなくなることで在園資格がなくなったら困るな、と思ったのです。

そこで市役所に電話して事情を話したところ、「お母さんだけ住所を移し、お子さんがそのままなら大丈夫です。卒園までいられますよ」とのことでした。そんなわけで、私だけ先に住民票を移し、子どもは引っ越しのタイミングで手続きすることにしました。

・住民票を移さないという選択はあり?

「私たちの本拠地はあくまで元の家。母子移住は短期の予定でいずれは元の家に戻る」といったケースだと、住民票を移さないという選択もあるかもしれません。

ですが、小学生となった子どもと移住してみると、その時に生活している場所に住民票があった方が良いと感じることが多いです。

例えば図書館のような公共の場所は、一般的には住民でなければ利用できません。地域での行事やその広報なども、住民でなければ対象外となり、せっかく移住してもその土地の魅力を十分味わえない可能性があります。

また、地域のコミュニティとのつながりやすさも変わってきます。

私の場合、移住先の家を探す時点から町役場の方にお世話になり、引っ越しの際も、役場の方が町内会長さんと引き合わせてくださいました。都会では自治体の職員さんがそこまでやってくれるというイメージがないですが、小さな町だととても親身になってくれたりします。そういう意味でもきちんと転入手続きをするのはメリットがあると思います。

個人事業主として必要な手続き

フリーランサーとして仕事するに当たり。自宅を「事務所」として個人事業の開業届を出している場合、住所変更の手続きが必要です。

国税庁の案内では、

【個人事業の開廃業等届出書】
事業の廃止又は事務所等を移転した日から1か月以内
【所得税(消費税)の納税地の異動又は変更に関する届出書】
納税地の異動があった後、遅滞なく

という提出期限が記載されています。(参考:個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係|国税庁

どちらも、異動・変更前の納税地の所轄税務署長に提出します。移住前の税務署まで遠くて行けないという場合、郵送でもOKです。

実は私、この手続きを引越し後何ヶ月も放置してしまいました……。引っ越してすぐに緊急事態宣言が発令されたことや、小学校がしばらくオンライン授業のみで子どもがずっと家にいたことなどから「税務署に行くの、もう少し落ち着いてからにしよう」と自分に言い訳。そうしたら、その後もズルズルと先延ばししてしまったのです。

手続きが遅くなったからといって何か罰則があるわけではないのですが、事務所の場所を変えると確定申告をして納税する税務署も変わります。そのため、年末に近い時期に引っ越するときは、確定申告を旧住所でしてから異動の届けを出すのか、届けを出して新住所で確定申告するのか考えてから、手続きに着手した方が良いと思います。

おさえておきたいその他の手続き

移住後の生活、仕事で困らないためにやっておきたい手続きがほかにもあります。

・郵便の転送手続き

自分や子ども宛の郵便物が新住所に転送されるように、郵便局に転居届を出しておきましょう。

転居届けを忘れた場合、元の家に誰も住んでいないか他人が住んでいれば、旧住所宛の郵便物は「あて所に尋ねあたりません」というスタンプが押されて返送され、送り主に「転居したんだな」と気づいてもらえます。

ところが、母子移住で元の家に夫が残る場合、自分や子ども宛の郵便物も元の家に届けられ続けます。それを夫に持ってきてもらったり送ってもらったりするのにタイムラグが生じますし、下手をすると他の郵便物に紛れて気づかれないまま……という危険があります。

郵便局には「e転居」というサービスがあり、ネット上で転居届を出せます。そこで転居する人の氏名や転送開始希望日、旧住所にそのまま住み続ける人の有無・人数などを入力すれば簡単に手続きできます。受付が完了してから転送が開始されるまでに一週間程度かかる場合があるとのことなので、早めに登録しておくことをおすすめします。

・取引先への住所変更連絡

フリーライターとして仕事をしていると、特に自宅や事務所の住所を伝えなくても仕事が成り立つことが多いのですが、取引先にも住所変更のお知らせを忘れずに。

特に年末から翌年3月頃までは支払調書が送られてきますので、その前にお伝えしておくと良いでしょう。

・利用している銀行の支店やATMがあるかチェック。必要なら地方銀行の口座開設

移住前に確認しておきたいのが、普段利用している銀行の支店やATMが移住先にあるかどうかです。

都会に住んでいると盲点になりがちですが、地方に行くとメガバンクと言われる都市銀行の支店やATMが身近にないことも。私は移住後にそのことに気づき、今も不便を感じています。

インターネットバンキングで多くのことができますが、現金の引き出しを頻繁にする場合は他行ATMからになるので手数料がかさみます。支店に行って手続きすることがある場合などは特に、移住前に他の口座にお金を移すなどの対処をしておいた方が良いです。

また、移住後で構いませんが、地元の地方銀行の口座を作ることも検討した方が良いかもしれません。というのも、自治体に納める税金や公共料金の引き落としなどは、地元の地方銀行の口座でしかできない場合があります。うちはプロパンガスや灯油を地元の業者さんに配達してもらいますが、その料金の振込先も地元の地方銀行の口座です。私は振り込みの手間や手数料を削減するために、その銀行の口座を開設しました。

以上、母子移住の場合の自治体への届け出や、フリーランサーとしての仕事を滞らせないためにやっておいた方が良いことをお伝えしました。次回は地方移住にあたっての住まい探しについて、自分の経験をお伝えしたいと思います。

やつづかえり
コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年に組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン『My Desk and Team』開始。『くらしと仕事』編集長(2016〜2018.3)。Yahoo!ニュース(個人)オーサー。各種Webメディアで働き方、組織、ICT、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)。

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