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企業の生死に関わるプロジェクトでプロ人材をアサイン。4期連続の赤字計上後、わずか1年で7000万円の黒字化を実現しV字回復に貢献:株式会社サーキュレーション 石戸美香さん

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フリーランスとフリーランスを活用する企業のさらなる成長や活躍を目指し、今年も開催される「フリーランスパートナーシップアワード2020」。

今回は、4期連続赤字で存続の危機にあったスタジオアルタ社長の想いに応えて、再生戦略の実現に最適な人材を見つけ出し、一度は断られながらも諦めずに人材を説得してアサインし、見事なV字回復に貢献した株式会社サーキュレーション・石戸美香さんをご紹介します。

最後に、投票フォームもありますので、取り組みへの共感や参考になった場合は投票をお願いします。

■フリーランスパートナーシップアワードとは
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会主催。エントリーは、「活用企業部門」と「エージェント/コーディネーター部門(個人)」に分かれています。10月12日(月)~10月30日(金)のWeb投票期間を経て、アワード受賞者が決まります。
活用企業部門:雇用形態や勤務場所にとらわれずに多様な人材をチームの一員として招き入れることで事業成長に導いた企業
エージェント/コーディネーター部門(個人):フリーランスのチカラが最大限に活かせる環境を見出しマッチングを支援した企業と、その担当者

職能に加え、仕事の進め方や価値観でも企業とプロ人材をマッチング

2020年2月Kickoff_MTG

――まずはサーキュレーションの事業内容を教えてください。

「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」というビジョンのもと、外部プロ人材(注1)の経験・知見を複数の企業で活用するプロシェアリング(注2)サービスを運営しています。高い専門性を有するプロ人材の経験・知見をプロジェクトベースで活用していただくことで、 企業の抱える課題の解決、ミッションの達成を支援するサービスです。

※注1:プロフェッショナル人材のこと。新商品や新サービスの企画・開発、販路開拓、生産性向上などの取組を通じて企業の成長を具現化することのできる人材を指す。
※注2:外部のプロの経験・知見を複数の企業でシェアし、経営課題を解決する新しい人材活用モデルのこと。

1万5000名以上のプロ人材のリソースから、企業の経営課題・業界・成長フェーズ・社風・経営における理念・思想を鑑み、企業に最適なプロ人材を選出、課題解決に向けてプロジェクトチームを組成します。登録している20代から70代のプロ人材は、対面でのインタビュー(及び電話やskype)を実施し、独自の人材アセスメントにより、スキル・経験・志向性・人物について適正な評価・知見を蓄積しています。2014年設立以来、導入実績は 約2200社/7000プロジェクトを数えます。(2020年7月1日時点)

――外部のプロ人材とプロジェクトを推進するにあたり、どのような工夫をされているのでしょうか。

マッチングサービスと理解されることが多い当社のサービスですが、私たちはサービスの目的を「顧客の事業成功」と位置付けています。プロ人材のデータベースや、プロジェクト組成の仕組みの磨き込みを日々行い、高い確率でプロジェクトが成功する仕組みを構築しています。

具体的には、データベースについては、稼働していただいたプロ人材に対する評価を行い、データを蓄積して人選に活用しています。評価軸は再現性を重視しており、定量・定性に分けて当社独自で設定しています。プロジェクト組成の仕組みについては「プロジェクト要件定義書」を当社にて作成しています。プロジェクトの目的やゴールを明文化することで、関係者間での合意形成に役立てています。成果にこだわる仕組みづくりに日々試行錯誤しているところです。

――プロジェクトの成功に向けて仕組みをいろいろと構築されているのですね。

はい。私個人として心がけていることは、1つ目は人選の工夫です。経営課題とプロ人材の職能のマッチングに加えて、企業とプロ人材間の仕事の進め方や価値観に関して、大きなズレがないかを念頭に置いてマッチングしています。
2つ目はプロジェクト推進中の取り組みです。マイルストーンの節目にはレビューミーティングを実施しています。プロジェクトには計画変更が付きものなので、関係者間での定期的な合意形成を丁寧に進め、プロジェクト成功に向けた伴走を心掛けています。

4期連続赤字。経営再生を諦めず、プロ人材をアサイン

――今まで石戸さんが手掛けたマッチングで印象的な事例はありますか?

長きに渡りお茶の間を楽しませてくれた国民的番組「笑っていいとも!」のスタジオを運営していた株式会社スタジオアルタ様の事例をご紹介します。

放送終了に伴い、主力事業である広告事業の売上が縮小。一念発起した新規事業では15億円を超える投資しましたが大失敗。直後、新任社長となった嶋田さんに出会いました。嶋田社長は着任当初、上述の会社の状況を見て、親会社である三越伊勢丹ホールディングスからは「会社を精算する役割を期待されているんだろう」とも思ったそうです。

しかし、嶋田社長は事業再生を諦めず、当社へ相談してくださいました。「お金もない、人もいない、知見もない。そんな状況だが支援をいただけないか?」と、胸のうちをお話いただいたエピソードは忘れもしません。

――まさに企業が窮地に立たされている際に、御社が相談を受けたのですね。

はい。企業の生死に関わる経営テーマへのご提案に、私自身が覚悟を決めて、いつにも増して緊張感のあるプロジェクト設計と人選に着手しました。

実は、最終的にご依頼したプロ人材の方から、当初は一度お断りを受けました。ですが、その方以外にプロジェクトを成功に導ける方がいないと判断をし、企業への提案書と共に再度依頼しました。直後に支援を快諾いただいたことは今でも良い思い出です。

――プロ人材とのマッチングができてから、プロジェクトはどうなりましたか?

「笑っていいとも!」終了後から4期連続の赤字を計上し、17年にはその金額は約7億2000万円にも上っていました。しかし、プロ人材とのマッチングができたこともあり、嶋田社長就任からわずか1年で7000万円の黒字を計上。当社もそのV字回復に大きく貢献することができました。

「プロシェアリング」をビジネスのインフラとして成長させたい

コーポートサイトTOP

――プロ人材が、御社のチームの一員として活躍してもらうためにした工夫ことはありますか?

当社でプロジェクトの要件定義書を作成しました。定例ミーティング各回のアジェンダ設計を行い、軌道修正及び企業とプロ人材間のコミュニケーションサポートという形でご支援させていただきました。

また、企業やプロ人材へのマインド醸成も意識している点です。特に企業には、プロ人材任せでは会社は変わらないこと、社長やプロジェクトメンバー自身が強いオーナーシップを持ち、本気で考え、手を動かし、取り組んで欲しいことを伝えていました。

顧客の事業成功にフォーカスする、という私たちのサービスコンセプトを体現できたことが、成功につながったポイントだと考えています。

――最後に、フリーランス・副業社員マッチング領域で活動する上で、今後のビジョンを教えてください。

「プロシェアリング」をビジネスのインフラとして成長させていきたいと考えています。マッチングだけではなく、活躍していただくフリーランスの方々、サービスをご利用いただく企業の成功や成長に繋がるサービスが提供できるように、当社では2019年11月からカスタマーサクセス部門を新設しました。プロジェクトマネジメントサポートや、データの蓄積・活用でプロジェクトの成功率向上に向けた仕組みの構築に全社で取り組んでいます。

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フリーランスパートナーシップアワード2020ファイナリストについての情報や紹介記事は下記をご覧ください。
https://blog.freelance-jp.org/20201012-10731/(10月12日記事公開予定)


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