人柄


#ビジネスの出会い



腰が低く過ぎてどこか頼りない、メーカーの営業さん。
年齢は自分より3つ上の50歳。肩書は係長。

 今回転勤が決まりました、お世話になりましたと、 挨拶にきてくれた。
8年間近くウチの担当で、その人の愚直な姿に 胸打たれる光景が何度もあった。 大量にある重い資材を、冬の凍てつくような雨の中にも関わらず、職人さんと運搬車から現場に運び入れる姿。
雨を滴らせながら白のYシャツやパンツは汚れ、革靴は泥にまみれていた。 胸が熱くなり、魂が揺さぶられるような情景が何回もあった。

 先月、残念なことに奥様が突然亡くなられ、 中学3年生と1年生の女の子二人を連れて、 その方の実家方面の職場に転勤依頼を出したという。 髪の毛は全部白髪になっており、相当なショックと苦労が垣間見えた。
二人分のお弁当を作るために4時半起きなんですよ。
でもどんどん要領よくなって今では5時起きになりました。
半端なく苦しいはずなのに、ニコニコと笑いながら話す姿に僕は涙を必死で堪えた。

 ビジネス繋がりとは言えこれほどまで心に残るヒトもそうそういない
。いつも腰が低くて、何をするにでも小走りでどこか頼りないその方の姿は、僕の中でいつの間にか尊敬する先輩へと変わっていた。

 真面目に。愚直に。そして謙虚に。いつも前向きに。
K山さん、あなたにはまさに背中で教えてもらいました。
教わった事を大切にして自分の人生の糧にします。
お世話になりました。 本当にありがとうございました。
いつまでもお元気で。


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