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投資の技術 ウォール街のランダム・ウォーカー第8~11章

この章では、投資のテクノロジーについて述べています。
特に、分散投資「β」という指標、行動ファイナンスと効率的市場理論についての重要性を示しています。

1,分散投資

分散投資が賢明な投資であることを数学的に証明したものを現代ポートフォリオ理論といいます。
この理論では、分散する株の相関関係が低くなるほど分散投資によるリスクが減るというものです。特に、逆相関のある商品に分散投資することでリスクを大幅に減らすことが出来るというものです。
個別銘柄を買う時には、多くの種類の銘柄を買ったほうがよく、50~60銘柄以上を買うと分散によりリスクを最も減らすことが出来ます
さらに、投資する国も分散したほうがリスクが減ることが分かっています。アメリカ、ヨーロッパ、日本などの先進国とそのほかの発展途上国は、株価の値動きの仕方が異なるので、先進国の株と発展途上国の株を両方持つことでリスクを減らすことが出来ます。

2,「β」

βとは、株式のリスクを表す指標の一つと考えられています。
市場平均を1として、市場平均が変化するときにどのくらい株価が変化するかを表した指標です。例えば、βが2の株は市場平均が10%上昇した時に株価が20%上昇する株のことを指します。
すなわち、βが大きいほど株価の変化率が大きく、βが小さいほど株価の変化率が小さいのです。
過去には、βが大きいほどハイリスク・ハイリターンで、βが小さいほどローリスク・ローリターンだと考えられてきました。
しかし、最近の研究ではβの値と投資の成績には相関関係がないことが分かりました。
ところが、βの値がとても低い時に限っては安定したリターンを得れることが分かりました。そこで、投資家たちは、βの低い株をローリスク・ローリターンの投資として買うか、レバレッジをかけてβの低い株を買うようになっていったのです。

3,行動ファイナンスvs効率的市場理論

行動ファイナンスとは、投資家は決して合理的ではなく群集心理や自信過剰などの非合理的な投資をしてしまうというものです。
行動ファイナンスは、市場は合理的に動くと考えている「効率的市場理論」と常に対比される理論なのです。
本書では、バブルや経済危機の時は、確かに行動ファイナンス理論が示すように非合理的な動きを株式がすると述べています。しかし、長期的には、株価は効率的市場理論が示すように合理的な株価へと収まっていくのではないかと考えています。
すなわち、株価とは、短期的には「行動ファイナンス理論」が示すように非合理的な動きをするが、長期的には「効率的市場理論」で示すようなとても合理的な株価に収まっていくのです。

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