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【書評】『これからの生き方。』北野唯我著/ますます多様化する価値観をMECEで捉えて、ホンネで幸せな生き方をするための本

成島です。(@freeowner171

『これからの生き方。』北野唯我著(世界文化社)を読みました。

期待以上に収穫のある本だったので、noteにしっかり学びをメモしておきます。

北野唯我の天才性

北野唯我さんといえば、1作目『 このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(ダイヤモンド社)で鮮烈なデビューを果たした後、『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』(日本経済新聞出版)『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』(ダイヤモンド社)、『分断を生むエジソン』(講談社)と連続で出版し、ヒット作を連発。

僕が籍を置いている出版社の編集長も「久しぶりに本当に実力があって、ヒット作を安定できるスゴい新人著者が現れた!」とベタ褒めでした。

僕も北野さんについては

●ヒット作を安定して出せるコンテンツ力
●読みやすい文章力
●面白い文章力
●本業の実績
●執筆スピード

全て兼ね備えた出版業界にとって貴重な方だと注目していました。

実は、北野さんのことは一方的に本を出される前から知っていたのですが、それは北野さんが取締役を務める株式会社ワンキャリアをよくウォッチしていたからです。

それは、ワンキャリアの代表である宮下尚之さんには大学時代に大変お世話になったから。宮下さんや北野さんは同じ関西圏の大学の先輩だったので、そのご活躍に親しみと元気をもらっていました。

さて、前置きが長くなりましたが、『これからの生き方。』の内容について触れていきます。

異色の3部構成

まず、この本の圧倒的特徴であり、ユニークなのが本の構成です。

1:漫画編
2:ワーク編
3:独白編

の3編から構成されています。

漫画でよくわかるシリーズなどでは、漫画と解説文を交互に展開していくスタイルが一般的になってきました。

ですが、この本では「独白編」ということで、著者が漫画のキャラクタ一人ひとりにインタビューをしていくというユニークな書き方がされています。

漫画の中に入り込んだように楽しむこともできるし、7人のキャラクターの思考を深堀りできるので、どんな人でもいずれかのキャラクターから生き方のヒントをもらえるでしょう。

ちなみに、後で詳しく書きますが、僕が一番共感し、ヒントをもらったのは意外なキャラクターでした。

14の労働価値は超使えるフレームワーク

次に、濃厚なビジネス書を読んだ後のようにガチで使えるノウハウ満載なのが、「ワーク編」です。

ここでは「14の労働価値 キャラクター別比較」という表が出てくるのですが、この「14の労働価値」自体がめちゃくちゃ使えると考えました。

まず、この労働価値自体が、人が人生で求めていることです。ということは、これを手に入れられるような商品・サービスがあれば、売りやすいということです。

つまり、ベネフィットとして打ち出すべきことが14種類も書かれており、それを相手のタイプに合わせて出し分ければ効果的なメッセージを創り出せるのです。

相手に合わせて出し分けるプロファイル方法は、漫画と組み合わせることで透けて見えてきます。

「◯◯さんは漫画のキャラだと横田編集長っぽいな」とか考えれば、その◯◯さんが求めていることが浮き彫りになってくるというわけです。

僕はマーケターですから、このような活用方法を思い付きましたが、マーケティングだけじゃなくて、マネジメントにも超有用だと思います。

たとえば、僕は仕事柄、中小企業の人事制度、査定基準、働き方改革なども行っています。

仕事に対する価値観が多様化する現代において、この「14の労働価値」は、全体の把握するための地図としてありがたい存在です。

「14の労働価値」をフレームワークとして枠組みに使い、これをベースにパターン化して、新しい人事制度における職種を分類。そして、職種ごとに査定基準を明確化。更に、価値観に合わせた働き方を選択できるように制度設計していくための大きなヒントになりました。

他にも、キャリアの伸ばし方を

●意思型
●スキル型
●チーム型
●バランス型

に分類して解説してくれていたりと、必読のフレームワークが盛りだくさんです。

佐倉愛子と成島拓の意外な共通点

最後に、「独白編」を読んで意外なことが発生しました。

僕は速読&多読なので、メモなど取らずに一気読みすることが多いのですが、読み返したいと感じた本には付箋を貼ります。

この『これからの生き方。』において付箋をたくさん貼ることになったのが、意外な場所でした。

それは、漫画のときは目立たなくてあまり共感もしなかったキャラクター。主人公の後輩であり雑誌のデザイン担当者である佐倉愛子の独白インタビューです。ここにたくさんの付箋を貼ることになりました。

漫画の中ではゆるっとした感じの佐倉愛子は自分と似ていないと感じましたが、心の中で考えていることは自分とそっくり。

例えば、佐倉愛子は「自己肯定感を上げるかどうか」を行動する意思決定の判断基準として大切にしています。

これは僕もエフィカシーが上がるかどうかを大事な基準にしているので、通じるところがあります。

また、「“当たり前”という言葉は使わない、おじさんっぽい」と言う佐倉愛子に、大きく賛同します。僕もほとんど“当たり前”という言葉は使わないですし、「おじさんっぽい」という表現に対して、「まさにそれ!」という感じで頷きました。

そういえば、佐倉愛子が一番キャラクターの中で歳が近いので、そういう世代的な考え方もあるのかもしれません。

最後に、「変わることは好きだけど、変えられることは嫌い」この言葉を自分自身も使っていきたいと思うほど、わかりやすい言葉として紹介したいです。

まさに自分自身もこの感覚なんですよね。

とにかく、自分で考え、試行錯誤して、変わりたい。たとえ、大成功できるとしたても、他人から支配されて強制的に変えられるのは嫌だ。

自由を愛する系の人は共感できるのではないでしょうか。

この価値観に共感すると同時に、私は教育ビジネスをしていますので、気をつけたいと思いました。教育ビジネスは、究極的に言えば、お客様の変身願望を叶えることが価値提供の内容です。

ですが、いくら良かれと思っても、お客様側が自分で変わるという感覚を持たない限り、それは嫌がられてしまう可能性が高いということです。

この気付きを大切にしながら、これからも教育ビジネスを通して、誰かの「変わる」を支援し、そのキッカケになっていこうと思います。

P.S.

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