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なぜアーティストになりたかったのか

絵を描くようになり、気づけば4、5年経ったわけだが、そもそもなんで絵を描くようになったのかを改めて書いていこう思う。

そもそものきっかけは身近な人に趣味で絵を描く人がいたのがきっかけだった。

「ホテルに泊まった時にさ、そのホテルにいい感じのバーがあって、そこに飲みに行ったわけ。そこで酔っ払って『俺アーティストだから』って話したら『壁に書いていいよ』って言われたから喜んで描いたよね。描き終わって支払いをして店を出ようと思ったら『作品の代金として全部無料だよ』って。」


格好いいなー。


これが全ての始まりだった。

その人は専門的な知識もなく、自分の感性で描く人だったがその絵は不思議と人を惹きつけた。その当時はなんでかなんて全くわからなかったけど、とにかく格好よかった。(当時50代後半、実業家でサーファーというと雰囲気が伝わるかもしれない)

少し自分の話をすると、父親は建築士、母親はデザイナーという側から見ると「クリエイティブそうな」家系のように見えなくもない。が、そういったことへの興味が湧くことはなかった。ただ自分の両親が少し特殊なことに優越感があったのも事実だ。

大学卒業後はLouis Vuittonで仕事をすることになったのだが、それもクリエイティブなことが好きとかブランドが好きとかそういった理由ではない。(ここ話すと長いので割愛)

そこでラッキなーことに当時日本で5人しかいない、ある特殊な仕事を担当することになり、製造工場(工場というより歴史ある工房というイメージ)を訪れる機会があった。そこには人の手と最新の機械が共存する不思議な世界だった。当時のデザイナーマークジェイコブスもいたアトリエも見ることができたが、雑然とラフデザインやマテリアルがあるような場所であったが、汚いというイメージはなく、なんとも言えない美しさがあったと思う。

と、何か言いたいかと言うと人生の中にアーティストになりそうなきっかけは以前からあったのにその時には全くそうした気持ちになることはなかったということだ。

アーティストとかクリエイティブな人は自分からは程遠い存在だったのだ。

しかし、アーティストってそう遠くない存在なんだと気付かされ、単純な自分は100均で筆とバケツとパレットを、新宿の世界堂で初めての張りキャンバスを購入し、最初の作品を作りはじめた(下の絵、恥ずかしいので全体像は、、、)。

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なかなか楽しい体験だった。

学生時代の美術で描くのとはだいぶ意味も違った。いわばルールのない何でもありの世界。時間を忘れ思いつくことを全てキャンバスにぶつけた。

気持ちええー。

ここから作品作りに一気に傾倒。でも周りには「絵を描いている」なんて恥ずかしくて絶対言えなかった。密かな趣味だったわけだ。

でも徐々に描くだけでは飽き足らずインスタに作品を投稿し始めた。そこで日本国内外問わずリアクションがあることが嬉しく、さらに作品作りにのめり込んだ。時間があれば30分でも筆をとっていたと思う。(ちなみにスタジオなどないので自宅で制作をしており、家族には多大な迷惑をかけたし、今もかけている)

勢いがつくと止まらないわけで、会う人会う人に作品の話すをするようになった。そうした話をしていく中で出会った人も多くおり、ありがたいことに個展をすることもできた。さらに驚きは作品も売れた(知人が買ってくれたわけだが)。

また誕生日や何かの記念に作品をプレゼントすることも増え、何か新しい「繋がり」を築けたような気がしたこともアート制作の魅力だと思う。

とまぁ他にもエピソードはあるのですが、それは追々お話しするとして、今日のタイトルである「なぜアーティストになりたかったのか」は「なんかかっこいいじゃん!」「誰でもなれるじゃん!」という非常にわかりやすい理由からだったというわけ。

でもそこから今では「アーティストこそが今の世界で必要とされるものだ」とまで思うに至った。(その辺りは次回以降でお話ししたいと思いますー)しかし、西洋美術史から現代アートを学び、アーティストとして生きている人との交流を重ねることでアート業界の抱える課題にも見えてきたのも事実だ。

初回なので、だらっとした感じの文章だったが、アートに関わる考えをお伝えし、アートが身近なものになるお手伝いができればと思う。

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