山口尚

自由意志の哲学

賤吏に甘んずるを

李徴に欠けていたものは何か、とこれまで何度も考えてきた。『山月記』の話である。 或る意味で「落ちぶれた」と言える李徴はたんなる鈍物やたんなる怠け者ではない。ある…

創ることと射止めること——自由のふたつのモデル

いろいろな事情から(詳細を述べる必要はないが)noteにアップロードするための文章を書く時間はないのだが、何かしらの知的活動には不断に取り組みたいものだと思う。過去…

人生の意味の哲学と分析哲学――サディアス・メッツが来日したときの研究会の報告文書

コロナウィルスの影響で大学の新学期の行方が定かではなくなっているが、できる限り学問の灯を消さないように努めたいと考えている。 いささか鬱々とした気分で過去のフォ…

非難と人格――ギネットの非因果説の意義

来たる3月27日(金)に「第2回非難の哲学・倫理学研究会」という少人数かつ(今回は)クローズドの研究会があり、私はそこで発表をすることになった。発表の機会があると文…

アンチ・ホッブズ――トーマス・ピンク『自由意志』(戸田剛文・豊川祥隆・西内亮平訳、岩波書店、2017年)における非因果説

自由意志についてどう考えるか――これは哲学の根本問題のひとつである。トーマス・ピンクの著書『自由意志』(戸田剛文・豊川祥隆・西内亮平訳、岩波書店、2017年)もまた…

読書会と語学とワインの話

先日、ニーチェ研究者の竹内綱史さんから頂いた本の内容を一部紹介したが、ちょうどよい機会なので、私が院生のころに参加していた勉強会のことを書こうと思う。というのも…