3.11

3.11の日、私は都内にあるクライアントのビル17階で働いていた。

地震の衝撃もさることながら、外を見るとお台場が燃えていた。

この世の終わりだと思った。

しかし、それでも人間は、いまどうするかを考えなくてはいけない。

クライアントは我々に構ってる暇はないので選択肢は2つ。

事務所に帰るか家に帰るか。

幸い電話はつながり、事務所にいる先輩の話だと事務所は事務所でカオスだと。帰ってきたところで結局家に帰れない、難民の仲間入りをするだけ。

これは家に帰るしかない。

さあ、家に帰るためには歩くしかない。電車は止まってる。

歩くか。

歩くのか。

うーん。

とりあえずメシを食って体力をつけようということになった。

不謹慎でもなんでもない。

いつ食えなくなるかわからない。食えるうちに食っとかないと大変なことになる。これはワンピースのサンジ編で学んだことだ。

ということで焼肉屋へ。

いや、こんなときでもちょっといいものを、という精神じゃない。焼肉屋しか空いてなかったんだ。

ちなみにこの状況下、値上がりを仕掛けたカラオケ館を僕は忘れない。

忘れないけど、別にいまでも普通に利用はする。

ただ、忘れないだけ。

さあ、焼肉の時間だ。

焼肉屋のテレビではパニックに陥った日本を放送してる。

お店の人のことを考えるとビールも頼んどこう。

たらふく食ったところで、じゃ、そろそろ帰りますか、といって先輩らと解散。

よし、帰るぞ!と思ってふとTwitterを見ると大江戸線復旧のお知らせ。

お、まじか。と思って大江戸線のホームに向かったら復旧したばかりでガラガラ。

銀座線に乗り換え最寄りの駅まで普通に帰宅。

あれ?

プレミアムフライデーばりに早く会社終わって、焼肉食って飲んで、普通に電車で座って帰宅。。。

いや、こんなこと、誰にも言えない。

不謹慎以外の何者でもない。

しかし、そう上手いこといかないのが世の常ってやつです。

深夜2時、スヤスヤ眠る私の家のインターホンが突然鳴る。

だれだ?

恐る恐るモニターを見ると、迷彩のフードを被った男が1人。

え、なになに?だれだれ?

めっちゃ怖い!

その後、その男の影に怯え朝まで眠れず、なんか寝不足という部分だけ帳尻が合うという、なんとも言えない3.11でした。

世界平和を願います。

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