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オンライン配信事業を1年間やってみて買ってよかったもの5選

はじめに

この記事はハイアマチュア〜5人程度の小規模配信事業者向けです。

昨年「カメラ3台、ATEM Mini Pro ISOとPCのみ」という状態から事業をスタートし、現在は年商数千万円まで伸ばしてきました。その中で様々な機材を試し、使ってきましたが、これは買ってよかったなぁと思う機材をご紹介します。

普段多い配信形態は会場にもオンラインにも登壇者がいるカンファレンスのYouTube配信です。

参考になれば。

①LiveTrak L-12/ZOOM

7万円程度で手に入る、コストパフォーマンス最強のデジタルミキサー/マルチトラックレコーダーです。これなしではワンオペでのオンライン/オフライン混在のセミナーは無理だと思うくらい、重宝しています。

いいところ:出力時、Masterの他にモニターでA〜Eのフェーダーモードを設定できること。

各入力が1:会場のマイク、2:BGM、3:Zoomからの音声、だった場合、「会場にはBGMとZoomの音声だけでいいな」とか「Zoomには会場のマイクとBGMを返したい」とか「Masterは録画用にAll mixで出力したい」とかありますよね。これをそれぞれM、A〜Eに割り振って使うことができる。これがL-12の最大の特徴だと思います。

また、PCからの音を出力するときにケーブル経由で音をもらうと電源ノイズに苦しむことが多いと思いますが、L-12はオーディオインターフェースにもなるのでUSBでつないで入力するということも可能です。

同社のL-8との比較ですが、BGMやスライドからの音、Zoomまで考えると、L-8だとちょっと入力が足りなかったりするんで、L-12がちょうどいいです。だいたいマイク6本の現場まで対応可能です。


②V-160HD・V-8HD/Roland

V-160HDは現行100万円以下クラスで最強のスイッチャー(断言)。
そのV-160HDを横に半分にそいでHDMI入出力だけ残したのがV-8HDです。

V-160HDについては、HDMIx8+SDIx8が入るとか、USB Stream OUTを合わせて7出力あるとか、Bluetoothでスイッチャーの設定ができるとか、DSKが2つあるとか、PinPが4つあるとか、そりゃもうスイッチャーとしての能力は最強ですわ。何も言いません。でも、V-160HDとV-8HDで最高なのは

いいところ:シークエンサーでスイッチャーが「Next押すおじさん」になる

これまで、スイッチングってだいたい、シンプルな画面遷移ならその場でPVWに画面出してPGMと入れ替える、とか、複雑なものならメモリに登録して呼び出す、みたいなことをしている方が多いと思います。それが、V-160HDとV-8HD(ファームアップデートが必要)では、スイッチングの順番を覚えさせることによって次はメモリ1、次はHDMI 2をPGMに、みたいな順番をプログラムすることができるわけであります。

詳しくはRoland公式を見てくださいという感じですが、とにかくこれが強力。カメラのそばにフットスイッチをおいておけば、スイッチャーがカメラを操作して話者を抜いた後にフットスイッチでNextを押してその話者を抜く、なんていうことも可能です。

今は需要過多ですが、そのうち需要は落ち着いて価格競争の波がやってきます。そのときに一番高いのは人件費。また、今の需要が多いときにできるだけ案件を取りに行くにはチームをコンパクトにせねばなりません。できるだけ配信をオートメーション化していくことはいずれにしても重要です。

余談:Rolandのファームアップデートがホントにかゆいところに手が届いていい感じ。ユーザースイッチにこんな機能を追加しました、とか。最高。

③Web Presenter HD/Blackmagic Design

RTMPでの配信をしている人は、PCでの配信をやめて今すぐこちらに切り替えなさいと申し上げたいくらいの代物です。

いいところ:モニタリングができ、安定していて、回線バックアップも可能

モニタリングについては、このように(画像はPanda Timesより)映像の他にも①現在のレート、②キャッシュの状態、④音声の状態をモニターできます。最終アウトをここで確認して配信できますので、音の調整もこれを見てやったりします。

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この中で最も重要なのは「キャッシュ」です。これはRTMPサーバに送れずに本体内にキャッシュされたデータ量のことです。当然回線状態が悪くなると、このキャッシュが3~4%から増えていきます。それを見て配信品質を落とす、回線を切り替えるなどの対策を行うわけです。

RTMPサーバですが、デフォではYouTubeなど数サービスにしか対応していませんが、下記のような外部サービスでXMLを作って読み込ませると、任意のRTMPサーバに対して配信することができます。

難点はSDI INしかない、ということと、よく配信が切れなくなるということでしょうか・・・w


④Mars T1000/Hollyland

いわゆるインカムです。20万円弱もするので尻込みしてしまう気持ちはよーくわかります。しかし、いくらでも話せる副調整室がある現場なんてほとんどない小規模配信事業だと、インカムがあるのとないのとではコミュニケーションの精度がまるで違います。

いいところ:現場のコミュニケーションが円滑になりミスが激減

ないときは手招きしてADを呼び、耳打ちして用件を伝え、全員に伝言させる。耳打ちしている間はスイッチャーから目を離す必要があるが、インカムがあるとボソッと一言言えば終了です。他にも、
・カメラさーん、ちょっとフォーカス甘いです
・今5分押してるけど休憩時間そのままいくか確認して
・この後Zoom操作あります、担当は注意です
・あ、テロップ上がったままです。落としてくださいー
・マイクあがってない!
・雑談(眠気防止に重要)
といった、みんなの一言がちょいちょい入ってくるだけでミスが激減します。ウチでは、大きい案件では必ず使います。

また、T-1000は2セットをLANケーブルで接続して10台のインカムにしたりできますので、チームが大きくなっても安心です。


⑤Micro Converter BiDirectional SDI/HDMI 3G/Blackmagic Design

HDMI or SDIを入力して、HDMI and/or SDIを出力できるという一見「ただのコンバータでしょ?」と言いたくなるような一品なのですが、出力のand/orがポイントでして、これがものすごく使えるんですよね。そう、スプリッターとして使えるんです。

いいところ:スプリッターとして使える

特に、返しモニタにHDMIで返して、前述のWeb PresenterにSDIで入力して配信する、みたいなときには異常に活躍します。他にも、手元のプレゼン用PCからHDMIで出力してこのコンバータを通してスイッチャーと演者足元のモニタに返す、なんて使い方もできます。返しのモニタが遠いときはSDIにしたりなんかして。

4つほど持っておけば困ることはまずないですね。

さいごに

京葉映像配信技術研究所ではこういう機材を取り揃えて配信を行っておりますので、気になる方はHPからお問い合わせください!

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