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こんなこともあったなぁ〜

バイクに乗っていれば、
オフロードバイクで林道を走りに行けば、
転けることもあるだろう。

そう20代の頃はよく林道で転んだ。
林道では速く走らなければいけないような気がしていた。
ソロで走る時も、みんなで走りに行くときも・・・。

高野龍神スカイラインから下る、とある林道、
急坂の右コーナー、ちょっと侵入スピードが速いかな〜と思いながら、
リヤブレーキをかけたらリヤがスライドした・・。
硬い地面に浮き砂の路面、スライドを止められずに
リヤからスリップダウン、転倒。
よくあるパターンの転倒シーン。

ハンドルがカウンター状態でスライドするバイク。
転倒した時ハンドルを放すタイミングがいつもより遅かった。
グリップを握った右手の薬指が少し開いていた。
地面から飛び出た岩に薬指がヒットして激痛が走る。

バイクは地面を滑って行ったが、自分は素早く立ち上がる。
右手を見たら薬指が外側に曲がっていた。
あ〜折れたか・・・と思ったが、左手で握ってゆっくりと戻してみたら、
コクっと関節がハマった感じで戻った。
アドレナリンが出ているのか、その時はあまり痛くはなかった。
そおっとグローブを外してみると、
岩にヒットした指先が血まみれに。骨折はしていなかった。
なんで指が違う方向に曲がったの?などと考えながら、
バイクを起こそうとして右手の薬指に力をかけると関節が外れそうな
いや〜な感じがしたが、とにかく起こして各部をチェック。
ハンドルが少し曲がってしまったが、他は大丈夫だった。

負傷した指で約60kmをゆっくりと走って帰宅。


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帰宅後シャワーを浴びてから、ひとまず整骨院へ向かった。
「関節腫れてますね〜、湿布出しときます。」と言われた。
痛みあるよ〜、そんなんで良いのか??と思いながら数日。
指に力がかかると有らぬ方向へ曲がりかける・・痛い・・これはいかん・・。
関節にテーピングをして過ごした。

今度は近くの整形外科へ行き事情を説明した。
患部を見た先生は
「これはあかんわ!有名な先生に紹介状書いてあげるから行っておいで。」と。

翌日、紹介状を書いてもらった病院へ。
「靭帯が切れてますね〜レントゲン撮りましょうか〜」
手のひらを広げて台に置いた状態で、薬指を普通なら曲がらない方向へ
無理やり曲げて撮影(角度は30度ほどだったか)。先生痛わっ!! 

そんなに曲がるんや!!と思った。
こけた時も曲がってたな〜とも思った。

診断は剥離骨折。靭帯の片側が骨から剥がれていた。
翌日、即手術の運びとなった。

ひどい突き指で剥離骨折となるケースがあるそうだ。
そうだと気付かずに放置していると腫れが引かずに指が曲がってきてしまう。
その時になってようやく気づくのだとか。
適切な処置をすれば元どおりに戻ると説明してくれた。

手術は局部麻酔で行われる。
靭帯と骨を弛まないようにくっつける。
関節が動くと靭帯が緩むので完全固定が必要。

関節を固定する為直径2mmくらいのピアノ線で斜めに第二関節を串刺しにする。
ドリルの音が響く・・。
串刺しにされた関節はビクとも動かない。
剥がれた靭帯を骨に固定するために細い針金で骨に縛り付ける。
手術は靭帯の剥がれた方を切開して行う。指の反対側に針金が顔を出す。
皮膚に食い込まないようにボタンを付けて捩って固定。
そして最後に肘から先の腕をギブスで固定。

手術が終わって、目隠ししたカーテンを開けてびっくり。
指だけやのにそこまでギブスする必要あんの?などと思ってしまった。

麻酔の切れていない腕は、いうことををきかない。
ベットに寝た状態でギブスの腕で自分の顔を殴ってしまいそうになって、
慌てて左手で支えた・・。

1ヶ月はこの状態。
果たしてちゃんと治るのだろうか?


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BMW R1100GSを購入してからしばらくして、
本田のXR250Rを手放した。
それから2年ほどして、また軽量オフに乗りたくなった。
せっかくなら2ストローク。
選んだのは川崎KDX250。
走行距離は1万キロぐらいの中古車である。

チェーン、スプロケットなど消耗している部品を交換。
人間の慣らしも兼ねてちょこちょこ林道に出かけて行った。
2ストロークだったが低速からトルクがあって扱いやすいエンジン。
サスストロークがたっぷりあってアジャスト機能もある。

ある日GSで出かけようとしたところバッテリーが上がっていたので、
急遽KDXに乗り換えての出動となった。もちろんソロである。

ルートを変更して紀伊半島南部の林道探索に出かけた。

スキャン 3

スキャン 1

タイヤの山が残り少なくなっていたので交換しようと思っていた。
さっさと交換しておけばよかったのだが後回しにしてしまった。

散々林道を走ってきて、あとは龍神スカイラインから林道を1本下って帰るだけ。

バイクにも慣れてきた、帰り道なんで少し気が緩んだか・・。
下りの右コーナーで、リヤを滑らせて転倒してしまったのだった。

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1ヶ月と少してギブスが取れた。
串刺しにしたピアノ線はペンチでつかんでひっこ抜かれた。
骨に巻いた針金は指の外から引っ張って抜かれた。
麻酔したのかどうかは忘れたが、ピアノ線と針金の抜ける感じは覚えている。

指が動かせるようにはなったが、1ヶ月近くも動かさなかった関節は
そう簡単には動かない。
病院のリハビリに通うが痛いのなんのって、これがまた大変。
あんまり痛いので通うのをやめてしまった。行くのめんどくさいし。

一生懸命お風呂で動かすトレーニング。
普段の生活でも一生懸命に動かす。
KDXの曲がったハンドルを一生懸命交換する。

手を握ると曲がりきらなかった薬指が徐々に曲がるようになってきた。
広げると指が伸びきらないのは致し方あるまい。


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結局、KDXはタイヤを交換することなく売却してしまった。
その後に我が家にやってきたのが本田CT110 ハンターカブである。


もう20年くらい前の話。
そんなこもともあったなぁ〜と思い出して書いてみた次第。

安全に長くバイクと付き合っていけるよう、
精進せねばと改めて思う今日この頃。


最後まで読んで頂いてありがとうございます。サポートはあちこちバイクで巡る資金にさせていただきます。ほっこり面白いツーリング記事ご期待ください♪