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フランス語検定準一級の対策をするフリをしながらトマトについて語る

先日、申し込み期間が極めて差し迫った状況でフランス語検定を申し込んだ。すでに数年前に二級を取得していたので、今回は準一級を受けようと肩に力を入れた。

正直、自分の語学レベルではどの受験級がふさわしいかわからない。これをあえて丁寧に説明すると、自分が一級を受験できるレベルだと言いたいわけではなく、本当に準一級を受けるだけの実力があるかはわからない、ということだ。とはいえ、今までフランス語検定はどの級も飛ばすことなく順番に受験している。だから、とりあえず今回は準一級を受けてみることにした。

だが、自分でも衝撃なのだが、思った以上に勉強したくない。先に断っておくが、これに特別な理由などあるはずがない。シャープペンシルの上部に付属でついている消しゴムを、無下に使いたくない気分とおおよそ同じだ。そんな感じで、勉強する気分になれない。(=クズ)

これは自分に限った話ではないだろう。テスト前になったら、テストが終わった後にやりたい遊びのことばかりを考えてしまう気持ちは、誰しもが持っていたはずだ。いや、これだとあまりにも凡庸な表現にとどまってしまう気がする。

試験は——、トマトぐらい嫌いだ。

まるで人体の内臓を連想するかのような気色悪い食感を内部に秘めながら、外観の薄い皮がそれをカモフラージュしている。噛むと一気に弾ける汁は独特な酸味と舌触りを持ち、どうも受け付けない。

そんな不気味な存在は、こちらの想像を超えてどこにでも点在している。野菜系の同族と共にいる場面を見かけることは不思議ではないが、属性的にはほぼ無縁な肉類の料理とも共存することが可能なのだ。

そして、極めつけはそのビジュアルだ。赤と緑で構成されている物体であるが、いわゆるこの二色は補色の関係だと言える。二色が互いの存在を目立たせるようにして、いつもこちらの目を引く。

フランス語検定とは、トマトだ。

こんなふうな感じで、フランス語検定を受けるのがこわい。

(トマトにもフランス語検定にも悪意はないです。ちゃんと勉強しようと思います。)

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