取扱説明書

自分の取扱説明書を作っている。

新しい事をやろうと思ったり、何かを失敗する度にそのやり方や原因を考えあれこれ試してはいるのだが、いまいちうまくいっていない気がしていた。というより、同じ様な失敗を繰り返していると感じることがあり、なんの進歩もなく(と感じながら)ただ時を過ごしていくのもな…と思ったのだ。

今までもあれこれ試してはいたが、何一つとして継続しなかった。そして自分に何が合っていて何が合っていないのかも把握していない。まずはそれを把握することから始めないと対策が練られない。

とにかく全てを書き出すことにした。これは友人達にも勧められていたし、自分でも実践しようと思って何度もやろうとしていたのだが、書き出せなかった。謎の完璧主義を発揮してしまったり、書いた直後に違う書き方にすればよかったと後悔するのが怖かったので手が動かなかったり。あとはそもそも、精神的に余裕がなくそれが出来ず、そのせいか失敗を繰り返すという悪循環。綺麗に書かなければいけないという自分の中の謎の固定観念を抜け出すにはもう十何年とかかったんじゃないだろうか。第一見るのは自分だけなんだ。どんな風に書いたって自由だろと思うのだが、とにかく決められない。まず書き出すノートも決められない。書き方も決められない。書く場所も決められない。もう自分で自分の首を絞めまくって八方塞がりもいいところだ。

ふと学生の頃の実験科目を思い出した。目的、予想、実験方法、実践、結果、考察。これを自分でやればいい話なんだ。これは実験ノートなんだ。失敗しても(そもそも自分に何が向いているのかを探す為のものなので失敗も何もないのだが)、次の実験に繋げればいいのだ。と急に心が軽くなった。

手始めに手帳から取り掛かった。いつもは所謂“手帳”として売っているものを買って使っていたが、まともに書けた試しがないので自分で全て書くことにした。手帳は基本左側には何も書かない。後で好きなことを書けるようにする。月間ページを書き(ここには余程大事な用事しか書き入れない)、その次のページから大抵一週間一ページで当てはめ、書けるときに書き込むことにした。

手帳のやり方を見つけ、それに慣れてきたころ、他のものにも手を出し始めた。勉強で使うのはルーズリーフよりノートの方が良さそう。ノートはできれば物事別に分けたほうがわかりやすい。ページは半分に分けて書いたほうが認識しやすい。日常生活で感じた事、改善案、何かのIDやパスワード、体調がいまいちな時に食べられたもの、元気な時にできること、何が出来なくなると要注意するべきか等、もうとにかくなんでもあり。なんといったって、これの狙いはいかに日常生活を比較的毎日同じテンションで過ごすことができるかということにある。

自分を振り返るには情報が足りなすぎるので、あらゆる事を気がついた時に、気が向いた時に書き留めることにした。本格的に初めて半年近く経ったが、なかなかいいと思う。常に改善点は見つかるが不快ではない。むしろ次への選択肢を取るのが楽になって安心する。同じ“私”でも、体調によってその時の私に合うのは違うことなので記録を取っておいたことは何一つ無駄になったことはない。手帳に何も書けなかった日でさえ、その日は(もしくはその一週間は)何も書けないような状態にあったのだということが後ではっきりと認識できるのが面白い。

今のところ手帳の書き方は気に入っていて、しばらくはこれを続けると思う。もう一冊別のノートを用意して、こちらは大まかな情報源(手帳)をもとにつくろうとしてる自分の大まかな取扱説明書なのだけれど、相変わらず決めることが苦手で直接書き込めずにいる。まずは付箋に一つずつ書き出して貼っておき、ある程度貯まったらページごとにカテゴリ分けして貼り直し直接書くとか、まあ何かしようと思っている。


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