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FPの僕が精神保健福祉士になったワケ

結果発表の日は「ハレの日」だった!

3月15日は運命の日でした。2年余り通信制の専門学校で精神保健福祉士の資格を取るために勉強してきた「成果」が「結果」として発表される日だったからです。

精神保健福祉士試験の発表日である3月15日は、結果的には「晴れやかな日」になってくれました。合格していたのです。

ホッとしました(苦笑)

そして「いよいよこれからスタートを切るぞ!」という実感を持つことができた日でもあったのでした。

精神保健福祉士になろうとしたきっかけ

おそらく多くの人は「FPさんが精神保健福祉士になる?なんで。。。」と思われることでしょう。私のことを5年以上前からご存じの福祉畑の人には何となく予想がつくかもしれませんが、この理由を僕は語ったことはありません。講演などでも「核心の部分」には触れずに来たのです。

実は、精神保健福祉士になってから公にしよう、と思っていたのでした。

今からその「理由」をお話したいと思います。

僕は今から6年ほど前に地元の社協で「FPとして福祉の現場で支援をする」という機会を得ました。具体的には日常生活自立支援事業の「支援員」として地域の一人暮らしの判断能力がやや劣る高齢者や、障がい者の金銭管理を担当していたのです。

この1年ほど前にその社協の職員さんに「障がい児を育てている親の会」に繋いでいただき、保護者(主に親御さんでした)から寄せられる「親なき後の相談」などにはのっていたのですが、障がいのある人を直接支援するのはそれが初めてでした。

この事業を利用する障がいのある人の多くは、金銭管理というよりは「節約サポート」をするという経済状況の人でした。「FPは家計管理のアドバイスをする人」という認識は間違いではないし、少ない収入をやりくりして、「不安なく暮らせる」ようになることはFPのスキルの一つかもしれません。

この後、生活困窮者自立支援事業の家計相談にも関わることになりましたが、相談者の中に障がいのある人も多く、似たような世帯特性がありました。よって僕の支援は「何とかして暮らせるようにサポートすること」になりがちだったのです。

このような「FPの福祉への関わり方」は、おそらくですが、もっとも一般的な関わり方だと思います。福祉職の苦手な分野や、専門から少し外れてしまう相談内容に、いわば「他の社会資源」の協力を求めるという関わらせ方が、福祉支援の現場には当たり障りもないし、その部外者のサポートが福祉の現場の「障壁」にもならないからです。

ただ、こうした関わり方をしていると、「FPとして福祉の現場でできる事」は「限定された分野や領域」になるんだと思ってしまいがちです。僕の場合も「障がいのある人のお金の相談はやりくり相談なんだ」「経済的に困っている人が障がい者世帯には多いんだな」と相談者の特性を勝手に限定してしまっていました。

ところが、私のHPから申し込まれる「障がいのある人の相談」は多岐に渡っていたのです。

例えば
・通常の雇用ではなく、自分で会社を立ち上げたいという発達障がいの人
・高次脳機能障がいのあるカップルの結婚について(ライフプラン相談)
・経済的困窮状態になく、長期的なお金の管理に自信がない障がいのあるお一人様世帯
・勤労収入と障害年金の減額に悩んでいる障がいのある勤労者
などなど。。。

そしてこのような相談者の大半が地域の相談機関とは繋がりが全く無く、僕のような支援者がいないと、誰にも相談が打ち明けられないのが現実だと感じました。

どうすればこうした障がいのある人の相談にのれる体制が作れるだろうか?

この答えを探し始めて数年経過した時、ふと思いついたのが

自分が支援の現場にいればいいのではないか?
こうした支援に関われるFPさんを育てればいいのでないか?

では、そのために、まずは、僕がどうなればいいのだろうか?

その答えが「精神保健福祉士の資格を取る、そしてそのために福祉について一から学びなおす」ということでした。今から2年前、僕は香川にある穴吹パテシエ福祉カレッジの通信制に入学して、2年後の国家試験に向けて学習を開始しました。そして結果的に何とか精神保健福祉士になることができたというのが経緯です。

精神保健福祉士になった僕が目指すもの

僕は今まで「FPとして地域福祉に関わる」ということでFPのスキルや経験を活かして、相談を受けてきました。

今後もこのような関り方は残しつつ、新しい関わり方をしたいと思います。

前項でもお話しましたが、僕のFPとしての知見やスキルは「ある程度限定された相談内容」に活用されてきました。

相談支援機関などがインテークを行い(受付をして)、アセスメントを行い(評価をして)、その結果「ある内容の相談」を外部に委託するイメージで、僕のところに依頼が来ていたのです。

しかし現実は前項でお話したように、精神疾患や精神障がいがある人などの相談内容は多岐に渡ります。そして多くの相談者さまは福祉に繋がっていないのです。

生活に困窮している世帯などは福祉に繋がりやすいのですが、自分らしく暮らしていくのに障壁となる「課題」は経済的困窮だけではありません。

FP的な言い方をすれば、
その人が自分らしく生きていくためには(自分の目標や夢を実現するには)
専門家(専門職)としてどんなサポートができるだろうか?(どう支援できるか?)
という事になります。

そのためには
福祉職として相談をお受けして(インテークから関わる)
ライフプランの実現のために
アセスメントを行った結果、
支援の中でお金のことや家計管理などの経済的サポートを実施する
ことになります。

これを実現するには、FPとしての仕事だけでなく、福祉の現場に「自ら関わる」ことが必要になり、相談支援や就労支援、生活支援の現場で活動することが求められるでしょう。

ここから、僕は、それらを事業化するNPO法人を立ち上げたのです。

今後は主にこのNPO法人の事業の中で、精神保健福祉士×FPとして仕事をしてまいります。

以上が、僕が精神保健福祉士を目指した理由です。

皆さま、今後ともよろしくお願い申し上げます。






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