ジャンクのLandiskでNASを組んだ話

OSのないIO-DATAのLAN DISK H(HDL4-H8EX)でNASを建てたので備忘録


まとめ

・OSを用意しなくてはいけないが、公式はディスクイメージを出してない。ヤフオクとかでファームウェア入りのディスクを買うか、代わりのOSを用意しよう。
・標準メモリはDDR3L-1600の1GB。2スロットあり、たぶん上限4GB。非純正OS使うなら増やしたほうがよさげ。
・PCI Express x1スロットが空いているので起動ディスクとか2.5GbELANカードとか増設できそう。
・UEFI古いのでNVMeは起動ディスクにできない。Clover EFIとか使えばできなくもない。
・ステータス表示の液晶とかディスク別LEDとか機能させるやり方はわからんかったのでできた人は情報ください。


管理用WebGUI画面

経緯

HDL4-HEX(6スロットモデル、ディスクなし)のジャンクを6,980円で買いました。
いまは古いノートPCにeSATAとUSB3.0で外付けHDDつないでファイルサーバにしているので、ちゃんと建てようと思った次第。
文書かずだらだらしてるうちに1ヶ月以上経ってしまった。

状態確認

ディスク空でまずは起動、ピッピッピッとビープが鳴り続ける。
背面にDsub15ピンがあったので適当なディスプレイに出してみた。

起動した画面

本体のFUNCボタンを押したら音は消えた。
起動するOSがない場合に鳴るぽい。
キーボードをつなぎ、再起動して今度はESCとF2とDelを連打したが、また同様の画面に。でもFUNCボタンを押したらよくあるAMIのBIOSにはいれた。
※この辺めんどくさくて撮ってなかったので写真なし
BIOSに入るのは正しくはF2またはDel。セットアップ時にはQuietBootは切ったほうが楽。どうせ今しか画面繋がんけども。

分解調査

動作的には問題なさそうなので早速分解。
いろいろネジ取ってケーブル抜いて外した基板がこちら。

基板写真

ファンレスのMini-ITXの基板がでてきました。
基板上で使えそうなのは写真右下のPCIe x1くらい。ケース的にフルハイトさせます。
標準NICが1GbEなんで、2.5GbEカード挿せば捗るんじゃないですかね、しらんけど。
自分はNW環境無いしOSを内蔵したかったので、アダプターでNVMe挿そうと思ったけど失敗(後述)。

左下のPCIe x4がケースに固定されたSATAx6ボードに繋がっていて、中央下のx4ポートは空いてそうなんですが干渉するので普通には使えません。ライザーケーブルで延ばしたらもしかしたら使えるかも?同じバス使ってたら競合で使えないかも?試してないので不明。そもそも配置大変そう。
左上は電源、右上2つはケースから伸びてる何かに繋がってた。たぶんスイッチと液晶&LED。

CPUはBIOSの表記を見る限りこれっぽい。

メモリはDDR3L-1600の1GB。非力では?
2スロットあるので8GBでも積もうと思ったら、CPUの仕様に最大4GBの記載がある。
なので2GBを2枚ヤフオクで買って増設。

起動ディスクらしきブツは見当たらず、どうやらデータ保存するHDDにOSも積んでるらしい。転送速度的にどうなの?と思ったが、システム故障しても分解交換せずにディスク差すだけで復旧できるメリットなんだろうな、しらんけど。

OS選定

最初純正のOSを使おうと思ったんですが、公式サイトを見てもHDDイメージが見当たらない。
しょうがないので他のOSで立ててみることにしました。
※純正が使いたいならヤフオクに抜いたHDDが売られてたりします。未確認
Remote Link 3ってので外出先からアクセス可能になるらしいので、その機能が使いたければありかも

代わりのOSどうするか、以下参考にしました。
自分はOpenMediaVaultを選択。
https://zenn.dev/thisprogrammer/articles/17331c862bb8163f84c5
https://qiita.com/m0ch1m0ch1/items/afb05e152d83458439e8
・TrueNAS
FreeBSDベース。最低メモリ8GBなんでこいつには厳しいか。
・XigmaNAS
FreeBSDベース。うまくインストーラが焼けなかった。
・Rockstor
CentOSベース。無料だとStableチャンネルが使えないらしい。
・OpenMediaVault
Debianベース。製品公式から落とせるファームアップデータに.debが入ってたんで、なんか使い回せないかなと甘い考えもありこれに。

んでOSどこ置くかと思ったときに、最初はUSBで外につなぐと邪魔になるし、PCIe x1が空いてるからアダプター買ってきて手持ちで余ってたNVMeにOSを入れようとしました。

ですがマザボの世代が古いためUEFIにNVMeドライバが入っていないようで、起動して直接読みに行くことができませんでした。
なので余ってたUSB-SATAケースにHDD突っ込んで起動ディスクにすることにしました。
どうしてもNVMeで起動したいって方は、USBメモリからNVMe起動する方法もあるので「Clover Bootloader NVMe」とかでググってみてください
あと上の参考ページだとOpenMediaVaultでUSBメモリはNGって書いてあるんですが、USBメモリに導入した場合に寿命を伸ばすPluginがあるのでそれ前提のUSBメモリでもよいかも。
https://wiki.omv-extras.org/doku.php?id=omv6:omv6_plugins:flashmemory

分かりづらかったこと

OpenMediaVaultの利用記事はたくさんあるので、構築自体は手間取らないと思います。自分が引っかかったところを備忘で書くと
・GUIで設定できない項目があるので一部コンソールかSSHで作業が必要
・RAIDを組む前にディスクのワイプが必要 再構築でも同じ
・共有フォルダを作成したあと、SMB/CIFSで共有が必要
→削除するときはSMB/CIFSで共有を削除してから共有フォルダ削除が必要
・ファイルシステムを作り直すときは上に乗ってる共有フォルダとSMB/CIFSの設定全部削除しないとできない
・複数のディスクからRAIDを組むときに、ソフトウェアRAIDを構築してからファイルシステムを作成するのだが、BTRFSの機能でRAID0/1/10ならファイルシステムから作ることができる。ただし壊れたときの障害状況や再構築はGUIで対応していないようでSSH等でやらなきゃいけないのでオススメしない。
・アプリケーションによっては、NASからファイルを読むときに順番がばらばらになる事象が発生した。(画像の順番がファイル名通りに並ばないとか)
→SMB/CIFSの設定、もしくはソートが必要な共有の追加オプションに、「vfs objects = dirsort」を記入する。
(パフォーマンスが下がるので必要なフォルダだけに設定するのがよさそう。http://www.samba.gr.jp/project/translation/3.5/htmldocs/manpages-3/vfs_dirsort.8.html

ファイル順がばらばらになる場合の追加オプション例

速度測定

立てたので旧環境と転送速度を比較
微妙にNW違うが気にしない
旧:Win10PC+CG-HDC4EU3500(eSATA接続) 4TBx4 RAID10
新:HDL4-HEX 4TBx6 RAID10

旧環境(外付けケースのRAID10)
新環境(ソフトウェアRAID10)

シーケンシャルはほぼ同じ、ランダム性能が上がったのでいいでしょう。

あと、上で触れたBTRFSの機能でRAID10組んだときの速度も取ったので貼っておきます。

新環境(BTRFS RAID10)

さらにランダム性能があがってますね。たださっき述べたように、BTRFSのRAIDはGUIで管理できなくてめんどかったのでソフトウェアRAIDに戻しました。修復とかも試さなかったのでやるなら試験したほうがいいと思います。

残課題

・全面の液晶とLEDが常時点灯でボタンが機能しない。公式から落とせるアップデータの中に.debがあったのでどれかインストールすれば使えないかなとおもってたけどそれらしいパッケージが見つからなかった。

ずっと起動中の液晶と常に青点灯のLED

感想

NVMeで試したりUSBメモリで試したり再構築重ねるうちに壊れたHDD買い直したりでまとめるのがだいぶ遅くなったけど、それなりの容量のNASが建てれたのでとりあえず良しとする。
ゲームの話書けよと自分でも思ったので、次はRetrospyでキー入力取れるようにした話でも書こうと思います。


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