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【保険営業の本質:事前準備と「自分事化」の重要性】


保険業界で働く方々へ、この記事を通して「事前準備」の本質について考えていただきたいと思います。タイトルにもありますが、「事前準備ができない人は、そもそも内容を理解していない。そして、自分自身が納得できていない」。これを突き詰めていくと、お客様に正確かつ価値ある提案ができるかどうかが、結局は保険屋自身の理解度にかかっていることが分かります。

「自分事化」―本当の提案とは何か?

最近よく聞く「自分事化」という言葉。保険業界ではよく使われますが、現実には本質まで踏み込んでいないケースが多いように感じます。この言葉が生まれた背景には、「本来当たり前であるべきことをやっていない」という現実があります。お客様に対して、自分が提案している保険商品を「本当に自分自身でも買うか?」を考えたことがあるでしょうか?それこそが「自分事化」の原点です。

なぜその商品をお客様に勧めるのか、その根拠を理解しているかどうか。この問いに真摯に向き合っていない保険屋は、結果的に上辺だけの説明で終わってしまうのです。たとえば「この保険がいいですよ」「こちらの方が安いです」「この内容の方が優れています」と言って勧めるケース。これは、銀行員出身者にありがちなミスです。銀行員時代に築いた取引先に、ただ保険の乗り換えをお願いする。しかし中身は一切ない。なぜなら、彼らは保険の仕組みやお客様の将来設計を真に理解していないからです。

本当の提案とは「未来を読むこと」

本当の提案というのは「なぜこれを提案するのか?」を過去・現在・未来の状況を踏まえ、長期的に見通して行うものです。保険というのは一度契約して終わりではありません。3年後、5年後、時にはライフステージの変化に応じて契約内容の見直しが必要になります。ですから「終身保険は変わらない」と思い込んでいる人がいたら、それは間違いです。終身保険は「死ぬまで保障が続く」というだけで、それ以外に変わる要素がないわけではありません。

例えば、ドル建て保険の返戻金が増える理由は、債権利率の高さに基づいています。しかし、運用効率や将来のライフプランに対してそれがどれほど有効なのか?そう考えると、コストパフォーマンスは必ずしも高くないことに気づくはずです。終身保険が「最低限の保障」として、また変わらない保証として有効であることは確かですが、その変わらない保険の対象の守るべきお客様のライフプランは変化してしまいます。これを理解した上で、未来の変化を見据えた提案をすることが重要です。

お客様の視点に立った提案

お客様にとって、「終身保険が良いですよ!」と支払い能力の限界まで保険を勧められたとき、どう感じるでしょうか?それよりも、「お客様の将来の生活は変わる可能性があります。その変化に合わせて保険の内容も調整できるように、まずは最低限の必要保障からスタートしましょう」と提案する方が、よほどお客様の心に響くはずです。

お客様の未来の変化を見据えた提案を行うことが、本当の保険営業の使命です。そしてそれを行うには、保険屋自身が提案内容をしっかりと理解し、納得している必要があります。「提案が通らない」「なかなか契約に繋がらない」と悩んでいる保険営業の方々には、まず自分の提案内容を再確認し、自分自身がその保険商品に納得しているかどうかを考えてほしいと思います。

本質を見失わないことが成功の鍵

「返戻金がいくら増えるか」など表面的なメリットにだけ焦点を当てていないでしょうか?それよりも、「そのお金がどうお客様の生活に影響するのか」「増えたお金を何に使うのか」「学資保険であればいくら必要なのか」など、具体的なライフプランと結びつけた説明ができるかどうかが重要です。

もっとお客様の生活に深く入り込み、未来を想像しながら提案をすることで、ようやくお客様の心を開くことができます。単なる「商品説明」ではなく、「お客様の未来を一緒に考える」ことが、信頼を勝ち取るための鍵です。そして、そのプロセスを通じてお客様は自分のニーズや意向をはっきりさせ、最終的には契約に繋がるはずです。

保険営業は、お客様に対して長期的な信頼を築く仕事です。だからこそ、目先の利益やコミッションだけでなく、本質的な提案を心がけましょう。お客様の未来に寄り添い、変わりゆく生活に対応した提案を続けることで、あなた自身の営業スタイルもまた進化することでしょう。


このような視点で保険営業に取り組むことができれば、自然と結果はついてくるはずです。お客様の未来をしっかりと考え、自分事化した提案を行うことで、他の営業マンとは一線を画す存在になれるでしょう。それが本当に「売れる営業マン」への第一歩です。