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止まった時の世界で

のっけからジョジョみたいなこと言ってすんません。

僕の今生活している区域は、福島第一原子力発電所の影響でかつて避難区域だった場所。

2016年にまちが再開し、以来再生と創造に向け、日々少しずつ動いている。

今日はひょんなことから、車で双葉駅周辺をめぐった。

この春に九年ぶりにめでたくも常磐線が全線開通し、双葉駅など、避難指示区域だったため立ち入りが不可能な区域も、また少しずつ減りつつある。

いくつかの駅は新駅舎になった。ヘッダーの双葉駅も、見て分かる通りとても綺麗だ。

だが、駅舎だけが不釣り合いなほどに綺麗なのだ。

強烈なものを久々に見た。
写真を撮るのは憚られるぐらいに、強烈だった。

去年の春に初めて見た福島県の現状により、テレビの中の世界だった3.11が現実のものであり、八年経っても何も始まっていないという現実を、突きつけられた。

そして今日巡った双葉駅周辺もまた、崩れた建物、傾いた塀、割れたガラスなど手付かず状態なのだ。
車で20分とばせば、この世のものとはにわかに信じがたいいゴーストタウンがある。
自分が生活者になっただけに、昨年よりももっとまざまざと感じられた。

九年間、実に3300日以上をすぎても時は止まったまま...


それでもなお、駅舎は立て直された。
数十メートル先の倉庫の壁は崩れ、瓦礫が積み重なっている。
徒歩20秒の、一等地の鯛焼き屋の店内はめちゃくちゃに荒れている。

それでもなお、駅舎はピカピカに綺麗だ。
駅構内には、2022年の街開きに向けた構想図が描かれていた。

そういう意味で、この駅舎は、止まった時の歯車を巻く、一手目だ。

千里の道も一歩から。大きな心強い一歩目の勇気をもらった気がした。

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