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漢方・薬膳からみた冬の過ごし方②年始の「ごちそう疲れ」にご注意

明けましておめでとうございます。
今年も、皆様により一層「漢方・薬膳」に親しんでいただき、日々の暮らしに取り入れていただけるような情報をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

年末年始、皆様はどのようにお過ごしでしたか?
筆者はこれといったイベントもなく、自宅で家族とのんびり(ダラダラ?)過ごし、韓国ドラマを観たり読書をしたり、子どもを𠮟りとばしたり……、
皆様はもっと楽しく充実したお正月だったことと思います!!

さて、この時期はクリスマス・忘年会(このご時世で控えている方も多いとは思いますが)・お正月と、ごちそうを召し上がる機会が普段より多いかと思います。
そして、休み明けに胃腸の不調を感じている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

前回のコラムでもお話ししましたが冬は代謝がゆるやかになるため、消化機能が低下しがちです。

その中で、普段以上にお酒を飲んだり、揚げ物などのカロリーの高いものや冷やして食べるお刺身、サラダ、デザートなど、消化に負担のかかるものを食べて数日間過ごしていると、おのずと影響があります。
とはいえせっかくのお楽しみなので、あまりごちそうを我慢したくないですよね。
ここでは、「ごちそう疲れ」になった身体のケアを漢方・薬膳の観点からご説明したいと思います。

脾胃にやさしい食べ物

いま述べたように、年末年始にかけて普段以上消化に負担のかかるものを食べていると、漢方で消化機能をあらわす「脾胃」はお疲れモードになります。

そのため、脾胃をたすける食材を、消化に良い調理方法で召し上がることが重要になります。具体的には加熱調理、それも消化に負担のかかる油を用いる揚げ物などではなく、煮物やスープなどの煮込み料理で柔らかくして召し上がること。また穀類も、その食材そのものが脾胃を元気にするものではありますが、さらにお粥や雑炊にすると、消化に負担がかからないので、この時期にはおすすめです。特に、朝食は、脾胃が活動していないため、お粥や雑炊で優しく目覚めさせてあげることが有効です。

脾胃をおぎない、元気にする食材

山芋
慢性下痢、食欲不振、頻尿、喘息、老化現象
人参
食欲不振、下痢、便秘、視力低下 
はとむぎ
むくみ、脾虚による慢性の下痢、イボ
雑穀類
脾虚による消化不良、下痢
大豆
お腹の張り、むくみ、黄疸
なつめ
栄養失調、倦怠感、食欲不振、慢性下痢、花粉症
キャベツ
胃もたれ、げっぷ、消化扶養、胸のつかえ
かぶ
消化不良、腹部膨満、げっぷ、吐き気

消化をたすけるツボ

人体には365個以上のツボがあります。身体の変調は気血の通り道「経絡(けいらく)」を通じてツボにあらわれるため、そのツボを刺激することで調整することができます。

ここでは、胃もたれ、胸やけなどの際におすすめのツボをご紹介しますので、押さえてみて「痛気持ちいい」と感じるようであれば、5~6秒ゆっくり押して、ゆっくり離すこと5~10回繰り返してみてください。

不容(ふよう)
胸骨から指2本下、そこから左右外側に指3本ずれたところにあるツボです。
中脘(ちゅうかん)
おへそから指5本上にあるツボです。
足三里(あしさんり)
膝のお皿のすぐ外側にあるくぼみから脛に沿って指4本下にあるツボです。

これらのことをご参考に、次のイベントシーズンには消化に負担のかかるものはほどほどに、そして脾胃をいたわる温かいスープなどでケアをするということを心に留めておいていただければと思います。

この記事を書いてくれた人:古橋 智子(漢方・薬膳・保存食講師)
漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、中国茶アドバイザー、かんぶつマエストロ。薬日本堂漢方スクール、長谷園 東京店 igamonoなどで講座を担当。20代より保存食作りに親しみ、数々のレシピを考案。素材の旬だけでなく、一人ひとりの体質や体調に合った保存食を提案したいという思いから漢方、薬膳を学ぶ。

インスタグラム
https://www.instagram.com/yakuzen_everyday/




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