採用するうえで、一番やってはいけないこと
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
いい採用活動するためには、やらなければならないことはたくさんありますが、一方で、絶対やってはいけないことがあります。
中小企業の採用コンサルのスペシャリスト・酒井利昌さんは、新刊『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』の中で、採用するうえで、一番やってはいけないことを挙げて、事例を交えながらその理由を解説しています。
今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。
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採用の質を下げても、お客様への提供の質は下げられない
質の優先度を下げる会社、増加中
コンサルティングに入ったある会社の話です。
この会社の最大の悩みは、営業職の離職率の高さでした。採用した人財が、すぐに辞めてしまうのです。営業職人財がいなければ成り立たないビジネスモデルのため、辞めていった分の人財は確保しなければなりません。
しかし、離職率は高いまま。そうなると、
「辞める」→「募集する」→「辞める」→「募集する」
を繰り返すこととなります。
結果、採用コストは、倍々ゲームのように膨れ上がっていきました。
そして、そうやって莫大な採用コストを投じて採用した人財が、悲しいことにすぐにまた辞めてしまうのです。
これって、何かがおかしいと思いませんか?
しかし、このような話はもはや珍しいことではなくなっています。
2024年卒マイナビ企業新卒採用予定調査では、採用における「質・量の優先度」に関する調査結果として以下の発表をしています。
「徹底して質」が大学(文系)で20・7%(前年23・9%から3・2ポイント減)、大学(理系)で18・8%(前年21・6%から2・8ポイント減)、大学院(理系)で20・9%(前年23・7%から2・8ポイント減)など、すべての分類で前年より減少。前年からの減少は
22年卒から2年連続。
つまり、アフターコロナの採用環境の厳しさを反映して、質の優先度を下げる企業が増えてきていることが明らかです。
採用するうえで、一番やってはいけないこと
組織の事情を考えると、「基準を落としてでも人財を獲得しなければならない」、そんな企業が多いのが現実なのでしょう。
しかし、
「採用するうえで、一番やってはいけないこととは何か?」
と尋ねられたら、私はズバリこう答えます。
「採用基準を下げること」
なぜなら、採用基準を下げたとしても、自社がお客様に提供する価値基準を引き下げるわけにはいかないからです。
これまでの価値をひきつづき提供するのはあたりまえで、それ以上の価値を提供し続けることが企業の存亡にかかってくることは言うまでもありません。
そして、もしこれまでより低い基準で採用した場合には、これまで以上に教育とマネジメントが必要になります。
しかし、いくら優れた教育システムやマネジメント手法があったとしても、後天的に引き上げられる能力と、そうでない能力があるのは、数々の調査データが示している事実です(これについてはのちほど詳しく解説します)。
先ほどの企業は、採用基準を下げた結果、「売れない営業」が増えていきました。人数は確保できたものの、付加価値を生み出せない人財を多く抱える状態となったというわけです。
だから、「採用目標人数は絶対達成を目指すべきではない」というのが私の考え方です。質を下げた採用は、組織を狂わせます。
▼同書の「目次」をご覧になりたい方は、下記の記事をご覧ください。
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いかがでしたか?
新刊『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』は、元本に比べて図表も倍増、特に第4章、第5章は、ほぼ今回の増補改訂版のための書き下ろし200ページ超の原稿が追加されています。
人財不足で悩む中小企業のために、いい人財を集めて、見抜き、つかまえ、離さない技術を徹底解説した同書は、ネット書店および全国書店の【ビジネス書】【転職・人事】【マネジメント】などのコーナーで発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。
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