#391【ゲスト/大学生】編集職を目指す学生インターンに電撃インタビュー
このnoteは2022年5月11日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーを務める、今井佐和です。本日は「出版業界の就活事情」ということで、素敵なスペシャルゲストお呼びしています。なんと今学生インターンとしてフォレスト出版に来てくださっている、松本響也さんと編集部の森上さん、寺崎さんです。よろしくお願いいたします。
松本・森上・寺崎:よろしくお願いします。
寺崎:というわけで、今日はゲストに学生インターンの松本さんをお迎えしました。松本さんはフォレストにインターンとして入られたのはいつからでしたっけ?
松本:大体2月の中旬ぐらいからお世話になっています。
森上:最初は大学3年生で、今は大学4年生になったのかな?
松本:はい。4月から4年生になりました。
寺崎:そっか。割と最近か。
松本:そうですね。
森上:結構長くいる感じがするよね。
寺崎:するよね。
森上:週に2回だよね?
松本:そうですね。週2回。
寺崎:どうですか?
松本:すごく貴重な経験をさせていただいているなと思います。
寺崎:模範解答(笑)。
松本・森上:(笑)。
松本:採用面接の時にもお話したと思うんですけど、他のインターンですと、ワンデイとかで、会社説明会とインターンっていう感じが多くて。
寺崎:ワンデイ。一日?
松本:そうですね。コロナ禍だったので、オンラインで。なので、こういった形で通わせていただいて、実際に編集部の空気を生で感じられるインターンっていうのは、大変少ないですし、これを大学生で出来るのは聞いたことがないので、本当に貴重な経験ですね。
森上:だから、半分アルバイトしている感じだよね?
松本:そうですね。
森上:アルバイトは別でやっているんだっけ?
松本:そうですね。一応、地元でユニクロで。
寺崎:ユニクロはまだ続いているんですね?
松本:続けております。
寺崎:ユニクロで賞をもらったっていう。
松本:そうですね。グッドスタッフ賞っていう、店舗の中のものなので、そこまで大きなものではないんですけども。店舗で投票されて選ばれるっていう。
森上:アルバイトでもそうやって賞を設定しているっていうユニクロは素敵な会社だね。
松本:そうですね。その分、結構厳しいこともたくさんあるんですけど。
寺崎:そのグッドスタッフ賞は何かもらえるんですか?
松本:いや。特にないです。
森上:時給が上がるとかもないの?
松本:そういうのはないですね。
寺崎:名誉だけなんだね。
松本:そうですね。月に1回選ばれるので、特別すごい賞っていうわけじゃないです。
出版志望の就活事情はどんな感じ?
森上:なるほどね。それで、出版業界に限らずなんですけど、今の大学4年生の就職事情ってどんな感じなの?コロナの影響はある?
松本:ありますね。コロナの影響があるので、あまり他の大学生と会う機会がないので、そこまで深い事情は理解していないんですけれども、肌で感じている身としては、やはり一次面接がオンラインだったりとか、会社によっては最終面接まで全部オンラインで決めてしまうところもあるみたいで。
森上:本当に!?
松本:だいぶ変わったかなと思います。
森上:俺たちの時代にはオンラインなんてなかったもんね。
寺崎:インターネットがなかったからね。
森上:そうだよね。この前、ニュースで見たけど、JALは「今年は一生懸命取るぞ」って言っていたりとか・・・。募集人数は増えているのかな?
松本:去年とか、一昨年はものすごい・・・。
森上:減ったよね。
松本:マイナスからゼロになったくらいだと思うんですけど、戻って来てはいるのかなと思います。出版業界とかは相変わらずすごく少ないとは思うんですけども。
森上:出版業界の新卒は昔から今も全然変わらないよね。
松本:そうですね。
森上:採用人数はね。佐和ちゃんの時代とかって、どうですか?
今井:今のインターン生の方より少し上ですね、私の方が(笑)。
森上:(笑)。就職的には結構厳しい時代だったのかな?
今井:そうですね。私の時は、私自身がアナウンサーを目指していて、狭き門みたいなところでやっていたので参考にならないと思うのですが、周りの友人たちは割とポンポン就職、内定は決まっていたので、そこまで厳しい感じではなかったですね。私たちの上の先輩方が氷河期っていうふうに言われて、大変そうな感じではありましたけど。
寺崎:我々の世代は就職氷河期。
森上:まさに団塊のジュニア世代だからね。
今井:あとはリーマンショックの後ぐらいも結構就職が大変だなんて言われていたような気がしますね。
森上:2008年とかね。そうだね。実際に出版業界の就職活動はいつくらいから始まるの?もう終わっている?
松本:そうですね。大手は・・・。講談社とかは先週に結果が出たらしくて、知り合いでも終わった方は何人かいらっしゃるみたいで。
森上:出版社の1番最初は3年生のいつから始まるの?
松本:2月の初旬ですね。2月の2日とかから。
寺崎:それは、小学館、講談社、集英社、角川。
松本:そうですね。まずは大手4社が始まって。しかも今年は結構特徴的で、エントリーシートが2日おきで、スケジュールがギュウギュウだったんですよ。それでみんな、悲鳴を上げていましたね。
寺崎:〆切が2日おきに設定されているの?
松本:はい。
森上:俺たちの時代は、4年生になってからだったよね?
寺崎:そうだよね。
森上:それで俺たちの時代はいわゆる1997年、98年くらいなんだけど、その時は絶対大手が被るっていうね。講談社と小学館の試験日が同じ日で、どっちかしか受けられないとか。運がいいと両方受けられるっていうね、時間帯で分けられているから。結構そういう時代でしたね。
寺崎:松本さんは、出版社以外は受けていないんですか?
松本:そうですね。出版社以外は受けていなくて。大学も高校生の時に出版業界に入りたいから、この大学に行くっていう目標を持って入ったので、大学でも出版の勉強しかしていなかったので。
寺崎:筋金入りの出版業界志望者だ。珍しいね(笑)。
松本:地元には僕以外いないですね。
出版業界を目指す学生の傾向
森上:なるほど。でも、我々の時代もそうだけど、出版業界の募集人数は今も変わらず、大手もそんなに変わらないよね。あと、俺たちの時代の編集者になりたい人って、雑誌をやりたい人、書籍をやりたい人、漫画をやりたい人って結構分かれていたんですけど、今は松本さんの周りで出版業界を目指している人達が希望しているジャンルってどんな感じなの?
松本:そうですね。肌感的には1番多いのがコミックで、次に雑誌。ファッション誌とか。あと、小説とか。
森上:文芸?
松本:文芸とかの物語系とかが多いのかなと思いますね。
寺崎:じゃあ、ビジネス書版元にいる松本くんはめっちゃマニアックじゃん。
松本:そうですね。
森上:大学生の場合、まだビジネスなんてやっていないのに、ビジネス書って臆するよね。
松本:そうですね。その分、わからなかったことがたくさんわかるようになったので、大変ありがたい経験ですね。
寺崎:そうか。学生さんだから、ビジネス書っていう思考しないか。
森上:まずしないよね。
寺崎:確かに。小説とかだったら読むし、漫画も読むもんね。
森上:触れているもんね。やっぱり漫画が多いんだね。
松本:漫画、多いですね。
森上:我々も一時期、採用活動をしていたじゃん。その時も・・・。
寺崎:みんな漫画でしたね。
森上:漫画志望がすごく多かったよ。
寺崎:何の作品の影響だろう?「重版出来!」?
松本:「重版出来!」は自分達の年代だと、知る人ぞ知る漫画なのかなと。
森上:“知る人ぞ知る”なんだ!
松本:ドラマも僕が小学生の時とかだったので、そこまで知られていないとは思うんですけど、逆に就職活動が始まって、「重版出来!」を知る方はたくさんいると思うんですけどね。
寺崎:じゃあ、「鬼滅」か。
松本:そうですね。あとは、僕が小中学生の頃に平成のジャンプ全盛期があって、ジャンプを読んでいる人がたくさんいたので、その影響もあるかもしれないです。
森上:もしかしたら偏っているのかもしれないね。俺達が小学校の時のジャンプは、それこそ「キン肉マン」や、「キャプテン翼」の全盛期だったけど、漫画志望の人ってそこまで多くなかったよね?
寺崎:そこまでじゃない。
森上:メーンストリームじゃなかったよね?今は、出版≒漫画みたいなところが学生さんの中にあるのかな?
松本:もしかしたらあるかもしれないですね。夢があると言うか、一発当たったらみたいなところもあるので。
森上:漫画をやっている出版社って少ないから余計に大変だよね。
松本:そうですね。
インターンで働いて抱いた出版業界のイメージ
今井:ちなみに、インターンで出版業界に入る前と後では、松本さんの中で出版に対するイメージで変わったことってありますか?
松本:そうですね。ものすごく変わったと思います。というのも、裏でパソコンの作業が8割とかなので。そういった面では僕は出版を志望している時は、色んな有名人にたくさん会って、取材して、走り回ってみたいなキラキラしているイメージだったんですけども、それだけではなくて、土台として、パソコンとかデスクワークがしっかりあるっていうところは結構イメージが変わったかなと思います。
森上:まあ、まだやってもらってないっていうのもあるかも。我々が席を外している時って大体Zoomでのミーティングをやっていたりするので、そこは徐々に。
寺崎:そうだね。実際に取材したり、撮影したりっていうのも結構あるので。
森上:今はまだそういうことをやらせてもらってないだけかもしれないね。
今井:あと、私は編集者ではないんですけれども、このお仕事をしていて思ったのは、編集者さんって企画にかける時間が思っていたより長いな、重いなっていうような印象があるんですけど、そのあたりはどうですかね?
松本:そうですね。企画に対して考え方はものすごく変わりました。
寺崎:今、企画10本ノックやっているもんね?
松本:そうですね。
森上:ワンラインで、タイトルと著者さん候補と、あと概要一言ですね。それを10本考えてもらって。
寺崎:その10本ノックがこの間のグループ面談で効いたって言っていたじゃん。
松本:そうですね。まさかの面接のグループワークのテーマが、「出版の企画を考えましょう」みたいなことだったので、いつもやっていることをそのままやったら通過したっていう感じでした。
今井:おめでとうございます。
寺崎:いやー、それはいい話ですね。でも、10本ノックやってみてどうですか?
松本:最初はやはり出来るのかなみたいな不安はあったんですけど、やってみたら、著者について考えるようになりました。今までは情報を求めて本を買っていたので、何が書いてあるかを重点的に見ていたのですが、何が書いてあるか、誰が書いたのかっていうのを意識するようになって、書店とかに行って、著者の名前をメモしたりとか、そういうのが増えたので、やっぱり著者に対しての考え方は変りましたね。
森上:我々もね、キャリアがあっても、企画を考えることはずっとやっていかなきゃいけないところなんですけど、それはもうずっとやっていくことになると思う。
寺崎:まあ、企画が1番大事は大事だもんね。
森上:大事だよ。
寺崎:無から有を産み出す仕事。
今井:しかも、宝石と同じで、同じ著者でも切り口で輝き方が違うみたいなところがあるじゃないですか。そこはやっぱり編集者さんの腕なのかななんて。私は傍から見ている身ではありますが、いつもすごいなと思っております。
寺崎:裏側に精通する佐和ちゃんの・・・。
森上:佐和ちゃんならではの見え方だよね。でも、やっていくうちに癖がついてくるよね。
松本:そうですね。
森上:企画を立てなきゃっていう、頭の回路というか。
松本:そうですね。お風呂に入りながらも考えたり。
森上:そうだよね。
寺崎:そういう脳になるんだよね。
松本:なりますね。テレビとか見ていても、漠然と見るんじゃなくて、ニュースの解説者とかを見ても、この人に書いてもらうなら・・・とか、そういうふうに見るようになりましたね。
森上:大事、大事。本当にそういう意味でも癖がつき始めてきたよね。それはもう一生やっていくから(笑)。
松本:ありがとうございます。頑張ります。
寺崎:佐和ちゃん、松本さんの企画って結構いいんですよ。
今井:そうなんですか!?例えばいいなと思った中ではどんなものがありましたか?
寺崎:ちょっとパッと出てこないんですけど。
一同:(笑)。
寺崎:でも、パクっちゃおうかなと思って(笑)。
森上:(笑)。
今井:ひどい(笑)。そこは松本さんの名前で企画を通してほしいです(笑)。
寺崎:わかりました(笑)。
森上:先輩が部下の企画を取っちゃうっていう、それはダメですよ(笑)。
松本:大学生でプロの編集の方に、自分の企画を評価してもらう機会なんて、なかなかないことなので、ものすごくいい経験です。
寺崎:じゃあ、いくらもらおうか(笑)。30万ぐらいもらう(笑)?
森上:アルバイト料をお支払いしているのは、こっちだから(笑)。
松本:むしろ僕が払わなくちゃいけないくらいお世話になっているので、本当に。
寺崎:その笑顔で返していただければ。
松本:ありがとうございます(笑)。
森上:まあでも、好況、不況は関係ない業界ですから、出版業界は。
「ビジネス書だって面白いぞ」と言いたい
寺崎:あと、漫画編集者を希望するリスナーの皆さんに、声を大にして言いたいのは、ビジネス書も面白いって。
森上:まあ、そうだね。
松本:そうですよね。
森上:食わず嫌いだよね。
松本:読んでみたら、面白さってわかりますね。
寺崎:人の人生を変えてしまうビジネス書もありますからね。
松本:そうですよね。まさに。『「めんどくさい」がなくなる本』とか。
森上:おー(笑)。「めんどくさい」はなくなった?
松本:なくなりましたね。
森上:なくなったの?
今井:すごいです!
寺崎:なくなったって言うしかないじゃん(笑)!
森上:そうだよね(笑)。
寺崎:いや、なくなりませんでした!なんて・・。
森上:(笑)。強引な感じですけど、そんな感じ。
寺崎:引き続き、松本さんには仕事に戻ってもらわないといけないので(笑)。
森上:そうですね。ということで、今日はこんな感じで。佐和ちゃん、いかがでしょうか。
今井:はい。では、せっかくなのでVoicyを聞いているリスナーの皆さんで、就活中だったり、出版業界に興味があるという方もいらっしゃるかもしれないので、松本さんから一言メッセージをいただいてもよろしいでしょうか。
松本:そうですね。同級生の皆様には、一緒に頑張っていきましょうというかたちになりますかね。そして、後輩の皆さんは出版不況って言われるよう時代なのかもしれないですけれど、出版のいいところは大手だろうが、中小だろうが、本1本だけで、そのクオリティで勝負できるところかなと思うので、ぜひ挑戦していただきたいなと思います。こんな感じで、いかがでしょうか?すみません!
森上・今井:ありがとうございます。
今井:本日はスペシャルゲストということで、学生インターンの松本響也さん、そして編集部から森上さん、寺崎さんにお越しいただきました。どうもありがとうございました。
松本・森上・寺崎:ありがとうございました。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
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