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なぜ、音楽は心の状態を整えるのか?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

先日、とある機会で知り合った方が「18年間、重度のうつ状態(寝たきりになるレベル)での子育てがホントにつらくて大変だった」と涙ながらに語るお話を聞きました。

うつになる原因は正直よくわかっていないですが、いまのところ自分は「自分がうつかも」と感じたことは一度もありません。

もしかしたら、それって「いつもその日の気分に合う音楽を聴いているからかもしれない」と、ちょっとだけ思いました。

10代のころから音楽がだいすきで、歳を重ねるに連れてそのオタク度は増してゆくわけですが、CD数千枚リッピングの時代を経て、今ではSpotifyが毎日の生活に欠かせません。怒りを感じた日は激しい音楽を、悲しい思いをした日はしっとりした音を・・・といった具合に気分に合わせて大量の音の世界を彷徨っています。

でもこれって、心のケアにはすこぶるいいことなのかもしれない。

そう思わせる担当書籍を思い出しました。

橋本翔太さんの『聴くだけうつぬけ』です。

音楽はうつや心の病の回復に役立つ

 音楽は理屈なしで心にダイレクトに作用します。わざわざ音楽療法と言わなくても、音楽で心が元気になったり、音楽でグッときて涙ぐんでしまった経験をしたことが、あなたにもあるはずです。
 音楽のない映画を想像してみてください。悲しみの場面も、緊迫した場面も、だいぶ薄まってしまいます。逆に音楽により、あらゆるシーンがよりドラマチックになり、気持ちを高め、感動が増幅されます。結婚式でも曲選びのセンスがいいと、思わず感極まって泣いてしまったりしますよね。
 音楽はエネルギーそのものであり、目には見えませんが、このエネルギーは私たちの心に直接働きかける力を持っているのです。
 実際、音には力があります。高周波を聴くと脳が活性化して元気になる。風力発電の風車から出る低周波により周囲の住民が頭痛など体調不良を訴える。これらも音にエネルギーがあるがゆえの現象で、音は人に影響を及ぼします。
 感情も心も目には見えませんが、私たちは確かにそれを感じます。怒りも悲しみも喜びも全てエネルギーです。音楽も感情も目に見えないもの同士、強く反応しあうので、音楽は感情、心のコンディションに作用しやすいのです。

橋本翔太『聴くだけうつぬけ』より
イラストレーション:髙栁浩太郎

音楽も心も、目に見えないエネルギー。

音楽って不思議と人の心を一瞬で色づけるパワーがあると思います。もちろんたまたま自分が音楽が好きなだけであって、絵画や写真にもそういうパワーはあるとは思いますが、音楽のほうが効果がストレートな気がします。

人間の進化の過程で「耳」は「目」よりも古く、より原始的な器官だそうです。耳を動かせる人は原始人に近いという説もあります。(私は動かせます。笑)

だから、音楽って感覚にずどーーーんと響くと思うんですよね。

たとえば、矢野顕子さんのピアノと歌。これは「SUPER FOLK SONG」という作品ですが、ふわふわした歌声に絡む矢野顕子のピアノの絶妙な和音、そしてかわいらしい歌詞の世界に身をゆだねると、なんとも楽しい気分になってきて、イライラしてたこととか、どうでもよくなりませんか?

目に見えない「音楽」は目に見えない「うつ」と相性がいい

 目には見えないけれど確かに存在する音楽は、同じく目には見えない心の不調に優しく浸透して、不安や悲しみ、怒りといった心のマイナスを緩和することができるのです。
 その力はみなさんが思っているよりもずっと強力です。
 ただ注意点がひとつだけあります。

状態に合う音楽を選ぼう

 音楽療法の基本に 「同質の原理」 という考え方があります。そのときの感情に近い音楽を活用するという法則で、悲しいときには静かで落ち着いた音楽を、怒りなどで興奮しているときにはアップテンポの音楽を聴くのがよいという考え方です。
 気持ちが落ち込んでいるときは、ダンスミュージックのような、元気で激しい曲が気持ちを盛り上げてくれそうな気がしますが、これは間違いです。気持ちが音楽についていけず、同調できずにかえって落ち込みが強くなってしまうことがあるからです。
 うつのときに、元気でポジティブな友人に会って、やたらと元気よく接してこられても、こちらは委縮してしまいますよね。こちらの沈んだ状態に静かに寄り添ってもらえてはじめて「つらいんだ」と心を開いて痛みを分かち合えます。
 同様に、音楽があなたの心に寄り添ってくれると、その感情は消化されは
じめ、エネルギーが回復します。

 誰かに話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になるのと同じで、あなたに寄り添ってくれる音楽は、それだけであなたのうつや心の不調をやわらげてくれます。

橋本翔太『聴くだけうつぬけ』

冒頭で、私がうつにならない原因には音楽があるかもしれないと書きましたが、まさにこの「同質の原理」を無意識に働かせて、その時の気分に合う音楽を日々チョイスしてきた気がします。

気分が落ち込んでるときにダンスミュージックはダメですよね。

個人的には、気分が落ち込んでいるときはこんな感じの音楽がフィットします。

付属CDを聴きながら「ピアノセラピーワーク」


本書『聴くだけうつぬけ』には著者・橋本翔太さんのピアノ演奏を収録したCDが付属しています。このCDを聴きながら、本書で紹介するピアノセラピーワークを実施していただくと、心がきっと楽になるはず。

橋本メソッドのもうひとつの特徴は、音楽療法だけでなく、心理アプローチ、肉体面のアプローチ(栄養素)を加える点。この点については、また別の記事でご紹介したいと思います。

なお、Kindle版にはKindle版限定オリジナル音源特典が付いてます。「紙の本より電子書籍のほうがいいよ」って方は、こっちをご購入いただいたほうがお得です!

著者・橋本翔太さんのYoutubeチャンネル「心理カウンセラー【公認心理師】橋本翔太の人生リノベーション!」も人気です。いろいろと参考になる動画がたくさんあるので、ぜひ覗いてみてくださいね。


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