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地味に難易度高め。「忙しいアピール」をせずに、頼まれごとを上手にお断りするには?

自分だけではなく、まわりの人たちもそれぞれの立場で忙しいはず。仕事は少なそうに見えても、プライベートは地獄の忙しさという人もいるはずです。それを頭では理解していても、ついやってしまうのが「忙しいアピール」。
「がんばってる感」を出して称賛や労いを求める一方、「これ以上、仕事をもってくんなよ」と相手にメッセージを送っているのですから、なんと自分勝手な振る舞いなのでしょう。
とはいえ、忙しいのに頼まれごとをホイホイ引き受けていたらキャパオーバーして逆にまわりに迷惑をかけたり、まわりからに「都合のいい人」としていつまでも利用されかねません。

では、「忙しいときに、それをことさらアピールせず、頼まれごとに対して相手を不快にさせずに断る」にはどうすればいいのでしょうか?
こうやって文字にすると、かなり難易度の高い「大人検定」の問題に感じます。
その答えのヒントとなる箇所を、菊地麻衣子『誰からも好かれるさりげない気遣い』の中からご紹介します。


「忙しい」をポジティブにアピールする

☞「大変」「忙しい」は皆一緒と心得る

 学生時代の一部の仲間で同窓会を開こうという話が持ち上がりました。
 さて、幹事を誰にするか決めなければなりません。幹事をやりたくないあなたは、どのように言って断りますか?
「今は仕事が立て込んでいて忙しいから……」
「子どもの送り迎えで忙しいから……」
 そんな理由は使っていませんか?
 また、男性によくあるこんなやりとり。
「今日はLINEする暇もないくらい忙しかったよ」
「残業続きで3日近く寝ていないよ」
 こんなふうに忙しいことを、自慢のように話してしまっている方、いますよね。
 そのとき、相手は口では「大変だねえ」と言いながら、心ではどう思っているでしょうか。「私だって忙しいのに」ということです。

自分の力不足を認めたうえで代案を

 時間というのは平等に与えられています。経営者であっても、専業主婦であっても、忙しいと感じるのは本人次第なので、どちらのほうが忙しいということは比較できないはずです。それでも、私たちは大変な状況に置かれると、自分が一番忙しいような気分になってしまうから不思議です。
 私も自分のタイムマネジメントができていないだけなのに、忙しさのあまり被害者のような気持ちになってしまうことがありました。
 でも、いかに自分が大変で、自分が忙しいかをアピールしてくる人と、プライベートでつき合いたいとは思わないはずです。電話に出てくれたはいいけど、バタバタしている感、忙しい感を出してくる人に対し、いろいろ話そうとは思わないですよね。
 そこで、つい使ってしまいがちな「忙しい」を言わないように、断りたいものです。
 たとえば、最初のたとえの幹事を断りたいシーン。
「恥ずかしいのだけど、今の仕事にまだ馴れていなくて、皆に声がけする時間がつくれないの」
 そんなふうに自分の力不足を正直に伝えることで、忙しいアピールは一気になくなります。そのうえで、「当日の会計はがんばるよ!」とか、「お店の候補は一緒に出すよ!」など、代案を出せるとよいですね。

ネガティブな言い回しをポジティブに変換

 他にも「10分しか時間つくれない」と言ってしまいそうなときには、「10分であれば時間つくれる」と言い換える。
 電話に出たけどゆっくり話せないと思ったら、「ごめん、ちょっとバタバタしていてゆっくり話せないんだけど……」を、「〇時頃であればゆっくり話せるんだけど、どうかな?」と言い換える。どちらも否定的な印象から肯定的な印象に変わっています。
「忙しい」ことはしっかり相手に伝わりますが、与える印象は大きく違い、余裕を感じさせる言い回しです。
「忙しい」「大変」なのは、立場にかかわらず皆一緒だということを常に忘れずにいてください。ついつい「忙しいアピール」をしてしまいそうなときは、肯定的な言い回しに変えられないかを考えることが大人の気遣いです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 いしく’’ろ)


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