「経験・知識・スキル」を評価する人材採用はもはや時代遅れ!?
フォレスト出版編集部の寺崎です。
企業が即戦力の中途採用をするときにもっとも重視するのが「経験・知識・スキル」です。
現に編集部でもいま即戦力の人材の採用を進めており、もっとも重視しているのがこの「経験・知識・スキル」といっていいでしょう。
「優れた企画を立てられるか」「書籍編集の実務経験があるか」「著者や関係者とスムーズに仕事をこなしていけるか」といったあたりを探りに応募者にインタビューしていきます。
ただし、じつはこの「経験・知識・スキル重視の採用」が過去の産物である・・・といったら驚かれるでしょうか?
VUCAの時代と言われる今、世界はどんどん変化しています。
あらゆる業種、職種も同様に変化せざるをえないでしょう。そんな時代には「これまでと同じ仕事をこなせる経験・知識・スキル」が足かせとなるかもしれません。
そんな問題意識も携えながら世に問われたのが『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野壮彦・著)です。
では、「経験・知識・スキル」ではない、人を選ぶ判断基準とは?
それが・・・「コンピテンシー」そして「ポテンシャル」です。
ここで『人を選ぶ技術』のおさらいをします。
人を見る4階層がこちらです。
これについては11月21日のnote記事に触れましたので、下記リンク先をご確認ください。
今日はいよいよ、地下2階部分の「ポテンシャル」の話に進みたいと思います。ここからが「人を選ぶ技術」「人を見抜く技術」の最先端の知見が詰まったところです。
ミステリアスな地下2階=人間のポテンシャル
とても短い文章の一節ですが、ここで語られていることはきわめてこれからのビジネスに重要な示唆を与えてくれます。
いま、この記事を書いていて、ふと思いつきましたが、これって一人の人間の話だけでなく、組織単位でも当てはまることかもしれません。
「ポテンシャル(器)」が大きければ大きいほど、「伸びしろ」はデカい。
「経験・知識・スキル」そして「コンピテンシー」を測るだけでは、伸びしろを予測することはできません。
最先端の「ポテンシャル・モデル」とは?
では、この「ポテンシャル」っていったいなんなんでしょうか?
なんと、その人のポテンシャルを測るための「ポテンシャル・モデル」なるものがすでにあったのです。
このモデルの開発を指揮したのは、アルゼンチンの著名コンサルタントであるクラウディオ・フェルナンデス・アラオスという方だそうです。
人のポテンシャル、つまり「器」の大きさ、伸びしろを測る4つのポテンシャル因子は次の4つ。
◎好奇心
◎洞察力
◎共鳴力
◎胆力
「好奇心」がすべての要素の上位に立つ最重要項目で、そこに「洞察力」「共鳴力」「胆力」が加わり、さらに「好奇心」には「吸収」と「更新」、「洞察力」には「集める」と「繋げる」、「共鳴力」には「結ぶ」と「響く」、「胆力」には「腹決め」と「律する」というサブセットがそれぞれにあります。
なかなかこのレベルになると深みにハマりそうですね。その人の「能力」ではなく、「エネルギー」を見るのがポイントというわけです。
そこにこそ、ポテンシャルを見出すカギがある、と。
本書ではこれらの各ポテンシャル因子の分析、さらには各サブセットの詳細を解説しています。
そして、結論としてこう結ばれています。
卑近な事例で恐縮ですが、フォレスト出版で過去活躍した社員のなかには、元ギャンブラー(!)、元焼肉店店員、元警察官(の彼は今でも活躍中)、元塾講師など、出版とは縁もゆかりもない世界から飛び込んで成功した事例がたくさんあります(ポテンシャル・モデル採用の最先端企業かっ!?)。
「経験・知識・スキル」の乏しい、しかしながらポテンシャルは期待できそう。そんな人材の採用には踏み込むのは、なかなか勇気がいることですが(本書ではこれを「ワイルドな採用」と評している)、組織としての伸びしろを大きくするうえでは大事なことかもしれません。
人を4階層で分解していくこの考え方ですが、最下層の「ソース・オブ・エナジー」とはなにか?
これについてはまた改めて別の記事でご紹介します。
▼過去記事はこちら
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